「節約」は物価が上がり続けている昨今において、多くの人が意識しているテーマでしょう。でも、お金の節約を考えるあまり時間や手間を費やしてしまうなど、不効率な節約になっていませんか。お金の節約に努めたい今の時期、あらためて節約の目的を考え効率的な方法を実践してみましょう。
節約は「お金」「時間」「手間」のどれが大事?
物価上昇時に考えたい節約術
2022年8月18日
あなたの節約の目的は? 節約の先を考えてみよう
無駄遣いをなくしたり、貯蓄を増やしたり――節約は家計運営のためにも、資産形成のためにも大切なことです。これは、最近のように物価が上がり続けている状況下だけではありません。
でも、最近のように、食料品や電気代、ガソリン代など、家計支出のさまざまなモノの値段が上がっている状況では、何かの支出が増える分を何かの支出を減らして均衡を保つことができないという人もいるのではないでしょうか。ついつい、「節約、節約……」と言葉が口から出てしまいがちですが、こんなときだからこそ、何のために節約が必要なのか、自分自身のねらいを考えてみましょう。たとえば、支出を減らして○○したい、貯蓄を増やして○○したいなど、意識下を探ったらどんな思いが隠れているでしょうか。
ただ、あらゆるモノやサービスの値段が上がっているなか、「これまで298円だったものが360円に上がったから62円分節約しよう」というのでは、これまでと同じだけの家計支出額に抑えるのは難しいかもしれません。大切なのは、節約の先々を具体的に考えることです。たとえば、「○○を買うために支出を減らしてお金を貯める」とか「△年後までに200万円貯めたいから、毎月の支出をいくらに抑えたい」などという具合です。
賢く節約するなら「お金」×「時間」×「手間」
節約の大原則は無駄な支出を減らすことですが、最近の経済状況では「無駄な支出はすでに切り捨てた。これ以上は減らせない」、という人もいるかもしれませんね。それなら「お金」の節約だけにこだわらず、「時間」や「手間」を節約することも考えてみましょう。時間や手間をお金で買うと考えて、支出増に目をつぶる節約法です。
たとえばスーパーなどでの買い物です。物価高の昨今では10円でも安いものを求めて買い物したいという人もいるかもしれません。しかし、安いものを買うために複数の店をはしごするのは、その分時間もかかります。車で行くならガソリン代もかかりますね。料理にしても、手間暇かけるのもいいですが、合わせ調味料やカット野菜を買ってパパッと調理すれば自炊時間を節約できます。
「時は金なり」とう言葉もあるように、時間や手間はお金と等価あるいはそれ以上の価値で交換できるものだという考え方もあります。
ここで、筆者自身の「お金の節約」失敗例をひとつ紹介しましょう。家のリフォームの話です。業者に頼みたいけれども予算とスケジュールの都合がつかず、自分たちでリフォームをすることに。詳しい話は省略しますが、ネジ・釘類などの細かなものから工事道具まで必要なものは全部揃えたつもりでいても、いつも何かが足りずに何度もホームセンターに行く羽目になったり、こうして無駄な時間を費やしてしまうため食事を作る時間もなくなり、毎日続けて外食したり、外食するから買い物していた野菜や肉などがムダになったり。考えていた以上にお金も時間も手間も使ってしまったという失敗談です。
目的に応じて効率よく節約しよう
先に節約の目的を具体的に考えることをお伝えしました。先々の目的が明確になっていれば、目先の支出は減らせなくても、時間や手間を節約することによって目的の実現につなげることはできるのではないでしょうか。
たとえば、仮に時給1500円の人が、節約できた30分を仕事時間に充てるとすれば750円の収入増になります。それが20日間分だとすると1万5000円です。この分を貯めていけば、「○○を買うためにお金を貯める」「△年後までに200万円貯めたい」などといった目標も、単にお金の節約に努めるだけの場合よりも早く実現できるかもしれません。
または、余裕ができた時間を使って習い事や資格取得などをするのもいいでしょう。その分支出は増えますが、視野を広げ、自分自身の価値を高めるなど未来の豊かさにつながる投資と考えることもできます。実際に、株や投資信託などの金融商品に投資をするのもいいでしょう。
とはいえ、やはり、限られた収入のなかでやりくりしなければいけないという人は多いはず。それならお金の節約は「支出額を減らす」だけでなく、「どういうお金の使い方をするか」を意識してみましょう。そのうえで、自分の目的に応じ、「お金」「時間」「手間」の節約バランスを見つけるようにしてください。
(※本ページに記載されている情報は2022年7月17日時点のものです)