昨年から物価上昇が続いています。
でも、日本の金利は依然として低いまま。
このような状況で、どのようにしたらもっとお金を殖やすことができるのか悩んでいませんか?
そこで、インフレ時に考えたい資産運用についてお伝えします。
どうしたらいい?インフレ時の資産運用
2022年11月24日
物価が上昇しているのはなぜ?
2022年は様々なものが値上がりしました。
買い物に行くたびに物価が上がっているのに気が付いたり、光熱費の引き落としの金額を見てびっくりしたりした人も多いのではないでしょうか。
物価がどれくらい上昇しているのかを表す指標に「インフレ率」があり、前後1年間の消費者物価指数(CPI)を用いて算出されます。
総務省統計局の発表によると2022年9月の生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)は3.0%上昇となりました。これは、消費増税の影響を除くと1991年8月以来、31年1ヵ月ぶりの物価上昇ということになります。
2021年の秋から続いている物価上昇(インフレ)ですが、そもそもなぜ物価が上がり続けているのでしょう。
燃料や資源価格が上昇
新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた世界の経済が動き出すにつれ、世界各国でモノやサービスの需要が拡大してきました。そこに、ロシアとウクライナの戦争が始まったことで、原油や天然ガスの主要輸出国であったロシアからの輸入が停滞したり、ウクライナからの穀物の輸入が停滞したりすることになりました。そのため、エネルギーや穀物といった原材料の価格の高騰が続いています。
円安により輸入商品が値上がり
物価が上昇している2つ目の原因は、急速に進んだ円安です。
日本は、輸入しているモノが多くありますが、円安となることで価格が割高になります。
特に原油や食料品が円安の影響を受けて値上がりしています。
インフレと金利の関係は?
先ほど、円安が急速に進んでいるとお伝えしました。
その原因となるのが特にアメリカの金融引き締め政策です。アメリカはインフレを抑制するために、金利を引き上げています。
11月2日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.75%引き上げ政策金利は3.75%~4%となることが決定しました。
しかし、日本は依然として金融緩和策を継続しており、日本の政策金利は-0.1%とマイナス金利が続いている状況です。
一般的に金利が低い国の通貨は売られ、金利が高い国の通貨が買われます。そのため、円が売られドルが買われるようになり、円安ドル高が進んでいるというわけです。
日本はマイナス金利が続いている状況とお伝えしましたが、2022年11月現在の日本の大手銀行の1年定期の金利は0.002%と低くなっています。つまり、消費者物価指数は3.0%上昇している状況の中、銀行の定期預金にお金をおいておくことは実質お金が目減りしていることになるのです。
インフレに効果のある資産運用って?
インフレ時にお金を殖やしていくためには、インフレ率を上回る利回りを狙うことが大切です。そのためには、インフレに強い資産に投資をする必要があります。
「インフレに強い資産」にはどのようなものがあるのでしょうか。
株式
インフレ時は一般的に企業の業績がよくなるため、株式投資は有効です。
業績がいいのに株価が下がっている銘柄があれば、チャレンジしてみるのもいいでしょう。
不動産
物価が上昇するインフレ時は、一般的に家賃も上昇するので、賃貸居住者が住宅を取得して預貯金を不動産に替えることや、賃貸不動産を所有して家賃収入を得ることは有効だと考えられます。ただし、不動産投資は投資額も多くなるのでなかなか難しいかもしれません。そのような場合にJリート(不動産投資信託)で運用するのもひとつの方法です。
コモディティ
コモディティとは「商品」という意味です。
「コモディティ投資」とは、原油やガソリンなどのエネルギー、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物などに投資をすることをいいます。
金(ゴールド)は「有事の金」と言われ、戦争や急激な景気後退など社会の混乱で先行きが不透明なときにも価値が低減しにくいため頼りになる資産とされていて、価格は上昇する傾向があります。
投資信託
インフレ時に強い資産をお伝えしましたが、自分で銘柄を探すのは難しいという場合もあるでしょう。
特に、コモディティ投資は一般の人が投資をするにはハードルが高いですね。
そのような時に投資信託で運用するのもおすすめです。
投資信託を選ぶ時は、先ほどお伝えしたインフレに強い資産に分散投資がされているか、日本だけではなくアメリカや欧州、新興国など世界情勢に合わせて分散投資がされているかを確認してくださいね。
現在のインフレは様々な影響が重なり一時的なインフレと捉えられるかもしれません。
でも、もともと日本は2%のインフレ率を目指しています。一時的なインフレが落ち着いたあとも、インフレ率に注目してインフレ率以上の運用利回りを目指して資産形成していきたいですね。
(※本ページに記載されている情報は2022年11月5日時点のものです)