2020年9月よりスタートしたマイナポイント。既に利用した方もいるかもしれません。マイナポイント事業は、マイナポイントの活用により、消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目的とするもので、その動向が注目されています。
マイナポイントの選択時に注意しておきたいこと
2021年3月10日
対象となるキャッシュレス決済
マイナポイントを獲得するには、キャッシュレス決済サービスを1つ選ぶ必要があります。マイナポイントの対象となるキャッシュレス決済サービスには、「電子マネー」「プリペイドカード」「QRコード」「クレジットカード」「デビットカード」があります。
主な決済サービス
電子マネー:WAON・ICOCA・楽天エディ
プリペイドカード:mijica
QRコード:PayPay・メルペイ・d払い
クレジットカード:オリコカード・三井住友カード
デビットカード:SMBCデビット
ただし、各決済サービスによって、マイナポイントの付与方法(付与ポイントの種類、付与条件、付与されるタイミングなど)は異なるので、その選択は難しいところです。たとえば、電子マネーのWAONでは、ポイントはWAON電子マネーで付与され、付与タイミングはチャージ時となっており、現金・クレジット・オートチャージが対象で、ポイントチャージは対象外となっています。
そこで、決済サービスを選択するうえで注目したいのが、各決済サービスの独自特典です。
各決済サービスの独自特典
マイナポイントでは、自身が選択したキャッシュレス決済サービスでチャージもしくは買物をすることで、最大5,000円分(付与率25%)のマイナポイントが付与されます。そのため、このマイナポイント事業は、各決済サービス(決済事業者)からすれば利用者獲得・囲い込みの大きなチャンスであり、マイナポイント(最大5,000円分)に加え、独自の特典を設けている決済サービスも少なくありません。
例えば「上乗せポイント」は、その独自特典として多くの決済サービスで導入されています。これはマイナポイント5,000円分に上乗せして、各決済サービスが独自にポイントを付与するものです。
上乗せポイントを実施している決済サービス
WAON(電子マネー):最大2,000円分相当(チャージ額の10%)を上乗せ
ゆうちょPay(QRコード):1,500円分相当を上乗せ
メルペイ(QRコード):最大1,000円分相当(メルカリでの購入代金の5%)を上乗せ
auPAY(QRコード):最大1,000円分相当(マイナポイント付与額の20%)を上乗せ
例えばWAONだと、マイナポイントと上乗せポイントの合計で最大7,000円分になるため、4人家族が全員利用すれば最大28,000円分とかなりの金額となります(マイナポイントは未成年者も利用可能)。ちなみに、各決済サービスの独自特典には、この上乗せポイント以外にも、「クーポン(LINE Payでは最大2,500円分の割引クーポンを2枚)」などもあります。
マイナポイント申し込みにあたっての留意点
それでは、実際にマイナポイントの申込にあたって、どのような点に気をつければいいか、確認していきましょう。
独自特典の実施期間
各決済サービスの独自特典は一種のキャンペーンでもあるので、期間限定であったり、突然終了する可能性もあるので気を付けましょう。逆に、今後新たな独自特典が導入される可能性も十分に考えられるので、常に最新情報はチェックしておきたいものです。
決済サービスの利便性
マイナポイントを利用する決済サービスは、一度選択(登録)をすると、その取り消しや変更はできないので、慎重に選ばなければいけません。
また、独自特典がいくら魅力的でも、その決済サービスを利用できる店舗やサービスが限られていれば使い勝手が悪く、また、使い慣れていないキャッシュレス決済は、大きなストレスとなる場合があります。決済サービス(決済事業者)を選択する際は、顧客自身のライフスタイル(消費行動)も考慮して、総合的に判断する必要があります。
なお、マイナポイントの申込にあたっては、事前登録が必要な決済サービスもあるので、総務省「マイナポイント事業」サイトで確認しましょう。
また、ポイント受け取りに手続きが必要な決済サービスがあることにも注意が必要です。たとえば電子マネーのWAONでは、WAONステーションやイオン銀行ATM等で受け取る手続きが必要となります。同じく電子マネーの楽天Edyでは、Famiポート等専用端末やスマートフォンアプリにてEdyギフトとして受け取る手続きが必要となります。いずれも難しい手続きではありませんが、ポイント受け取りに手続きが必要な決済サービスにおいては、その手続きを怠るとポイントは付与されないので、うっかり忘れることがないよう注意が必要です。
マイナポイントの期限
マイナポイントの対象は、2021年3月31日までにマイナンバーカードを申請した人です。カード受取後、マイナポイントを申込み、2021年9月末までにチャージまたは買い物をすることで上限5,000円分のポイントを受け取ることができます。
マイナポイントの利用には、マイナンバーカードを取得する必要がありますが、マイナンバーカードの申請から取得まで1~2カ月程度かかることもあるようです。今後マイナンバーカードを取得して、マイナポイントの利用を考えている場合には、早めに申請を行うことも大切です。
マイナンバーカード普及促進の切り札としても大いに期待されているマイナポイントですが、2021年1月1日現在のマイナンバーカード交付状況(人口に対する交付枚数率)は24.2%と、まだ2割強に過ぎません。しかし、政府が2022年末までにはほぼ全国民へ普及させたい意向であることや、2021年3月(予定)からは健康保険証の代わりとして利用できるようにするなど、今後、マイナポイントの浸透とともに伸びていく可能性はあります。
マイナンバーカードの申請はインターネット上で簡単に行えることから、マイナポイントの利用を始め、今後の活用状況を考える上でも早めに申請しておくとよいでしょう。
※本ページに記載されている情報は2021年2月12日時点のものです。