ここ数年、食品や光熱費などさまざまなモノの値上げが続き、家計への影響を感じている人もいるのではないでしょうか。今年の初めに日銀が発表した調査でも、8割近くの人が1年後の物価も上がると考えているようです。でも、実際に値上げから家計を守る対策はできていますか?そこで本記事では最近の値上げの動きについて紹介するとともに、家計を守るための対処法を紹介します。
値上げの波から家計を守ろう!
おすすめの対処法を紹介
2022年3月18日
8割近くの人が物価上昇を実感
日銀が調査・公表している「生活意識に関するアンケート調査(2021年12月)」によると、アンケート対象者のうち77.4%の人が「1年前に比べて物価が上がった」と回答しています。
2021年9月の調査では、「1年前に比べて物価が上がった」という回答は61.5%、2021年6月の調査では56.4%でしたから、数ヵ月おきに物価上昇を実感している人が増えていることになります。
原料価格や燃料費高騰が、食品価格や電気代などに跳ね返るのは仕方のない部分もありますが、家計の防衛対策もしなければ暮らし向きは厳しくなってしまいます。前述調査でも、現在の暮らし向きは1年前に比べて「ゆとりがなくなってきた」という人の割合が40%と、2021年9月の調査時(36.3%)に比べて増えています。
最近の値上げ状況
今年に入ってからも物価は上昇を続けています。ここでは、日々の買い物で必要な食品類の値上げ状況を紹介します。
食パン、菓子パン
パン製品の主要原料である輸入小麦価格の大幅な上昇、油脂類、糖類、包装資材などの原材料価格高騰、エネルギーコストの上昇などで製パン会社は製品価格の値上げを実行しています。
山崎製パンは、2022年1月1日出荷分から一部の食パン、菓子パンの製品価格を改定しました。食パンは平均9.0%、菓子パンは平均6.8%の上昇です。
フジパンも同じく2022年1月1日出荷分より、食パン、食卓パン、菓子パン、総菜パンを対象に平均8.0%値上げしています。
乾麺・パスタ類
輸入小麦価格の上昇は麺類、パスタ類の価格にも大きな影響を与えています。
日清フーズ株式会社は2022年1月4日納品分より小麦粉(約3~6%)、ミックス製品(約4~6%)、パン粉・その他製品(約3~4%)を値上げ。次いで2022年2月1日納品分より乾麺(約6%)、パスタ・パスタソース製品(約3~9%)、冷凍食品(約4~7%)を値上げしました。
東洋水産では、2022年4月1日納品分より、「マルちゃん 生めん・具材類」の価格改定を発表しています。生めん類は6~13%、具材類は9~11%の上昇です。
しょうゆ
主要原料である大豆価格や物流費等の高騰を受け、しょうゆや豆乳製品の価格が上昇しています。
キッコーマン食品およびキッコーマンソイフーズは、2022年2月16日納品分より、しょうゆ(だししょうゆ含む)を約4~10%、豆乳を約5~6%値上げしました。
菓子類
主要原料であるジャガイモやトウモロコシ価格、運送費などの高騰を受け、菓子類の価格も上昇しています。
カルビーは、2022年1月~4月にかけて順次ポテトチップスやじゃがりこ(一部商品を除く)の価格を約7~10%値上げします。商品によっては価格をそのまま据え置き、内容量を減らすものもあります。
2022年4月から、駄菓子の「うまい棒」が1本10円から12円に値上がりします。率にすると20%の値上がりです。
値上げから家計を守るには?
冒頭で紹介した調査によると、78.8%の人が「1年後は現在よりも物価が上がる」と回答しています。どの程度上がるかという質問に対する回答は平均5.5%となっています。もうすでに値上げで家計が厳しくなってきているのに、さらに値上がりするとなると、本気で家計防衛を考えたいですね。次のような方法を試してみてはいかがでしょうか。
食費全体で管理する
それぞれの商品で10%、20%値上がりと聞くと大きなインパクトがありますが、個々の価格を気にするよりも食費全体で管理しましょう。外食を含めて1ヵ月の食費を「○万円」と決め、予算に収まるように支出の配分を変えてみるのがおすすめです。
例えばうまい棒は値上がり率が20%と大きいですが、1個当たりの値上げ額は2円。他商品でも多くの場合は数十円程度の値上がりです。何を、どれだけ買うかにもよりますが、食品類の値上げが家計に与える影響は多くても月に数千円という人もいるのではないでしょうか。それならば、外食を1回減らせばなんとかなるかもしれません。
また、特売日のまとめ買いや、利用する店をまとめてポイントを貯めるという方法も効果があります。
エシカル消費を心がける
今回は食品類に絞って値上げの状況を紹介しましたが、私たちは身近な商品の多くを輸入に頼っていること、原材料費やエネルギーコストの上昇が私たちの家計に与える影響は小さくないことに気づかれた方もいるでしょう。そこで、輸入依存が少ないエシカル消費を心がけるのもひとつの方法です。地産地消や必要なものを必要なだけ購入するというものです。
「最近よく聞く『エシカル消費』って?ココロも財布も豊かになるお金の使い方」の記事でも説明していますが、エシカル消費とされているものは商品価格が高めのものもあり、支出減につながるとは限りません。しかし、自分が購入するものに注意を払うようになりますから、お金の使い方の改善もできるでしょう。
つもり消費で資産運用をしてみる
値上がりするなら買いたくないと購入をためらう人もいるでしょう。買うのをやめれば節約にもなりそれだけで好ましいですが、買ったつもりになってその分のお金を投資に回してみるのもおすすめです。
最近では、多くの証券会社で100円から株式や投資信託を購入できます。10%、20%といった値上がり分をすぐに回収できるわけではないですが、継続的かつ長期的に積立運用していけば将来の物価上昇にも対抗しやすくなります。
さまざまな工夫で家計を守っていきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2022年2月19日時点のものです)