「今現在はパートで、扶養の範囲内で収入を調整しながら働いている」というワーママが多いようです。でも「もっと仕事時間を増やしたい」「もっと収入を増やしたい」と思っている人も多いはず。そんなワーママ必見!扶養内で働くのが良いのか、扶養を超えて働くのが良いのか、社会保険制度や年金制度、所得控除について簡単におさらいし、自分に合った働き方を選択しませんか?
ワーママ必見!
扶養内?それとも扶養を超えて働く?
自分に合った働き方を選択しよう!
2021年3月15日
扶養内で働くワーママたちの現状
扶養内で働くワーママたちに興味深い調査結果を紹介します。厚生労働省「パートタイム労働者総合実態調査」を、以下に抜粋してみました。
◯年齢階級別でパートタイム労働者が多い順
40~44歳 ・・・ 16.3%
45~49歳 ・・・ 15.4%
50~54歳 ・・・ 14.9%
35~39歳 ・・・ 11.8%
55~59歳 ・・・ 9.9%
その他 ・・・ 31.7%
◯配偶者が いる人 76.4%
いない人 23.6%
◯正社員として働いた経験が
ある人 84.4% ない人 15.4% 不明 0.2%
◯職種別で多い順
サービスの仕事 ・・・ 25.0%
事務的な仕事 ・・・ 23.9%
販売の仕事 ・・・ 19.3%
専門的・技術的な仕事 ・・・ 12.8%
運搬・清掃・包装などの仕事 ・・・ 7.8%
その他 ・・・ 11.2%
◯パートを選んだ理由
・自分の都合よい時間に働きたい
・勤務時間・日数が短い
・就業(年収や時間)の調整ができる
・家庭の事情で正社員は難しい
・正社員のような責任や人事異動を課されて働くことが困難・負担
・正社員としての募集が見つからない
・やりたい仕事がたまたまパートだった
◯今後希望する働き方
パートを続けたい ・・・ 76.1%
正社員になりたい ・・・ 16.2%
仕事を辞めたい ・・・ 3.1%
自営をしたい ・・・ 3.1%
不明 ・・・ 1.5%
という回答でした。
全体の約24%が、パートタイム以外の働き方を希望していることが分かります。
扶養の仕組みをおさらいしよう
「扶養の範囲内で働く」「103万円の壁」といった言葉をよく耳にしますが、どういう意味なのでしょうか? 扶養の仕組みについて、おさらいしましょう。
「税法上」と「社会保険上」の違い
扶養には「税法上」と「社会保険上」の2種類があります。
「税法上」とは、所得税や住民税の配偶者控除や配偶者特別控除に関する扶養のこと。
「社会保険上」とは、健康保険や厚生年金に関する扶養のことです。
以下の金額を超えると、支払う税金や保険や年金が増え、手取り収入が減り、「働き損」になる可能性もあるのです。それぞれの金額の意味を知っておくことで、自分に合った賢い働き方を選択できるかもしれませんね。
103万円の壁
税法上の壁です。年収103万円を超えると、所得税の支払いが始まります。
また、年収103万円を超える配偶者がいるパートナーは、配偶者控除(38万円)の対象から外れ、配偶者特別控除(配偶者の年収に応じて0~38万円)の対象に移行します。
106万円の壁
社会保険上の壁です。年収106万円を超えると、社会保険加入への可能性が始まります。
加入の条件は
・週20時間以上働いている
・月収が8万8千円以上ある
・1年以上働く予定である
・従業員が501人以上の会社である
・学生ではない
これら全ての条件に当てはまり、年収106万円を超えていれば対象です。
パートナーの給料から支払っていた健康保険や厚生年金を、自分の給料から支払わなければいけませんので、手取り収入が減ってしまいます。その分、医療に関する保障や将来の年金額が増えるメリットはあります。
130万円の壁
社会保険上の壁です。年収130万円を超えると、社会保険上では「扶養から外れる」ことになります。
「106万円の壁」に書いた加入条件に当てはまるか当てはまらないかに関係なく、パートナーの給料から支払っていた健康保険や厚生年金を、自分の給料から支払わなければいけません。
もし、
・正社員の4分の3以上の労働時間で勤務している
・正社員の4分の3以上の日数で勤務している
この2つに当てはまっていれば、会社の社会保険に加入することも可能です。お勤めの会社に確認しましょう。
150万円の壁
税法上の壁です。年収150万円を超えると、パートナーの配偶者特別控除に影響が出始めます。
年収150万円以下であれば、配偶者特別控除は満額の38万円分ですが、年収150万円を超えると、控除額が徐々に減っていきます。年収201万円で控除額は0になります。
自分に合った働き方を選択するには?
前項で、「税法上」や「社会保険上」の扶養の仕組みについておさらいしました。自分に合った働き方を選択するのにとても重要な判断材料になるのは確かです。しかし、これだけで判断するのもおススメしません。
この他の判断材料として
・自分自身の思い
・パートナーの思い
・子どもたちの思い
・会社の思いや要望
などもあります。 その中でも「自分自身の思い」は特に大切です。
例えば
「パート勤務先から正社員になって欲しいと打診されてはいるが、子どもが小さいし、今はまだ勤務時間が長くなる働き方はしたくない」
「コロナ禍で、パートナーの給料が目減りしている。家事や育児を分担し合う事を話し合った上で、正社員としての求職活動をしたい」
「パート勤務を辞め、在宅ワークで家事や育児を優先しながら働きたい」など。
「自分自身の思い」が反映されなければ働くこと自体も難しくなります。働き方は何度でも軌道修正できる時代です。自分自身の思いに自信を持って、自分に合った働き方を選択してくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2021年3月10日時点のものです)