新型コロナウイルス拡大の影響で、ライフスタイルが大きく変わり、それが家計に大きな影響を及ぼしているのはみなさんも体験しているとおりです。実際にどのように変化したのか、そしてこれからの家計をどのように考えていくかについて解説します。
コロナが家計に与えた変化と
これからの家計の考え方とは?
2020年11月18日
コロナが家計に与えた変化
まず、外出自粛やテレワーク、休校などといった措置により、家族が家にいる時間が増えたことから、それに伴う食費や水道光熱費などの増加が多くみられるようになりました。
テレワークや在宅勤務が定着するにつれ、それに伴う通信費の増加が家計を圧迫することとなり、このタイミングで回線契約の見直しなどを行った方も多いと思います。また、各自治体が休校などの措置を取り、さらに授業をオンラインに切り替えたことから、子ども専用のパソコンが必要になったというケースもあるでしょう。
その他に、なるべく他人との接触を避けるため、今まで電車通勤だったものをマイカー通勤にしたり自転車通勤に切り替えた場合は、駐車場代・ガソリン代・自転車の購入費や駐輪場代などの負担が新たに発生し、家計の負担になっているということも見逃せません。
ただし、これまでの生活では必要としなかった支出が増え、それが家計を圧迫している一方で、外出が減ったことによるレジャー費の支出が抑えられるなど、総合的に収支が相殺できている状態も多いといえます。
家計の見直しは長期的な視点で行う
まずは固定費の見直しから
家計を見直す際は、一般的に取り組みやすい「食費」や「被服費」または「教養娯楽費」などの変動費に目を向けるよりも、先に固定費の見直しを行うことがポイントです。固定費として挙げられるのは「住宅ローンの返済額」、「家賃」、「保険料」などです。これらの固定費を見直すには手間がかかります。しかし、面倒なものから見直すことこそが根本的な問題解決策といえます。
また、家計を見直すうえでのポイントは、「ライフプランを念頭においた長期目線で行うこと」に尽きます。住宅ローンを見直すのであればコロナによる減収により、返済が苦しいという理由で毎月の返済額を減らすことのみを考えず、返済年数も短縮できないかも検討するとよいでしょう。そうすることで利息分を減らし、最終的な総返済額の削減につなげることができます。
つまり、目先の返済額を減らすことが最善策ではないということです。賃貸住宅にお住いの場合であれば、次の更新を待たずに家賃の低い物件への引っ越しを検討することもが賢明な場合もあります。また、利用度の減ったサブスクリプションの解約や、携帯電話を含む通信回線プランの変更なども必要です。携帯料金の値下げについては政府も推進しています。焦らず様子を見ながら決めていくとよいでしょう。
変動費の見直しも長期の視点で
次に、固定費の見直しを行ったうえで「食費」・「日用雑貨費」・「被服費」・「教養・娯楽費」・「交際費」・「理美容費」などの変動費をできるだけ削減することをおすすめします。
世代別の家計変化と気を付けたいポイント
高齢者世帯
年金を受給されている世代は、収入面において最も影響が少ない世代といえます。しかし、自粛生活が長く続くことで認知機能の低下や運動不足による怪我や病気など、健康面への影響が心配されます。
子育て世代(共働き世帯)
子育て世代では、学校や保育園の休校および休園に伴い、かなり影響を受けているのが実情です。会社員へのコロナの影響はこれから拡大すると予想されます。賞与の減額や、働き方改革による出勤日数の削減に伴う収入低下などの影響を受ける可能性が高く、それらをボーナス払いや年一括払いなどの一時的な多額の出費に充てている場合は、早めに対策を行いましょう。
新型コロナウイルス感染症の流行は、世の中の仕組みや経済のみならず、個人や家族のライフスタイルに関するこれまでの常識を根本から変えることになりました。家計においてもこれまでよりも一層の節約はもちろんのこと、副業などによる収入増加の手段を考えていかなければならないことを認識しておきましょう。
現在、国が用意している「社会保険料等の納付猶予」や「住宅確保給付金」、「奨学金の特例」などは家計を一時的に助けるものです。特に納付猶予はあくまで猶予であり、将来的にはきちんと納付する必要があるということを忘れてはいけません。支援策ばかりに目を向けるのではなく、まずは長期的なライプフランの見直しから取り掛かってみましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年11月18日時点のものです)