医療保険には、その人の必要性に応じて様々な特約がありますが、そのなかでも「女性特約」をご存じでしょうか。最近では多くの保険会社で特約として用意されており、加入している人、また加入を検討している人もいると思います。女性の病気になったときに保障されるもの、と理解している人も多いと思いますが、そのほか、加入にあたって確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
医療保険に「女性特約」は付加するべき?
2021年5月10日
医療保険の「女性特約」とは?
主に、女性特有の病気にかかったときに保障を受けられる特約です。
女性特有の病気としては、乳がんや子宮がん、子宮筋腫などがあり、気になっている人も多いのではないでしょうか。
また「女性特約」とひとくちに言っても、保険会社によっては、「女性疾病特約」や「女性疾病給付特約」、「女性入院特約」などと固有の名称がつけられています。
保障対象は「女性特有の病気」に限らず、「女性に多い病気」などとしている保険会社もあり、保障内容も様々です。加入を検討する際には、その保険会社ごと、「女性特約」の内容をしっかり確認することが必要です。
女性特約の仕組み
医療保険に加入し、女性特約を付加していた場合の保障内容をみてみましょう。
入院給付金は、入院したら入院1日○○円という保障がされるのが基本です。これらは、病気、ケガでの入院全般に対し保障がされますが、女性特約を追加することにより、女性特有の病気にかかったときの保障を手厚くすることができます。
女性特約に加入したら受け取れる入院給付金
考え方は以下のとおりです。
【入院給付金:1日5,000円のプラン】に加入しているケース
病気・ケガで入院したら、入院1日5,000円の給付を受けられます。
【入金給付金:1日5,000円のプラン】と【女性特約:1日5,000円】に加入しているケース
病気の種類により、受けられる給付金の金額が異なります。
男女かかわらず罹患する病気は、入院1日5,000円の給付を受けられます。
子宮筋腫や乳がんなど「女性特有の病気」(※)で入院した場合は、入院1日10,000円(基本保障の5,000円と女性特約の5,000)の給付が受けられます。
※先述のとおり、保険会社によって女性特約で保障する疾病には違いがあるので、保険会社ごとに確認しましょう。
女性特約は加入しないと保障が受けられない?
女性特約は基本的な医療保障の<上乗せ保障>であるということを確認しましょう。
「女性特約」と聞くと、女性は必ず加入しなければいけないものと思ってしまうかもしれません。もちろん加入することにより保障が手厚くなるので安心ですが、あくまで医療保険のオプションのひとつであり、女性は必ず付加しなければいけない特約ではありません。
特約を付加した場合は保険料もその分支払わなければいけないため、保障を検討する際には、保険料の内訳なども確認しておくとよいでしょう。
医療保険に加入すれば、女性特有の病気であっても、そうでない病気であっても、基本保障の給付があります。保険加入にあたっては、まずは、基本保障をしっかり準備することが大切です。そのうえで、女性疾病になったときの保障を上乗せするかどうか、検討しましょう。
女性特約を付加していると安心なこと
妊娠、出産にかかるリスクに対応できる
妊娠・出産(自然分娩)は病気ではないため、基本的に保険適用外となります。
ただし、妊娠・出産の過程で医療行為を受けたときには公的医療保険、民間の医療保険ともに給付の対象となります。具体的には、妊娠高血圧症や悪阻(つわり)、貧血、切迫早産で入院しなければいけなくなったときや、帝王切開を受けたときなどです。
これらは、現在年齢が若く健康な人でも、一定のリスクはあります。公的医療保険の給付だけでは不安で、手厚く備えたい場合には特約を検討しましょう。保険会社によっては医療行為であっても妊娠・出産に関するものは保障対象外としている場合もあるので、事前に確認しましょう。
治療費以外の費用に対応できる
病気の治療や入院には、治療費以外にもさまざまな費用がかかります。
例えば、一般的に差額ベッド代と言われる入院時の部屋代は、大部屋(4人部屋等、複数人が同じ部屋に入院すること)と1人部屋では費用が変わってきます。病院にもよりますが、1部屋あたりの人数が少ないほど、特に個室等は1日あたりの費用が大部屋よりも高く設定されています。
平成29年7月1日現在、1人部屋の1日当たりの平均費用は7,837円、4人部屋の場合は2,440円です。(厚生労働省 平成30年11月中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況より)
例えば、転倒し足を骨折して入院した場合、大部屋でも構わないという人は多いかもしれませんが、乳がんや子宮がんになり入院した場合には、個室など、静かな環境で過ごしたいという人は多いと思います。
病気の回復には、ストレスをためずに、治療に専念できる環境を整えることも大切です。治療費以外の費用も見据えて保険を準備しておくと安心かもしれません。
「女性特約」は必ず付加しなければいけないものではありませんが、付加することでより安心して、充実した保障を受けることができます。保険会社によって保障内容、保険料に違いがありますので、是非自分に合った保険を検討してみてください。
(※本ページに記載されている情報は2021年4月14日時点のものです。)