少額から投資できる投資アプリが増えています。気軽に投資にチャレンジできるなど、投資初心者にとってメリットが多々ありますが、気を付けるべき点もあるのをご存じでしょうか。本記事では、アプリで投資をする際のメリット・デメリットを紹介するとともに、実際に少額投資を行うときのポイントについて説明します。
少額投資は本当にお得?
投資初心者が知っておきたい
メリット・デメリット
2021年8月30日
そもそも少額投資とは?
株式や投資信託などの投資商品は、それぞれ購入できる最低単位が決められています。株式は1単元(100株)から、投資信託は1万口からというのが基本です。
株式も投資信託も、銘柄ごとに株価(投資信託は基準価格)が異なるため、いくらが最低金額になるかは言いにくいのですが、たとえば、株価が1,500円の銘柄なら15万円(1,500円×100株)が最低限必要な投資額になります。
しかし、最近では単元未満株といって、100株に満たない数でも購入できるようにしています。たとえば、1株から購入できるようにしていたり、100円、1,000円と金額指定で買える分だけ購入できるようにしています。
少額投資ができる投資アプリとは?
投資アプリは、株や投資信託といった投資商品の売買などの取引ができるアプリです。スマホのアプリを通して証券口座開設から株式や投資信託などの注文、購入、売却などの一連の手続きができます。
投資アプリでは、少額から投資できるようにしているものが多くあります。実際に売買できる取引単位はアプリによってさまざまですが、最低単位が1株、100円、1,000円などから購入できるので気軽に投資にチャレンジできるメリットがあります。
スマホを使って取引するため、画面上の表示の仕方はもちろんのこと、取引機能もシンプルで使いやすい設計になっているアプリが多いのが特徴です。なかには画面上のボタンをワンタップするだけだったり、画面をスライドさせるだけで注文できるものもあるほどです。
投資アプリを利用するメリット
少額から気軽に投資できるメリットはすでに説明したとおりですが、投資した金額が小さいため、値下がりしても損失が少なくて済むというメリットもあります。
たとえば、100円でも500円でも良いですが、まずは少しだけ投資してみて、買った株(または投資信託)の上下動する様子を見続けることで、価格変動がどのようなものか、市場や経済状況と変化とどのように関係するかといったことを考えてみるのもいいでしょう。「習うより慣れろ」という言葉もありますが、セミナーに通ったり、投資攻略本を買うのにお金を出すのに比べて、安めの金額で投資を学べるメリットがあります。
また、ほとんどのアプリには、設定した価格になればアラートで教えてくれる機能も備わっていますので、売買チャンスを逃しにくくなります。いつも持ち歩くスマホだからこそ、その場で取引ができるメリットがあります。
少額投資をする際の注意点
初心者でも気軽に投資にトライできるからこそ、注意すべきこともあります。
そのひとつが、利益が出ても手数料で相殺されやすいということです。株や投資信託を売買する際、基本的には売る時にも買う時にも手数料がかかります。少額投資の場合、利益の額も小さめですから、利益の大部分が手数料で消えてしまう可能性があります。手数料のかかり方や金額はアプリによってさまざまですので、利用する前にしっかり手数料体系を確認してから投資を開始することが大切です。
もうひとつの注意点は銘柄選びです。数百円で買えるものも多いため、銘柄リストで知っている企業名を見れば、じっくり考えずに買ってしまう傾向があります。知っている企業でも、経済動向次第で企業業績が悪化したり、しばらく上がる見込みがないという場合もあります。少額なので損失が少なくて済むというメリットと、少額だから損を出しても良いというのは同等ではありません。少額でも不要な損失は避けるように相場環境や企業業績、該当企業の事業計画などはきちんと確認してから購入判断をするようにしましょう。
少額投資で資産形成をするコツ
少額投資で資産を形成していくためのいくつかのコツを知っておきましょう。
中長期的な運用を心がける
アプリにもよりますが、取引ごとに手数料が取られてしまっては、せっかくの利益が消えてしまう可能性もあります。短期間で売買を繰り返すのではなく、一度購入した投資商品は中・長期的なスパンで値動きを見ていくようにしましょう。買ったときより何%上がれば売るというようなルールを決めておくといいでしょう。
アプリの選び方に気を付ける
ひとくちに投資アプリといってもさまざまなものがありますから、自分の投資スタイルに合うアプリを選ぶことが大切です。
といっても、投資初心者にとっては自分の投資スタイルというものがよく分からない人も多いでしょう。そこで、まずは「購入できる商品」と「手数料のかかり方」に注目してみましょう。
アプリを使って長く資産運用を続けるためにも、株や投資信託など、いくつかの金融商品に資産を分配しておけること大切です。どのような商品に投資できるのか確認しておきましょう。
手数料はできるだけ安く抑えられるのが好ましいです。なかには買付手数料は無料などというのもありますので、複数のアプリを比較してみましょう。
NISAを利用する
投資アプリでNISAを利用できるものもあります。投資をするなら非課税特典のあるNISAを利用するのもおすすめです。NISAの非課税枠は年間120万円ですので、少額投資で非課税枠を目一杯に利用することはないかもしれません。しかし、少額でも配当金や分配金を受け取れる可能性もあります。投資額が小さければ分配金の額も少なめですから、税金がかかるのを防いでおきましょう。
投資アプリで投資経験を積んでいき、後々投資額を増やすようになる可能性もありますから、NISAを利用しておいて損はないでしょう。
(※本ページに記載されている情報は2021年8月23日時点のものです)