投資と聞くと、「大損したらどうしよう……」と、失敗を恐れる人が多いですよね。失敗が怖いと思う慎重な方ほど、始めてもらいたいのは、ドルコスト平均法による積み立てです。なぜドルコスト平均法が失敗しにくいのか、詳しく解説していきます。きちんと知識を得てから始めれば、投資の怖さも軽減されますよ。
投資で失敗が怖い人ほど
ドルコスト平均法をやってみよう!
2021年3月22日
知識編1 恐怖心を軽くする方法
「ドルコスト平均法」とは?
10〜30年という長期スパンで、毎日、毎月といったように、定期的に金融商品を同じ金額ずつ買っていく投資手法のことです。その商品の単価が高いときには、少ししか買えませんが、安いときにはたくさん買うことができるので、購入平均単価が平均化されることが特徴です。例えば、あなたが500円持っていて、単価が100円の野菜があったら5つ買うことができます。別の日に、同じ野菜が250円で売っています。その時は、あなたが500円持っていれば、野菜は2つ買うことができます。これが、安いときにはたくさん買えて、高いときには少ししか買えないということです。
なぜドルコスト平均法は失敗しにくいの?
ドルコスト平均法が失敗しづらい理由は、主に2つあります。
1.平均購入単価を抑えられる
先程もお伝えしましたが、高い時も安い時も定額で購入することで、安い時はたくさん買えるため、平均購入単価が下がります。そうすると価格が上がった時に利益が出やすいからです。「今の価格は安いからたくさん買っておこう」という予測はプロでも難しいことです。そういう予測をする必要もないのです。以下の表は、毎月3万円ずつ投資信託を購入した時の損益イメージです。相場が回復して、早い段階で損益がプラスになっていることがイメージできるかと思います。
2.長期で積立てることで利益が出やすい
長期間運用することが成功しやすい理由は、生きていく上で経済活動が不可欠と考えると、長期的には資産価格は、右肩上がりになるのが基本だからです。
短期的には、2020年のような新型コロナウイルスによる大暴落も起こります。このようなときは、嫌な気持ちになりますが、たくさん買うことができるチャンスと思いましょう。自分の資産がマイナスになっても、運用を辞めないことが大切です。長い期間積み立てることで、利益が出やすくなるのです。そのためには、商品の選び方を間違えないようにしましょう。
次は、商品の選び方を説明します。
知識編2 ドルコスト平均法の成功のカギは4つ
1.インデックスタイプの投資信託で運用する
インデックス運用とは、日経平均のような株価指数に連動する商品で運用することです。バランスよく分散投資ができてリスクが小さく、手数料が相対的に安いためです。指数以上の値上がりを目指すアクティブ運用は、インデックス運用より値動きが激しく、長期間の運用成績も、インデックス運用の方がよいと言う過去の実績もあります。
2.低コストの商品で運用する
低コストの商品とは、主に運用中に毎日かかるコスト「信託報酬」が低い商品のことです。例えば投資資金が100万円で、信託報酬が1%の場合、年間で1万円が差し引かれます。信託報酬が0.5%であれば、年間約5,000円です。(実際は、純資産額に対して算出されますのでおおよその金額です)ですから、できるだけ低いものを選ぶことが大切です。最近では、0.1%台の商品もあります。
3.純資産が順調に増えているものを選ぶ
投資信託で言う「純資産」とは、投資信託の価値を表したもので、運用状況がいいときと、新規で資金が入ってくるとき(購入する人が増えたとき)に増えます。30億円以上はあり、なるべく右肩上がりの商品を選びます。
4.分配金を再投資して運用する
「分配金」とは、投資信託の収益からお金を投じた私たちに還元するお金のことで、株でいう配当金に当たるものです。長期運用は、分配金をもらわず再投資することで、より「複利」の効果を得られます。
「複利」とは、運用益を投資した元本に上乗せして利息を計算することです。実際の金融商品は、価格の価格変動によって目減りする可能性もありますが、元本に対して毎年利息が5%ついた場合の資産の推移は、以下の通りです。なお、「単利」は元本に対してのみ利息がつきます。複利の場合と資産の増え方が違いますね。
つみたてNISAやiDeCoは、信託報酬が比較的低い商品に限定され、運用益に対して通常約20%近くかかる税金が非課税になりますし、全て分配金がない商品になっています。ですから、投資未経験者でも始めやすいでしょう。
つみたてNISAやiDeCoに関して詳しく知りたい方は「どっちを選んだらいいの? つみたてNISAとiDeCoを徹底比較!」も参考にしてくださいね。
実践編 恐怖心を軽くする方法
知識を取り入れたら、まずは少額から始めてみましょう。最近では、クレジットカードのポイントで投資したり、100円単位で買付ができたりします。いきなり大きな金額を運用せず、評価損益がマイナスになったときどのように感じるか確認しましょう。最初は、毎日プラスになったりマイナスになったりするごとに一喜一憂してしまうものです。徐々に慣れてきますので、まずは少額で様子を見てみましょう。
筆者自身も、投資を始めるまでは「投資は怖いもの」と思っていましたが、実践して慣れてきました。正しい知識を身につけて少額から始めることで恐怖心を軽くできます。ぜひ、始めてみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2021年3月9日時点のものです)