節約家さんに多い“もったいない思考”。ものに愛着を持ち、大切に使う姿勢はとても素晴らしいことですが、なかには行き過ぎた“もったいない思考”によって「物が捨てられず、部屋がゴチャゴチャで困っている」「慎重になりすぎて、気持ち良く暮らしを楽しめない」と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。行き過ぎた“もったいない思考”から抜け出して、暮らしも気持ちもスッキリ!してみませんか?
暮らしも気持ちもスッキリしたい!
“もったいない思考”から抜け出す方法とは?
2017年9月26日
「もったいない」が口癖になっていませんか?
もったいない思考の持ち主は、「無駄にしてしまうこと」に対して感情が敏感!物でもお金でも、本来の価値を発揮させないまま捨ててしまうような行為は、耐え難い気持ちになるのだろうと想像できます。
物を大事にする気持ちは大切ですが、行き過ぎた“もったいない思考”は自分で自分の暮らしを不便にするなど、困った影響を及ぼします。
食べ放題は「元を取らなきゃ!」と張り切るタイプ?
もったいない思考に心当たりのある人は、食べ放題のお店に行くと「元を取らなきゃ!」と張り切っていませんか?
実はこの考え方、色々損をしています。まず、食べ放題の料金設定は、『食材にかかった金額+お店の利益』のように単純ではない、という点です。
実際は、お店の維持費や輸送費、従業員の給料など…全てを含め考えられた料金になります。ですから、その上乗せ分を食べることだけで取り返す、というのは無理がある考えなのです。
また、効率よく元を取ろうと知恵を働かせすぎると、「好きなもの」ではなく「高そうなもの」を狙って食べることにもなりますよね。
これではせっかく楽しいはずの食事の時間が、何だかシラケてしまいます。支払った金額を“もったいない”と思う気持ちが行き過ぎると、“楽しく食事をする”という本来の目的から、行動が離れてしまうことに…。
〇〇放題の楽しみ方とは
食べ放題だけではありません。飲み放題・歌い放題・遊び放題など、元を取りたくなる「〇〇放題」はいくつもありますよね。
このようなシステムを利用するときには、どのようにして楽しむと“もったいなくない”のでしょうか。そのポイントとは、「お金」ではなく、「時間」で元を取ろうと考えてみることです。
〇〇放題のメリットは、金額を気にしなくてもいいところ。
好きなものを好きなだけ食べる、やりたいことをやりたいようにやる、というふうに、自分の気持ちに正直に、その「時間」を存分に楽しむのはいかがでしょうか。有意義な時間だったと満足できれば、“もったいない”とは思わないですよね!
「後に引けない」覚悟は“過去”と“未来”のどっちを見てる?
もう1つ、例を挙げてみましょう。もったいない思考さんは「後に引けないから」という理由で本当は辞めたいことをずるずると続けている場合があります。
例えば、資格を取るために始めた通信教育などです。もうすっかり気持ちは離れているのに、すでに数万円掛けてしまった教材だから、その金額を無駄には出来ないという気持ちでズルズルと続けている……思い当たる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
埋没費用(サンクコスト)は無視してOK!
通信教育の例のような、すでに使った金額は埋没費用(サンクコスト)といわれます。この埋没費用は、これから先に通信教育を「続ける」にしろ「辞める」にしろ、どちらにも計上される金額となるので、実は今後の選択には影響しないものなのです。
行き過ぎたもったいない思考さんは、この埋没費用に心を囚われがちになります。埋没費用は無視してOK!と知っておけば、何かを決めるときにも少し、気持ちが楽になりますね。
「もったいない」のはこれからの時間
では、「後に引けない」という気持ちを良い方向につなげるにはどうすればいいのでしょうか。もったいない思考に囚われていては埋没費用を気にしてしまいますが、この場合、後に引けないという気持ちは“過去”につながっていることになりますよね。
良い覚悟の決め方は、“未来”に気持ちをつなげることです。同じ「後には引けない」という気持ちなら、“未来”の自分を想像して「今こそその時!」という意味で覚悟を決めるのが良いでしょう。
先ほどは埋没費用について触れましたが、対になる「機会費用」という言葉があります。これは、『選ばなかった方の選択肢で得られたはずの利益は、損失とみなされる』という意味で、無視できない費用だといわれています。
つまり、『気乗りしない通信教育を続ける時間があれば、その時間で他のことをやればもっと自分の為になるかもしれないよ』ということですね。
自分の行動を過去に引きずられてしまうと、未来の時間を無駄にしてしまうことにもなりかねません。それこそまさに、もったいないことですね。
過去の反省を次に活かして
もったいない思考さんは、きっと「無かったことにするなんて出来ない」という想いがあるのだと思います。
ですが、もったいない思考を止めることは、過去を忘れること、捨てることを意味するのではありません。
そうではなく、「受け止めて次に活かす」という気持ちでいることが大切ではないでしょうか。
もし、無駄にしてしまった、もったいないことだった、と思うような出来事があれば、その気持ちを受け止めて、繰り返さないように次に活かす。
もったいない思考もこんな考え方なら素敵ですよね。考え方を少しだけ変えて、暮らしも気持ちもスッキリな毎日を過ごしましょう!