人間、誰でも頑張ったことは認められたいし褒められたいもの。頑張ったことに対して、何かうれしい“ご褒美”があれば、さらにやる気もUPするはず。結果が出るまでに長く時間がかかるプロジェクトや、大きな努力が必要な資格試験などは、“ご褒美”を上手く利用して、苦難を乗り切るためのモチベーションを維持したいですよね。今回は、自分にあげる“ご褒美”をより効果的に活用するための方法をご紹介します。
自分に“ご褒美”でモチベーションUP!
その効果的な方法とは?
2017年5月17日
効果的なご褒美を考えるためのキーワードを知ろう。
自分にご褒美をあげる効果的な方法を考えるために、まず知っておきたい2つのキーワードがあります。
キーワード①「損失回避性」
1つ目のキーワード「損失回避性」とは、「人間は何かを得ることよりも、失うことの方が重大に感じる」性質のことです。この性質により、人間は例えば同じ1万円という金額でも、「1万円をもらえること」の満足度より「1万円を失うこと」の苦痛の方が大きく感じるのです。損は避けたいと思ってしまうのですね。ご褒美は、自分にとって「得ること」ですが、自分のお金で買う、という点では損失とも考えられます。損失回避性の心理を上手く使うことは、自分にご褒美をあげるベストなタイミングを考えるヒントになりそうです。
キーワード②「外発的動機と内発的動機」
2つ目のキーワードは「外発的動機と内発的動機」です。あなたの頑張り事は、「外発的動機」ですることでしょうか?それとも「内発的動機」ですることでしょうか?
- 外発的動機とは……評価や報酬、強制など、外部から起こっている動機。
- 内発的動機とは……自分の興味や関心、意欲を元に内面から起こっている動機。
「なぜそれをするのか」という動機は、このように2通りのパターンに分けられます。では、それぞれの場合について効果的なご褒美の方法を考えてみましょう。
あなたはどっち?○○的動機で分ける“ご褒美”のタイミング。
外発的動機による「やる気」に効果的なご褒美は「○○買い」!
外発的動機による場合、「やる気」は一時的で長続きしないと言われています。また「社内で取る決まりの資格だから」というような強制が動機になっている場合は、そもそも最初からモチベーションが低いことも多いですよね。
そう考えると、自分へのご褒美は「小さなものを途中途中でこまめにあげる」方法が良さそうです。“今回はここまで進める”と“ここまで進んだらご褒美”をいつでもセットにして予定を組むことで、少しずつでも確実に進める習慣ができます。こまめにブレイクを挟みながら、期間の最後まで「小さなやる気」をつないでいくイメージですね。そして全てが終わった時には、旅行やリラクゼーションサロンなど、ストレスを解放するためのリフレッシュを用意すると、スッキリと次の頑張り事に移行できます。
内発的動機による「やる気」に効果的なご褒美は「○○買い」!
内発的動機による場合、最初のモチベーションは高めです。ですから自分へのご褒美は、モチベーションが高い状態を維持するために使いたいもの。そう考えると、「先に記念になるものを買っておく」方法が良さそうです。スイーツなどの“消えもの”をご褒美にするより、欲しかった時計やアクセサリーなど、ずっと記念になるようなものを選びます。「これを買ったのだから」とお守り代わりにするのです。中だるみしそうな時期には、先買いしたご褒美を眺めて、初心を思い出すのもいいですね。
また、損失回避性という心理から考えると、すでに自分のものになっているご褒美を手放すのは避けたいはずです。万が一、最後まで頑張れなかったときにはご褒美を手放す覚悟で臨むのも、いい刺激になるかもしれません。目標を達成した後は、そのご褒美が「やればできる証拠」となります。いつでも達成感を思い出し、次また頑張ろうと思える記念の品物になりますね。
自分を追い込むときに使う“願掛け”。その効果的な方法は?
自分へのご褒美のほかに、やる気を奮い立たせる方法としては“願掛け”もあります。例えば、
「この試験に合格するまで、半年間は禁酒する。」
というようなものです。試験合格に向けてプレッシャーと戦いながら頑張っている自分をさらに追い込む願掛け。サボりたくなる自分から、甘い誘惑を遠ざけるには有効な方法です。ただ、この方法では試験の辛さと禁酒の辛さが重なるので精神的にもキツイはず。そこで少し視点を変えて、損失回避性の心理を活用して
「この試験に合格しなかったら、半年間は禁酒する。」
とする願掛けはいかがでしょうか。損失回避性の心理によれば、人間は手にしているものを失う方が心に響くわけですから、「合格しなかった場合にお酒を飲める権利を半年間失う」条件を自分に与えてしまうのです。何かを禁止する願掛けは、このように禁止期間をあとに持っていく方法も効果的です。
ご褒美でやる気をコントロールして、何事も前向きに取り組もう!
大人になれば、ときには嫌なことでもやらなければならなかったり、今ここ!というチャンスで自分を追い込むぐらいやる気を出さなければならなかったり……。なかなか、毎日ほどほど気楽に、というわけにはいきませんよね。
気持ちが乗らないときでも、やらなければならないことをきちんとやるのは、その後の厚い信頼につながります。自分への“ご褒美”を効果的に使いながら、何事にも前向きな気持ちで取り組みましょう。