「浪費がやめられない」「つい不必要な商品を買ってしまう」…。そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?「私には節約なんて無理!」と諦める前に、一度自分の行動を見直してみましょう。もしかすると、企業の戦略にハマっているだけかもしれません。今回は、浪費してしまう時によくみられる3つの心理について紹介します。
浪費が止まらない人は要注意!
企業の心理作戦にハマってるかも?
2017年6月26日
浪費の心理①行列のできるお店に入りたくなるケース
大勢の人が購入しているというだけで、人は商品に価値を感じるものです。商品知識が全くないのに「口コミだけを頼りにして購入してしまった」という経験はありませんか?実は、このような行動には心理効果が働いているのです。
人が人を呼ぶ!つい入りたくなるお店のヒミツ
人は何かを決める時、自分の判断よりも他人の判断を優先してしまうことがあります。簡単に言うと、他人が買っているものを見ると「私も欲しい!」という気持ちが働くということですね。これを「社会的証明の原理」と呼びます。
例えば、どのお店でランチを食べようか悩んでいる時、行列のできているお店に入りたくなった経験はありませんか?
もしくは、通販サイトを眺めている時、レビューの多い商品をつい購入してしまったことはありませんか?
これらは、どちらも他人の判断を頼りにしていますよね。たくさんの人が購入している商品を見ると、私たちは無意識のうちに「価値がある」と考えてしまうものです。その結果、商品知識が全くないにも関わらず、商品を買ってしまうことがあります。
「販売数100万本突破」で購入したくなる心理
また、企業側が商品を売り出す際にもこの心理を上手く活用しています。店舗やウェブの広告などで、よく「販売数100万本突破」という言葉を見かけますよね。この広告も、消費者に「大勢の人に選ばれている商品だ」と思わせる効果があります。
普段何気なく入っているお店でも、よく見るとさまざまな所で「社会的証明の原理」が活用されています。もしかすると、あなたも知らないうちに企業の戦略にはまっているかもしれません。
浪費の心理②高いものが安く見えるケース
人は何かを買う時、実際は高い商品でも「安い!」と判断してしまうことがあります。では、どんな時に安いと感じてしまうのでしょうか?
商品の価値は「比較」で決められている?
私たちが買いものをする時、当然ながら商品の値段を気にしますよね。高い商品であれば、例え必要なものでも購入を躊躇うものです。
しかし、高い商品でもお店の陳列によっては「安い!」と感じ、その結果浪費につながることもあるのです。というのも、人は商品を購入する際に中身よりも価格を比較して、購入を決める傾向があるためです。
商品の並び方で「安い」と感じてしまうことも
例えばあなたが家電量販店にテレビを買いに行って、欲しい商品が5万円で売られていたとします。この商品だけを見た場合は、価格が高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、隣に同じタイプのテレビが7~8万円で販売されていた場合は、どのように感じるでしょうか?7~8万円の商品と比較すれば、5万円が安く感じますよね。このように、人は中身よりも価格を比較して判断してしまうケースが多いのです。
つまり、比較対象によって安く見えるということですね。ビジネスでは非常に良く使われている戦略です。
セール品にも比較効果が働いています
また、セール中のお店でもこの戦略は使われています。お店の一角に「セール対象外」と書かれた商品があると、セール品が尚更おトクに感じるものです。セール品とセール対象外品を比較することで、「おトクだから買わなきゃ!」という心理が働いてしまうのです。
この戦略により商品が安く見えてしまい、結果的にムダにお金を使ってしまったという人もいるのではないでしょうか?あまり欲しくない物でも、おトクに感じるとつい買ってしまいますよね。
浪費の心理③「助け合い」の気持ちが無駄遣いにつながるケース
人は相手に何かをもらった時に、「お返しをしなければならない」と考える傾向があります。みんなで助け合って生活しているのですから、ごく普通の考え方ですよね。
この心理を「返報性の原理」と呼ぶのですが、実はビジネスでも活用されています。「食品売り場の試食コーナー」が良い例でしょう。
試食コーナーのお姉さんに声をかけられ、つい試食品を食べてしまった経験はありませんか?その時、少なからず「食べたからには商品を買わなければ」という気持ちが芽生えたのではないでしょうか。
このケースはまさに、「貰ったからにはお返しをしなければならない」という心理現象に当てはまりますよね。これが「返報性の原理」です。
このほかにも心理的な要素を使って企業はわたしたちを誘惑してきます。より詳しく知りたい方は「みんなが持ってるから」の心理は 本当だった!流行を追いすぎて “浪費”しないためのポイントは?をチェックしてみてくださいね。
必要なのは見極める目と冷静な心
いかがでしたか?ここまでで紹介した3つの心理効果は、企業がよく使っている手法です。購入前に一度「自分にとって」本当に必要なものかどうか考えてみましょう。
便利なものでも、すぐ使う予定が無いのなら焦って買う必要はありません。お金に余裕が出来てからでも問題はないでしょう。そもそも、他の人にとっては必要なものでも、あなたにとっては必要が無いものかもしれません。
比較や他人の判断に頼らず、ゼロの状態から「本当にお金と同等の価値があるか」という点について冷静に考えてみてください。もしくは、あらかじめ商品の相場を調べておくのも手段の一つでしょう。感情をコントロールして冷静に判断することで、買い物での失敗を減らせる可能性があります。