異常気象や気候変動などの言葉が、よく聞かれるようになりました。大雨被害などのニュースで、「こんなことは初めて」と住人の方がインタビューに答える姿も目にします。
自然災害への備えを考えるとき、大雨や雷、竜巻などによる損害が火災保険の補償の対象かどうか気になる方もいるでしょう。
大雨や雷、竜巻などによる損害に対する火災保険の補償について簡単にご紹介します。
大雨や雷による損害は
火災保険の補償の対象?竜巻は?
2022年11月3日
自然災害による損害も火災保険の対象?
大雨や雷などによる建物や家財への損害
火災保険を、その名前から、火に関係する災害のときにだけ役立つ保険と考えていませんか。
また、自然災害のニュースの増加で、自然災害による大切な家への損害の可能性が気になっている方もいるでしょう。
火災保険では、契約する商品ごとの違いはあるものの、自然災害による損害も補償される場合があります。例えば、落雷による損害(屋根に穴が開いたなど)は、一般的な火災保険の基本補償に含まれています。
自然災害への備えが気になっている方は、現在の契約内容がどうなっているのか、火災保険の保険証券でチェックしておきましょう。
風災や水災など自然災害の種類はいろいろ
風災や水災、雪災など、自然災害による損害には、いろいろな種類があります。これらの損害は、保険商品により、基本補償に含まれていたり、セットにするかしないかという形での選択制になっていたりします。
・風災
強風で瓦が飛んだ、窓が割れたなど
・水災
高潮や川の氾濫、排水限度を超えたことによる床上浸水、土砂崩れにより家が押し流されたなど
・雪災
雪の重みや雪の落下による家屋等の損傷など
・ひょう災
大粒のひょうにより瓦が割れたなど
なお、地震による損害は火災保険では補償されず、地震保険で別に備える必要があります。地震保険の保険料は居住地域と建物の構造によって変わります。
水災への備えが気になる?
排水しきれないことによる床上浸水も
自然災害全体の状況を見ると、水災に比べ、風災のほうが発生回数や規模が大きいという特徴があります。
しかし、排水が間に合わないことによる都市型の床上浸水の事例もあることから、水害による損害が気になり始めている方もいるでしょう。
傘が全く役に立たないレベルの1時間あたり50㎜以上の激しい雨が増加(およそ30年前と比べておよそ1.4倍)し、水害による損害額も増加傾向にあるためです。
地域によるリスクの違い
なお、注意報や警報が出されるときに使われる「大雨」という言葉には、一律の基準値があるわけではありません。地域ごとのリスクに合わせて定められている数値となっています。
損害保険では、補償の範囲が広がるにつれ保険料が高くなることが一般的。
例えば、川の近くや低地に住んでいたり、土砂崩れのリスクのある崖の近くに住んでいたりなど、住まいの状況に合わせて水災補償をつける検討をするかどうかを決めるとよいでしょう。
出典:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/kiroku/suigai/suigai_1-1-5.html、https://www.mlit.go.jp/river/kawanavi/prepare/)
火災保険で自然災害に備えるために
支払い基準も商品選びのポイントに
火災保険の水災補償では、一定基準の床上浸水による被害は補償されても床下浸水による被害は補償されないなど、保険商品の種類によって支払い基準が変わります。どの程度のリスクを想定するのか、補償してもらいたいのかを決めておくと、保険商品選びに役立つでしょう。
なお、火災保険では、補償の対象が、建物と家財の2つに分かれている仕組みとなっています。水災補償をつける場合においても、片方だけ、あるいは両方と選べます。
被災してしまったときの問い合わせ先
水災などの自然災害に不安を感じる地域に住んでいる場合、日頃から防災や減災の意識を高めておき、少しでも安心して日々を過ごせるようにしておくとよいでしょう。最低限の備えとして、下記2つのチェックがおすすめです。
・ハザードマップで災害リスクをチェック
・大雨のときは「川の防災情報」で川の状況をチェック
火災保険に限った話ではありませんが、保険について、契約後に内容をチェックしないまま放置してしまう方が少なくありません。自然災害への補償をチェックする機会に、契約している保険の契約情報を整理しておくと安心です。
災害救助法が適用された地域で被災し、保険契約に関する書類をなくしてしまった場合は、下記で契約照会を受け付けてもらえます。このような知識を持っておくことも、日々の安心につながるでしょう。
・日本損害保険協会 自然災害等損害契約照会センター
0120-501331
(受付時間は月~金の 9:15 ~ 17:00)
生命保険については、下記となります。
・生命保険協会 災害地域生保契約照会センター
0120-001731
(受付時間は月~金の 9:00 ~ 17:00 )
出典:金融庁(https://www.fsa.go.jp/ordinary/heavyrain202107/press.html)
※本ページに記載されている情報は2022年10月3日時点のものです