自分が亡くなる時、お葬式代くらいは残しておきましょうと言いますが、おひとり様の自分が亡くなった後、一体どこにどれくらいのお金が必要なのか、どういう手続きが必要なのか、どんなことに気を付けておけばいいのか、知っておきましょう。
おひとり様は早めに知っておこう
亡くなった後のお金と手続き
2021年3月19日
亡くなった後かかるお金
亡くなった時にかかる費用は、主にお葬式とお墓、そして住居や医療費などの清算です。これらの作業を行ってくれる身内がいない場合は、死後事務業者などに頼んでおく必要があり、代行費用が発生します。
お葬式
お葬式の形態として、一般葬、家族葬、一日葬、直葬があります。
一般葬:友人、会社関係者、近所の人なども招いて、お通夜、葬儀・告別式、火葬まで行うもので、150万円ほどかかります。
家族葬:一般葬よりも参列者の範囲を親しい人たちに限る形式で、100万円程です。
一日葬:お通夜を省略して、一日で葬儀・告別式、火葬を行う形式で、60万円前後です。
直葬 :葬儀・告別式も省略して、火葬のみという形式で、30万円くらいです。
お墓
お墓・埋葬の種類には、永代供養、樹木葬、散骨などがあります。
永代供養:お墓の面倒を見てくれる人がいない人向きで、50万円程度かかります。
樹木葬:墓石ではなく、自然に帰りたい人向きで、埋葬方法により30~70万円程です。
散骨:何も残さなくていいという人向きで、10万円程度です。
清算費用
それまで生活をしていた住居、光熱費、通信費、医療費、税金などの清算、そして、遺品整理代などがかかります。遺品整理代は部屋の広さで料金設定されていることが多く、1Rで5万円前後、1LDKで10万円前後くらいかかります。
代行費用
上記に述べたもの他にも以下のような手続きが必要です。
名義変更・解約手続き:健康保険、年金などの資格抹消、勤務先への届け出、SNSなどのアカウント削除、などです。
作業内容ごとに1件いくらという金額設定がされており、ひと通り頼むと50万円程度ですが、このほかに公正証書による契約書の作成や代行業者の報酬費用も発生しますので、100万円程必要になります。
事前にやっておきたいこと
このように、自分が亡くなった後も、結構お金がかかるということがわかります。これを踏まえて、今のうちに以下のことをやっておけば、遺された周りの人たちも困らないで済みますし、費用も抑えることができます。
資産・手続きの必要なものの確認
まずは、自分がどれくらいの資産を持っているのか確認しましょう。死後手続きの予算を考えることもそうですが、自分の資産や負債がどこにどれくらいあるのか、遺された人たちに伝える目的もあります。最近は実店舗型の銀行でも預金通帳がオンライン化されていますし、ネット証券などはどこの金融機関にどれくらいお金があるのか誰もわかりません。まずは、自分がきちんと把握しておくことが大事です。併せて、使っていない口座やクレジットカードなどは断捨離しておくのもお勧めです。
そして、これらの金融機関も含め、年金、健康保険、民間の保険、ネット上の会員になっているもの、定期的に引き落としがかかっているもの、その他死後の手続きが必要なものをすべて会員番号・ID・パスワードとともにリスト化しておきましょう。
誰に頼むか考えておく
リストをもとに、死後の手続きを誰に行ってもらうか考えましょう。
おひとり様であっても、遠くに兄弟や親族がいる方と、全く身寄りのない方がいると思います。また、内容によっては、親族でなくても友人に頼めるという場合もあるでしょう。
周りに頼めそうな人がいないという場合は、死後事務業者をいくつか調べておきましょう。
エンディングノートを書いておく
そして、いちばん大事なことは、これらの内容をきちんと見える形に書いておくということです。突然、不慮の事故に遭った場合でも、発見してもらいやすい場所にエンディングノートを置いておけば、誰かが発見して、それに則って処理をしてもらえます。
誰に資産を遺すか考えておく
ただし、相続財産については、エンディングノートでは不完全です。エンディングノートは法的効力を持たないため、書き方の形式が決まっている自筆証書遺言または公正証書遺言を作成しておく必要があります。
自分が持っている財産は、死後、法定相続人に相続されます。法定相続人がいない場合は、遺言書で指定がなければ、国庫に入ります。
それで構わないという場合はいいのですが、法定相続人以外に残したいとか、どこか特定の団体に寄付したいというような場合は遺言書が必要です。
今おひとり様でない人も、女性の方が平均寿命が長いので、パートナーとの死別によっておひとり様になることもあります。自分のお金の使い方の一つとしてぜひ考えてみてください。