ひとり親家庭の平均所得金額及び平均貯蓄額は、子育てをするのに十分な年収や貯蓄額とは言い難い家庭も少なくありません。そのようなひとり親家庭の家計の厳しい理由を分析し、ひとり親だけでなく子育て世代におけるお金を貯める時期や、家計を安定させるポイント、貯蓄を増やすための工夫をまとめます。ひとり親、子育て世代の家計を少しでも安定させ、安心して子育てができるように解説します。
ひとり親家庭、子育て世代の家計を安定させるには?ポイントを解説します
2022年4月1日
ひとり親家庭の家計について
平均所得金額について
全世帯の平均所得金額は552万円です。
一方、ひとり親家庭、とりわけ母子家庭の平均所得金額は348万円となっています。これでは、子育てをするのに十分な金額とはとてもいえません。
<出典:厚生労働省「全国ひとり親世帯調査」>
平均貯蓄額について
全世帯の平均貯蓄額は1077万円です。
一方、ひとり親、とりわけ母子家庭の平均貯蓄額はというと389万円で、なんと4割の世帯が貯蓄額50万円未満であることもわかりました。
<出典:2019年国民生活基礎調査の概況>
母子家庭の家計が苦しい理由
母子家庭の家計が苦しい理由については、次の5点が挙げられます。
① 就労時間が限られてしまう。
学校行事への参加や子どもの急病の対応をひとりで行わなくてはならないため。
② 正規雇用での採用を敬遠されてしまう。
③ 昇進・昇給が少ない。
④ 養育費が十分でない(離婚の場合)。
⑤ 遺族年金が出ない(死別の場合)。
配偶者が亡くなるときの社会保険の加入状態によって支給対象とならないことも。
子育て世代がお金を貯めるべき時期は?
お金を貯めやすい時期とは?
ひとり親に限らず、子育て世代がお金を貯めるべきときはいつなのでしょうか。
人生をトータルでみた場合、お金を貯めやすい時期は次の3回あります。
① 子どもができるまで
独身時代はもちろんのこと、結婚してからも共働きをして、しっかりとお金を貯めることができる時期です。
子どもができてからは、育児休業や時短勤務などで収入はダウンする一方、子どもにかかる諸々の費用の負担が増えてきます。
② 子どもが小学校に通っている時期
最近は中学受験する家庭が増えていますが、小学校はまだ公立に通わせている方が大多数です。子どもが公立小学校に通っているこの時期が、子育て家庭にとっては貯蓄に励む好機となります。
子どもが中学校以上に通うようになると、部活や塾代、スマホ代、食費など諸々と支出が増えてきます。
③ 子どもが社会人になってから自分が現役でいる時期まで
ただし、以前は子どもが成人してから自分が定年退職もしくは働いていても給料が一般的に下がる60歳になるまでの期間が相当期間ありましたが、最近は晩婚化・晩産化により、この時期が短くなっています。
だからこそ、②の子どもが小学校に通っている時期にお金を貯めておくことが大事なのです。
子育て世代の貯金を増やして家計を安定させるポイントとは?
子育て世代の家計を安定させるポイント
子育て世代は、ただ単に生活をするだけでなく、子どもの教育費をしっかりと確保することを意識する必要があります。
① 1ヵ月分の予算を立て、家計簿をつけましょう
まずは、現状でいくら使っているかをしっかりと把握し、家計の各支出の目安を決めて、毎月その枠内でやりくりできるように管理します。
② 安定した勤労収入を確保しましょう
養育費や手当だけでは十分な教育費が確保できません。給料額だけに捉われず、スキルアップができるかどうかなど、しっかりと将来を見据えた仕事に就きましょう。
③ 子どもの進学費用は毎月の生活費とは別に確保しましょう
児童手当や児童扶養手当を貯めていくと数百万円にもなるので、もらった手当等はすべてもともとなかったものとして貯蓄に回せるといいですね。さらにできるのであれば、毎月一定額を先取り貯金をして、将来の教育費に備えましょう。
子育て世代の貯蓄を増やすポイント
収入から支出を差し引いた分が貯蓄になることから、貯蓄を増やすには次の2点が考えられます。
① 収入を増やす
勤務している職場で昇給したり、年収のより高い転職をしたり、本業の他に副業をしたり、投資も収入を増やすことです。制度を確認し、各種手当や給付金等もしっかりもらいましょう。
② 支出を減らす
先取り貯金をしたり、家計の支出の目安を決めて管理をしたり、カードローンなどの無駄な手数料などの見直しをしたり、国や自治体の制度である水道費や交通費の減免制度を利用したりして、普段の支出を減らしましょう。
まとめ
ひとり親に限らず、子育て家庭において、子どもの教育費をしっかりと確保するためには、予めお金を貯めやすい時期を認識して、その時期にしっかりと貯め、通常の生活費とは別に教育費をプールしておくことが大切です。
※本ページに記載されている情報は2022年2月20日時点のものです。