将来自分はちゃんと年金がもらえるのか、老後の貯蓄はいくら必要なのかと、不安に思っている人はいませんか。私達の老後の生活を支える年金ですが、2017年9月に、その年金の支給もれがあるという衝撃的なニュースが話題となりました。では、実際、今の年金受給資格がある方々は、どのくらい年金を受け取っているのでしょうか。現在の年金事情について、詳しく見ていきましょう。
実際いくらなの?
年金受給額を徹底調査!
2017年10月23日
年金いくらもらってるの?
現在、年金をもらっている世代の方々が、実際毎月いくら年金を受給していているのか、気になったことはありませんか。「こんなに年金もらえるんだ!」とか「年金だけだと足らないかも」とか、自分の老後のマネー計画を立てる上でも、大変参考になりますね。
厚生労働省が平成29年3月に発表した「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、現在の年金受給者の状況をチェックしていきましょう。
会社員の場合
おもに会社員の方が加入するのは「厚生年金保険」ですね。保険料の半分は会社が支払い、残りの半分は本人が負担しています。
平成27年度末、厚生年金保険の加入者数は、4,129万人。そのうち男性が2,613万人、女性が1,516万人。厚生年金保険の場合、男性と女性の加入者数に大きな開きがあることが分かりますね。
女性の場合は、専業主婦、またはパートで働いていても収入が少ないため、夫の扶養に入り、国民年金の第3号被保険者となっている方が多くいらっしゃいます。平成27年度末で、第3号被保険者は915万人、そのうち女性は904万人と大多数を占めています。
そして気になる毎月の受給額。厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、平成27年度末現在で、老齢年金 は14万8千円となっています。
さらに、男女別で見てみると、厚生年金保険(第1号)老齢年金の受給額は、65歳以上の男性の場合、平均毎月17万8,928円となっており、同じく65歳以上の女性の場合は、平均毎月10万9,180万円となっています。
自営業の場合
自営業の方の場合は、国民年金に加入します。平成27年度末現在の第1号被保険者数(任意加入被保険者を含む)は、1,668万人 となっています。厚生年金保険に加入している人の方が、圧倒的に多いという現状が分かりますね。
また、国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、平成27年度末現在で5万5千円。国民年金は、保険料を全て本人が負担しなければならず(自営業なので、会社が半分負担してくれない)、実質的に掛け金が少なくなり、将来もらえる年金額が少なくなってしまうのです。
さらに、年金の詳しい資料について確認したい方は、こちらの厚生労働省の資料を参考にしてみましょう。
老後のためにいくら貯蓄が必要?
それでは、現在の年金支給額をもとに、老後までにいくら貯蓄が必要なのかを考えていきましょう。
総務省が発表した2016年の「家計調査」によると、65歳から69歳の「高齢夫婦無職世帯」の生活費は、月額26万2,042円となっています。
一方、現在の厚生年金保険(第1号)老齢年金の受給額は、平均毎月14万8,000円。この差額の約11.4万円(26万2,042円−14万8,000円)については、自分で老後資金として準備しておかなくてはいけません。
仮に85歳まで生きたとすると、なんと2,736万円(11.4万円×12ヶ月×20年間分)の貯蓄が必要となります。
プラスαの資金も必要
さらに、自宅の修繕費用や、病気や怪我などの治療にかかる医療費、たまに旅行に行きたい時に使う娯楽費なども考慮すると、さらにお金を準備しておく必要がありますね。年金だけでは、豊かな老後の生活が送れないということを頭に入れておきましょう。
今から始める老後への備え
そうは言っても、65歳なんてまだまだ先で、なかなかピンとこない、という人もいるかもしれません。そんな方は、まず5年先、10年先、など近い将来を基準とし、目標金額を決めて貯蓄をスタートさせましょう。
いくら必要になるかを見定めて
例えば、まずは毎月4万円貯蓄することができれば、年間で48万円、5年で240万円を貯蓄することが可能です。さらに、次の5年間は、毎月5万円貯蓄することを目標として、年間で60万円、5年で300万円を貯蓄しましょう。これで10年間かけて540万円のお金を貯めることができます。
このように、短いスパンで貯蓄目標を立てて達成することができれば、30歳から始めたとしても、しっかりお金を貯めることが可能なのです。まずは、できるところから、貯蓄をスタートさせて下さいね。
いかがだったでしょうか。現在の年金事情が分かると、自分自身の老後のマネープランをより明確にイメージできるようになります。会社を引退した後も、豊かな生活を送るために、今日から早速、計画的な貯蓄を始めましょう。