世の中にはいろんなリスクがあって、もしも自分に起こったらと不安になることもあります。それらに備えて保険を検討するのもいいかもしれませんが、具体的にどれくらいの数字なのか見ておくことで、何となく不安なことが取り除けます。今回は、仕事に影響を与えそうないくつかのリスクについて取り上げます。
保険に入る前に!数字で見る世の中のリスク
2021年10月8日
仕事を失うかもしれないリスク
今仕事をしている人が不安に感じることといえば、仕事を失って、収入がなくなったり、減ったりするかもしれないということが挙げられると思います。仕事を失うきっかけには以下のようなことが挙げられます。
倒産
経済センサス-活動調査(総務省統計局)によれば、日本全体の企業数はだいたい386万社(このうち大企業は1万社強)。倒産件数はここ10年あまりを見ると減少傾向で1万件ほどです。今回のコロナのような大きな問題が起こると、補助金などで倒産を防ぐ対策が取られるため、むしろ倒産件数は減っています。内訳から言うと、中小企業の倒産が99.9%ですが、後継者難などの理由も含まれ必ずしも経営不振というわけではありません。
病気
1年間で何らかの通院をする人は約720万人、入院をする人は約130万人です。ただし、入院する人の8割近くは65歳以上の高齢者です(厚生労働省 患者調査)。傷病別では、1位が精神疾患、2位が脳血管疾患、3位ががんとなっています(生命保険文化センター調べ)。
よく取り上げられるがん罹患率ですが、一生のうちがんになる確率は2人に1人、がんで亡くなる確率は男性は4人に1人、女性は7人に1人です(国立がん研究センター調べ)。
事故
警視庁の交通事故統計によれば、運転している人7人に1人が1年間に何らかの交通事故を起こしています。これをさらに進めると、30年間自動車に乗っていると、ほぼ全員が何らかの事故を起こしている計算になります。
交通事故に遭う人は年間で40万人程度、このうち事故で死亡する人は3,000人程です。
災害
自然災害はここ数十年で増加傾向で、種類別では、台風、地震、洪水の順となっていますが、被害額でいうと地震が8割を占めています。
ちなみに、2019年の水害(洪水、高潮、土石流など)被害額は2兆1500億円で、過去最大となっています。
介護離職
介護のために離職する人は年間約10万人。そのうち女性が7.5万人です。また、離職後、新たに職に就けた人は2.5万人です。再就職できた人を年代別で見ると、40代が53%、50代が38%となっています。
失業
15歳以上の働く意欲がある人のうち、仕事を探しても就くことができない人を完全失業者といいますが、総務省の統計によれば、就業者数6,711万人に対して、完全失業者数は191万人となっています。
転勤
自分自身が転勤を命じられて仕事を辞めることも考えられますし、配偶者の転勤によって辞めざるを得ないこともあります。
東京都の場合、転入・転出のうち、転勤が理由の人はそれぞれ全体の20%くらいです。大企業ほど移動を伴う配置転換の割合が高く、従業員数5,000人以上の企業では、国内転居は90%、海外転居では80%の企業が実施しています。
仕事をしなければいけないかもしれないリスク
仕事を持っていない専業主婦の人は逆に、自分が稼がなければいけないかもしれないという不安があるかもしれません。
死別
配偶者に先立たれてしまった場合、多くは遺族年金が支給されますが、65歳未満で遺族年金をもらっている女性は約50万人、65歳以上で遺族年金をもらっている人は約440万人です。つまり、自分が現役世代のうちに配偶者を失う人は10%程であるということです。
離婚
配偶者と死別の場合には、遺族年金の他に死亡退職金や死亡保険金がもらえたり、住宅ローンの返済も団体信用生命保険でなくなるなど金銭的な負担は少なくなることが多いのですが、離婚の場合には子どもの養育費や慰謝料、財産分与などしかありません。養育費は子どもの人数と相手の年収によりますが、現状では子どもが2人で相手の年収が600万円くらいだと、8~10万円が相場といわれています。
配偶者の収入減
企業によっては55歳くらいで役職定年があり、給料が半減することもあります。役職定年を導入している企業は全体の16%ですが、従業員500人以上の大企業では30%にも上ります。また、60歳で定年になり再雇用の際に給与が5~6割くらいまで下がることもあります。
さらに、今回のコロナではボーナスがカットになった企業も多かったですが、景気や業績によって年収が下がったり、職種の異動によって手当がカットされ収入が減ることもあります。
統計値はあくまで世の中の全体を表していて、これが自分に起こるかどうかはわかりませんが、保険を検討する際の参考にはなります。そして、死別の際の遺族年金のように、何か困ったことが起こった時に、代わりに金銭的な補填があるかどうかを調べてみることも大切です。企業独自の福利厚生が用意されていることもあります。現在会社に勤めている人であれば、ご自身の会社の福利厚生についてぜひ調べてみてもよいかもしれません。
※本ページに記載されている情報は2021年9月17日時点のものです。