不動産投資に興味があって、説明会にも行ったけれども、言ってることが正しいのかどうかよくわからない。この不動産買っていいのかどうかよくわからないなんていうことありますよね。不動産は高い買い物。相手は売るのに必死。こんなところに注意しながら話を聞くようにしてくださいね。
不動産投資
これが騙されやすいポイント!
2020年11月9日
騙され文句
投資用不動産の説明やセミナーに参加するとよく出てくる台詞をいくつか挙げてみました。こんな風に理解してください。
減価償却できるのでおトク
不動産事業を始めて家賃収入が入ると、これは所得の分類の中では不動産所得になります。減価償却ができて、その分所得を抑えられるのでおトクというのは正しいのですが、ここで注意しなければいけないことがあります。税金の計算をするための所得の計算の仕方と、実際の収支は違うということです。決して「不動産収入は赤字でいい」と思わないでください。
実際の収支は、家賃収入から借入金、修繕積立金、税金、保険料などすべてのコストを差し引いた金額で、これがプラスになっていないとずっと赤字の状態が続くということです。借入金の返済が終わればプラスに転じるでしょうけれども、返済期間は20年や30年という長期間になります。投資という目的で始めたのに、ずっと赤字でいいのでしょうか。減価償却ではなく、実際の収支をしっかり計算してください。
先にお金を借りて戻すだけ
借入金についての説明で、「今、手元にお金がなくても大丈夫。ローンを借りてあとで返せばいいだけだから」と、まるで借りた額と返す額が一緒のように聞こえるセリフを聞くことがありますが、実際には利息があります。長期にわたる利息は軽視することができない金額です。そして、不動産投資の場合は、住宅ローンではなく一般の借入金になりますので、利率も結構高くなります。自分が借りる金額と、総返済額をきちんと計算してみましょう。
不動産という資産が残る
たしかに不動産は資産になりますが、資産価値は年数とともに減ってきます。一般的に、新築から最初の15年くらいはどんどん価値が下がっていき、築15年で新築価格の20%くらいの値下がり、その後はもう少し緩やかに価値が減っていくと一般的には言われています。
ですから、新築物件を購入する場合は売却する時にかなり資産価値が減っていることも考えなければいけません。
毎月家賃が入ってくる
ご存知のように、不動産投資には空室リスクがあります。それを回避するために空室保証などもありますが、問題は、この手数料も含めたコストの説明がきちんとされていない場合があることです。
入居者がいれば、確かに家賃は入ってきます。しかし、それ以上にコストがかかれば、実収入はありません。
コストの内訳としては、借入金の返済、固定資産税、修繕積立金、管理会社の手数料、火災保険などが挙げられます。これらすべてを計算してみて家賃よりも多ければ、空室でなくても赤字ということです。
そんな高い利回りは今どきない
儲かる物件かどうかの判断基準の一つとして利回りが用いられます。利回りには物件価格と家賃だけで見る表面利回りと、コストまで含めて見る実質利回りがあります。
利回りの良くない物件は、「昔は利回りのいい物件もあったけれども、最近はみんな不動産を買うようになったから、なかなか高利回りの物件が出てこない。今はこれが最高水準」と言って売られていることがあります。
不動産投資の説明で用いられる利回りは表面利回りの場合が多いと思いますが、この表面利回りがあまりにも低いと、コストを含んだ実質利回りは赤字になる場合もあります。
一般的には、新築よりも中古、都心よりも近郊の方が利回りは高いことが多いです。いくつか物件を調べて、相場を確認することと、実質利回りを計算する必要があります。
あとで困らないための対策
このような騙し文句にハマらないように、以下の点を心がけましょう。
過度な借り入れはしない
いい物件であっても過度な借り入れは危険です。空室で家賃が入ってこない、自分の本業の収入が減って借入金が返せないなどが想定されるからです。まして、よくない物件であった場合、借入金以上に赤字が膨らんだり、売却しようと思ってもその際には借入金の一括返済を求められたりするということが起こります。
あまりにもたくさんの借り入れを勧められるような場合は、要注意です。
複数チェック
購入したい物件がある場合は、似たような条件の物件を必ずチェックしましょう。いくつか調べていくうちに相場観や注意すべきポイントがわかってくるので、それらを理解してから購入する方が失敗はありません。
買う前に専門家に相談
間違った物件を買ってしまった時、専門家に相談することはもちろん大事ですが、買ってしまってからでは専門家としてもできることが限られてしまいます。必ず、買う前に相談するようにしましょう。相談する先は、不動産販売会社ではなく、中立の立場である不動産に詳しいFPなどがおすすめです。
(※本ページに記載されている情報は2020年11月9日時点のものです)