大企業にお勤めの場合、高給の方が多いですが、だからこそ気を付けてほしいことや、見落としていることがいくつかあります。今回は、その点についてお伝えしたいと思います。
大企業に務める人が注意すべき
お金の4つのポイント
2021年8月13日
1.社内制度を調べるべし
大企業の多くは福利厚生がしっかりしています。
例えば、医療費については国の制度として高額療養費制度があります。保険適用される医療費については、収入に応じて支払い上限額が決まっていて、それ以上は払わなくて済むという制度です。大企業の場合は、これに上乗せで付加給付制度を設けているところが多いです。企業によって上限額はまちまちですが、2万円程度としているところがほとんどです。
傷病手当金も同様で、通常は病気などで休職の際にはそれまでの給与の3分の2が支払われますが、企業独自で上乗せして普段の給与の80%まで、あるいは100%カバーしている企業もあります。
また、企業独自の共済会や社内規定で、病気や冠婚葬祭の時に給付が受けられる制度がいろいろ設けられていると思います。万が一を心配して保険に入る前に、しっかり社内制度を調べましょう。
また、社宅を備えているところも多いようです。民間の賃貸に入るよりも住居費が抑えられますから、利用できるのであればおすすめです。家を買おうかどうか迷う人も多いと思いますが、転勤が多い人や、今回のコロナの影響などで働き方が変わることが予想される人は、購入に慎重になった方がいいと思います。
2.お金の使い過ぎに注意すべし
大企業にお勤めの方は相対的に高収入です。しかし、収入は多いはずなのに貯金ができていない人は多いです。「お金がある」と思ってついつい使ってしまうのです。
収入が維持されている間は、それほど問題がないかもしれませんが、何らかの理由で給与が減った時、そして老後は注意が必要です。
老後の主な収入は年金になると思いますが、自分がどれくらいの年金をもらえるのか確認してみましょう。今の収入と比較すると驚くほど少ないことに気づくと思います。しかし、収入が減ったからといって支出をいきなり引き締めるのは気持ち的に難しいと思います。老後はさらに、医療費や介護費を見ておかなければいけません。
iDeCoやつみたてNISAなどを活用して、毎月一定額はきちんと貯金していく仕組みを作りましょう。
3.投資には慣れておくべし
一方で、使い過ぎの方とは逆にしっかり貯金されている方もたくさんいらっしゃいます。そして、その中で、投資は怖いので絶対しませんという方も多いです。
投資をしなくても、一生食べていけるだけの貯金がある人はそれでもいいと思いますが、収入が高い人ほど、退職をすると「年金だけで大丈夫だろうか、本当にこれで足りるだろうか」と心配になってきます。そして、老後いきなり投資デビューになるケースもあります。
金融機関は、口座に退職金が入ったという情報を持っていますので、それを元手に投資を始めませんか?と近づいてきます。投資をしたことがない人はどういう点に注意すればいいのかわからないので、金融機関に勧められるままに手数料の高い商品を購入して失敗することも少なくありません。
それを防ぐためには、今のうちから、少額で投資を経験して、学んでおくことも大切です。少額であれば、たとえ損失が出たとしても大きな痛手にはなりませんし、長期に渡って積み立てていけば、大きく増える可能性は高くなります。
4.専門家に相談すべし
大企業に限ったことではないかもしれませんが、「自分はこんなにいい所に勤めている」という自負があったり、役職に就くようになってくると、わからないことがあってもなかなか人に聞くのが苦手という方がいらっしゃいます。
ですから、せっかくたくさんの収入があっても、どれくらい貯金をしておけばいいのか、資産運用はどうしたらいいのか、よくわからないままにしているという方もいます。
お金を使い過ぎている場合は将来が不安ですし、逆に心配し過ぎて貯金ばかりしていては今を楽しく過ごすことができません。
自分で調べて何とかできる部分と、専門家に相談した方がいい部分をきちんと振り分けて、専門家に相談すべきところは、うまく専門家を活用して適切な資産形成・資産管理をしていきましょう。
大企業にお勤めの人は、様々な点で恵まれた環境にいます。それらをうまく活用して将来のために適正な貯金をしていけば将来も安心で、今を安心して楽しむこともできます。
また、大企業でなくても、優秀な社員を確保するため・社内の士気を高めるために、ユニークな社内制度を創設する動きもあります。ぜひ、自社の制度や自分の貯金について見なおしてみてください。
(※本ページに記載されている情報は2021年7月26日時点のものです)