普段使っているクレジットカードに海外旅行保険が付いていて、海外旅行に行く人には助かりますよね。
しかし、出発前によく確認しておかないと、旅先でトラブルがあったときにダメージを受けるのは身心以外にお財布にも…ということもあり得ます。
クレカの海外旅行保険で大丈夫!と安易に考えないで、海外旅行保険の加入もしっかり検討してみましょう。
海外旅行保険、加入しなくても大丈夫?
2017年4月21日
海外旅行中のリスクってどんなもの?
休みをとって向かう海外旅行には楽しみがいっぱい。行く前からリスクなんて考えたくはないですが、何かがあったら国内でトラブルが起こるときよりも、ダメージは何倍も大きい場合が多いんです。
健康保険が使えない
気をつけてはいても、気温や空気が変われば体調を崩してしまうことは結構あるもの。薬を飲んで治まればいいですが、ひどい食あたり、水あたり、ケガ等々で病院に行かなくてはならなくなることもあり得ます。そうなると、旅先では日本の健康保険は使えず、全額を自己負担しなければなりません。
実は日本の公的医療保険制度には「海外療養費制度」というものがあって、帰国後に所定の手続きをとれば、日本の健康保険から払戻しを受けられる制度があります。しかしながら、還付されるのは日本国内での治療費を基準に計算した額から、自己負担相当額を差し引いた額。
国によっては医療費そのものが高額な場合もありますが、高い医療費を払ったとしても、日本基準の還付しか受けられません。例えば同じアキレス腱断裂の治療でも、日本の病院だと約42万円のところ、ニューヨークでは230万円~360万円かかるんです。
スリ・盗難が多い
人ごみの中でバッグやポケットに手を入れられるようなスリや窃盗は以前からよくありますが、普通に歩いていたら隣にやって来て斜め掛けにしたバックをひったくられ、おまけに転倒してケガさせられるという悪質な盗難の話もよく聞きます。
また最近ではスマホを盗られる事件も多く、電話や写真撮影中に手から堂々と奪い取られることも多いんです。
帰国遅延
路上のデモに遭い予定よりも空港に行くのに時間がかかり予定の便に乗れない、ストで飛行機が飛ばないなど、帰国が遅延するリスクもあります。考えたくはないことですが、最近ではテロ事件もさまざまな国で発生し、その影響で全交通網が麻痺してしまうこともあり得る話です。
帰国が予定よりも遅れると、予定外の交通費やホテル代、日本の家族や職場への国際電話代など、お財布へのダメージになってしまいます。
クレジットカードの保険で足りる?足りない?!
さて、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険で、どれだけこれらのリスクに対応できるのでしょうか。
まずは付帯タイプを確認
実はカードの保険には、「自動付帯」と「利用付帯」という2種のタイプがあります。
自動付帯は、カードの利用に関係なく、カードを所有しているだけで保険が自動的に付いているもの。
一方の利用付帯は、そのカードを利用すれば保険が利くというもの。例えば、ツアー代や航空券など、海外旅行の費用を事前にそのカードで支払いをしていれば、そのカードの保険効力が発生し、旅行中に損害等が遭ったときに補償されるというものです。
つまり、もしもあなたのカードの保険が利用付帯タイプなら、ただ旅行に持って行くだけでは保険に入っていないのと同じことなんです。付帯タイプは所有しているカードによるので、事前に確認をしておきましょう。
保障内容は自分で決められない
カード付帯保険では、カード会社および所有しているカードの種類によって保障内容や保険金額が決まっていて、自分で決めることはできません。
例えば「治療・救援費用」はベーシックなカードで50万円程度、ハイクラスのカードでも100万円~300万円程度というのが一般的。先に見たような治療費に200万円~300万円かかるような国に行く場合、それだけでは足りないこともあるんです。自分のカード付帯保険の保障内容もしっかり確認しておきましょう。
リスクに合わせて任意加入も考えよう
行き先や滞在タイプ、あなたのニーズに合わせて海外旅行保険の任意加入も検討してみましょう。
行き先国の医療費事情に合わせて
健康保険の海外療養費制度があるとはいえ、旅行先国の医療費と日本の医療費に大きな乖離があるほど自己負担分が大きくなってしまいます。旅行先の医療費事情に合わせ、海外旅行保険の「治療・救援費用」の保険金を手厚くしておくと安心です。
外務省の「世界の医療事情」やさまざまな保険会社が提供している「世界各国の医療事情」などを参考にしながら、旅行先の一般医の診察料、1日当りの入院費用、手術の場合の金額などをざっと確認してみましょう。
テロ等対応費用補償も検討を
海外旅行=テロの不安があるわけではありません。でも、残念なことに全く不安なく旅行できるとも言い切れなくなってきた昨今。万が一に備え「テロ等対応費用補償特約」の付加も検討してみましょう。
これはテロの被害による死亡やケガで保険金が出るものではなく、テロの発生による空港閉鎖や交通機関の運行停止等で帰国が予定よりも遅れてしまったときに、交通費やホテル代、国際電話等の通信料を保険金額の範囲内で補償してくれるというもの。
タイトなスケジュールを組んで海外旅行に行くキャリア女子もきっと多いはず。帰国後の仕事の予定も心配ですから、金銭面では保険による安心を買いましょう。
海外旅行は決して安いものではないはず。そのお金をムダにせず、しっかり楽しむためには保険料をケチらないこと。不要な保障にまで保険料を払う必要はありませんが、考え得るリスクに合わせ、万全な対策で出かけたいですね。