初めて投資信託を購入する時、「バランスファンドを購入しておけば安心」と、何となくバランスファンドを選んでいませんか。実はバランスファンドには、運用の手法によっていくつかのタイプに分けることができるのです。バランスファンドの運用の手法を知って、自分にとってベストな投資信託を選びましょう。
投資信託はどう選ぶ?
バランスファンドの種類を知って上手に選んで
2021年7月26日
そもそも投資信託とは
投資を始めてみたいけれど、「投資」と聞くと「なんだか難しそう……」と思う人も多いのではないでしょうか。一言で「投資」といっても、投資対象は株式や債券、リートなどがありますし、それぞれ国内のものや、海外のものがあります。そしてそれぞれの資産には値動きの特徴があり、初めて投資をする場合、自分ではなかなか投資先を決められないという人もいるでしょう。
そのような場合、投資信託で運用するという方法があります。
投資信託とは、たくさんの投資家からお金を集めてひとまとめにし、運用の専門家が日本や外国の株式や債券、リートなどに投資をします。そして、運用で得た収益を投資家に還元するという仕組みです。
分散投資をする意味は?
投資をするときは分散投資がマストといわれています。
投資の有名な格言で「卵を1つの籠に盛るな」というものがあります。卵を1つの籠に盛っていて、もしその籠を落としてしまったら全ての卵が割れてしまう可能性があります。でも、卵をいくつかの籠に分けていたら、1つの籠を落としてしまっても、他の籠に入っている卵は割れずに済みます。
それと同じように、1つの資産や国に集中して投資をすると、もしその資産の値段が下がった場合、資産全体の値段が下がってしまいます。それを避けるために、分散投資が必要だというわけです。
分散投資には3つの分散の仕方があります。
「資産の分散」「国の分散」「時間の分散」です。
先ほどもお伝えしましたが、「資産」には大きく分けて、株式、債券、リートなどがあります。そして、一般的に株式と債券は違う値動きをすることが多いです。
また、投資対象が日本だけに限られていた場合、日本の株式の値段が下がっていたら投資信託の値段も下がってしまいますが、外国の株式も組み合わせて投資をしていた場合、外国の株式の値段が上がっていたらリスクを抑えて運用することができます。
とはいっても、自分でたくさんの銘柄の中から選んで組み合わせるというのは難しく感じるかもしれません。そのような場合に、投資信託なら1本購入するだけで、複数の銘柄や資産に分散投資をすることができるのです。
こんなにある!バランスファンドの種類と特徴
投資信託を1本持つだけで分散投資ができるとお伝えしました。
でも、その投資信託の投資対象が例えば日本の株式だけだとしたら、残念ながら分散投資をしているとはいえません。また、同じような投資対象の投資信託を数本持っていたとしても、分散投資ができているとはいえないのです。
2021年現在、投資信託は6,000本近くあります。その中から自分で投資信託を組み合わせて購入するということは難しいかもしれませんね。そのような場合に、1本で様々な国や資産に投資をすることができる「バランスファンド」を購入することで、分散投資をすることができるのです。
バランスファンドの中でも、それぞれ運用の特徴が違うものがあります。ここではバランスファンドそれぞれの運用の特徴をみていきましょう。
配分比率固定型
株式に50%、債券に25%、リートに25%など、あらかじめ決められている比率で投資をします。投資信託によって投資対象が国内の株式と債券の2つの資産だったり、日本と海外の株式、債券、リートの6資産だったりします。また、それぞれの資産に均等投資している場合は、例えば日本と海外の株式と債券の4資産に25%ずつという具合です。
それぞれの資産が値上がりしたり値下がりしたりしても、その配分比率から乖離しないようにリバランスをしてくれます。
安定的な値動きで運用したい人は債券の組入利率が大きい投資信託を、積極的に運用したい人は海外の株式も含まれている投資信託を選ぶなど、自分のリスク許容度に合わせて選ぶといいでしょう。
アロケーション型
資産配分率を固定せず、市況環境に応じて機動的に各資産の組入比率を変更しながら運用するタイプです。
市況見通しが良くなると思われる場面では、大きいリターンを得られる資産の組入率を大きくし、市況見通しが悪くなると思われる場面ではリスクを抑えた資産の組入率を大きくするなど、投資信託の値段の下振れリスクを抑えながら投資成果を期待することができます。
ターゲットイヤー型
あらかじめ目標とする年を設定して運用します。
運用当初は株式が多めなどリスク資産の比率を高くして積極的に運用し、設定した年が近づくにつれてリスク資産の比率を引き下げながら債券など安定資産の比率を高めていくなど、自動的に資産配分を切り替えて運用します。
例えば、若いうちは高いリターンを期待して積極的な運用を行い、定年が近づくにつれてリターンを確保しつつ安定的な運用を行うなど、ライフプランに連動した運用を行うことができます。
このように、バランスファンドといっても、様々な運用手法があります。
バランスファンドなら何でもいいと思うのではなく、自分の目的やリスク許容度に合った分散投資を心掛けてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2021年7月17日時点のものです)