月額15,000円だと年間で18万円、月額1万円だと年間12万円がもらえる児童手当制度。満額もらえていた人が所得制限にひっかかるようになると、月額5,000円となり6万円にダウンします。
この所得制限の基準が、高い所得の1人分から夫婦合算へ変更されるかもしれない、特例給付の月額5,000円が減額、あるいはなくなるかもしれないといわれています。
共働き夫婦が気になる、児童手当制度見直しによる収入ダウンの対策をご紹介します。
児童手当所得制限の対象が夫婦合算に!?
収入ダウンの対策どうする?
2020年12月23日
児童手当制度でもらえるお金
15歳までの子どもを養育している方へ支給
児童手当の所得制限の対象が、世帯の1人(所得の高いほう)分から夫婦合算へ変わるかもしれないという話が出ています。子どものいる家庭に、大きなインパクトを与える制度見直し案です。大学入学等に備えた教育費を貯める計画に、変更が必要と感じる方もいるでしょう。
ここで、児童手当の基本をおさらいしておきましょう。
(1)15歳までの子どもを養育している方に支給される
(2)支給額は15,000円(3歳未満)、10,000円(3歳以上小学生まで(第3子以降15,000円)、中学生)
(3)所得制限限度額以上の所得の方の場合は一律5,000円となる(特例給付)
所得制限つきの制度
次に、気になる児童手当の所得制限限度額ですが、こちらは扶養親族の数により異なります。
・扶養親族0人:所得制限限度額622万円(収入目安:およそ833万円)
・扶養親族1人:所得制限限度額660万円(収入目安:およそ876万円)
・扶養親族2人:所得制限限度額698万円(収入目安:およそ918万円)
・扶養親族3人:所得制限限度額736万円(収入目安:およそ960万円)
・扶養親族4人:所得制限限度額774万円(収入目安:およそ1,002万円)
・扶養親族5人:所得制限限度額812万円(収入目安:およそ1,042万円)
上記で、収入が目安としか示されていないのは、同じ収入の人でも控除できる金額などにより所得金額が変わるためです。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/jidouteate/index.html)
収入ダウンに備えるために
子どもの数が多いほどインパクト大
所得制限の条件が変わると、これまでもらえていた児童手当が減額される家庭が増えます。特例給付がなくなる、あるいは減額されるかもしれないという話も出ているため、全くもらえなくなるというパターンも考えられますね。
・月額15,000円がもらえなくなるケース:年間で18万円のダウン
・月額10,000円がもらえなくなるケース:年間で12万円のダウン
・月額5,000円がもらえなくなるケース:年間で6万円のダウン
子どもの数が2人、3人となるとさらに影響が大きく感じられるでしょう。
収入ダウンの対策は2つ
児童手当減額にともなう家計収入ダウンを避けるための対処として検討したいのは、下記の2つです。
・所得制限を超える金額が大幅でない家庭の場合、所得金額を減らす(収入ではない点に注意)工夫ができるかどうかチェックする
・児童手当の減額分を目安にして、家計支出を見直す
「所得金額」を減らす工夫とは?
医療費控除に備えるための準備をしよう
収入から基礎控除や配偶者控除などが引かれ、所得税を算出するための基本となる金額が所得金額です。
そこで、例えば医療費が年間で10万円以上かかるかもしれないと思う方は、医療費としてかかったレシートや領収書を年初からとっておくようにしましょう。医療費控除制度により下記の金額を控除できます。
・医療費控除の金額:支払った医療費(生計を一にする全員分)-(保険金など)-10万円
子どもの小児医療費助成のある自治体に住んでいる場合は、夫婦(や生計を一にする全員)にどれだけ医療費がかかったかがポイントとなります。市販薬も対象です。
iDeCoは掛け金の全額が所得控除に
また、iDeCoの利用でも所得金額を減らせます。個人型年金への加入を会社が許可していることが前提になりますが、将来の年金として積み立てるiDeCoの掛金全額が所得控除となります。
掛金の金額は自分で決められますが、拠出限度額もあります。
・自営業者等:68,000円/月
・厚生年金保険被保険者:12,000円~23,000円/月(会社が確定給付型年金実施かどうかなど条件により変わる)
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html)
ただし、iDeCoで積み立てたお金は60歳以上にならないと受け取れないため、いつでも使える子どもの教育費として積み立てるイメージでは利用できません。老後の備えのための貯蓄分をiDeCoへ回し、所得金額を減らしておく作戦です。
家計見直しのきっかけにしよう
保険見直しのタイミングとして考える
所得制限により児童手当が減額されてしまいそう、もらえなくなりそうという方は、家計見直しをして教育費分の貯蓄に努めましょう。
子育て世代におすすめしたい家計見直し手段の1つが、医療保険や生命保険等の保険見直し。人生で2番目の大きな買い物といわれる保険料は、何十年もお世話になるため人生トータルで考えると大きな支出です。
結婚や出産という大きなイベントが続き、保険に加入はしているけれど、どのような保障プランかよく覚えていないという方もいるでしょう。
保険料が家計支出の何パーセントになっているか、貯蓄型から掛け捨てへ変更をするとどのくらい掛金の負担が減るかなどをチェックし、保障と家計負担のバランスをよくしましょう。
すぐ使わなくなる子ども用品
子どもが小さいうちは、月単位、年単位で使わなくなってしまうような品物が多くあります。おもちゃや洋服、ベビーカーなどの子ども用品は需要があるため、ヤフオクやメルカリを大いに活用しましょう。
筆者も新品がよいものと中古でよいものを選別し、ヤフオクなどを利用して支出をおさえていました。おしゃれな子ども用チェアなどは、説明書や付属工具などを綺麗に保管しておけば、10年くらい使った後でもよい価格で売れたりします。
仕事が忙しくて売る手間もかけたくないという方は、割り切って使い捨てできる価格帯の商品を選ぶようにしましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年12月23日時点のものです)