人生100年時代といわれ始めて数年が経過しています。まだ若い世代にとって、人生100年時代は想像がつかないかもしれません。しかし、経済的な面を考えれば若いうちから資産形成を行い、長く続くであろうリタイア後の生活に備え始める必要があります。
人生100年時代を見据えた
若年期からの資産形成の重要性とポイント
2021年8月2日
運用の重要性
人生100年時代に対応するためには、資産寿命を延ばすこと(老後資金が尽きないようにすること)が重要となります。また、運用の開始時期だけではなく、どのような運用を行うかも重要なポイントで、たとえばリタイアをなるべく遅くして運用を長く続けることなども考えておくといいでしょう。
言い換えれば、資産運用は「生涯現役」であり続ける必要があるということになります。
柔軟な運用期間の設定
運用は早い時期から始めるに越したことはありません。ちなみに資産形成世代は20代から50代までといわれています。セカンドライフを公的年金の受給開始年齢である65歳からスタートさせる計画ならば、現在45歳以下の人は年金受給まで20年以上あるということになります。45歳を超えていても、就労期間を延ばせば長期運用が可能です。
運用目標は3%を目指すために
運用においては、運用期間だけではなく、利回りについても考える必要があります。現在、日本は超低金利時代となっており、今後も金利が上昇する可能性は低そうです。そのような中ですが、物価上昇等を考えると、できれば3%程度の運用利回りが望まれます。運用利回りを3%にするためには、株式や投資信託などの投資型商品も組み込んで資産形成をしていく必要があるといえます。
グローバルな視点が求められる
上に挙げた株式や投資信託などの投資型商品において、運用利回りを断定することは不可能です。ただ、世界の経済成長率を運用利回りと考えるならば、3%という数字も不可能ではありません。
国際通貨基金のIMFが見直しを含めて年4回公表している「世界経済の見通し」によれば、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けているものの、世界経済の成長率はおおむね3%を超えています。つまり、株式や投資信託などを通じてグローバルな投資を行えば、3%の運用利回りを達成する可能性も十分にあるといえます。
自分のリスク許容度を理解する
資産形成において投資商品を取り入れる重要性は上に述べたとおりですが、それを行う際には自分のリスク許容度をきちんと認識しておくことがポイントとなります。リスク許容度とは、「客観的に見てどこまで資産形成によるリスクに耐えられるか」という度合いのことで人それぞれです。
リスク許容度は以下の項目によって変わってくることを理解しておきましょう。
・年齢
・就業状況
・世帯収入
・保有金融資産
・居住形態
・扶養家族
・資産運用の目的と達成時期
リスク許容度とリスク選好度は異なる
リスク許容度とは家計がどこまで耐えられるか、リスク選好度はメンタル面がどこまで耐えられるかの度合いです。リスク許容度を知ることにより、自分がどこまでリスクに耐えられるかを判断することができます。そしてそのうえで投資商品を選択(リスク選択)することになるわけですが、リスク許容度とリスク選好度は必ずしも一致するとは限りません。
リスク選択度がリスク許容度を超えている場合
選択した運用商品が自身のリスク許容度を超えている場合は、リスク許容度以下になるように投資の配分を抑える必要が生じます。運用に失敗してしまった場合の損失度合いや、その損失がライフプランにどのくらいの影響を与えるのかをしっかりと考えて見直すようにしてください。
リスク選好度がリスク許容度を下回っている場合
このような場合であれば、以下の考えを持つことを心がけましょう。
・投資において必要以上にリスクを恐れる必要はなく、リスクの度合いを正しく評価し、耐えられる範囲で投資を行うこと
・金融に関する知識を身につければ、リスクを抑えながら高い収益を狙うことが十分可能だということ
ライフイベント表を活用する
資産形成において、早い段階から始めることは重要ですが、通常であれば、資金準備は近い将来のライフイベントを優先的に行うことが基本となります。したがって、まずライフイベント表を活用し、セカンドライフまでのライフイベントを確認することからスタートしましょう。
ライフイベント表を作成するメリットは、作成することでライフイベントを明確にすることができる、つまり「見える化」できることです。そうすることによってより効率的な資産形成に繋げることができます。
そしてライフイベント表を作成した後は、かかる費用を具体的な数値に置き換えた資金準備計画を作成し、その達成のための具体的な運用商品選びを行うという流れになります。
現在では若い世代でも老後に不安を感じている人は増えており、運用への関心も高まっています。投資や運用を始めるならば、まず自分のリスク許容度とライフイベントを確認し、現在の家計に負担のない範囲で積み立てながら増やしていくという習慣を身に着けることが大切です。そして余裕が出てきた段階で、リスク選好を高めていくなどステップアップしていくことを心がけましょう。
※本ページに記載されている情報は2021年7月16日時点のものです。