子どものおこずかいに関しては、開始時期や金額などのルールを決める段階で、各家庭の意見がわかれますね。そもそも、子どもに定期的なおこずかいをあげるべきかという時点で賛否両論あるのも事実です。しかし、マネー教育の第一歩として考えれば、おこずかいの存在はとても大きいもの。そこで今回は、マネー教育の必要性や、定期的なおこずかいをスタートする際に意識しておきたいポイントをお伝えします。
子どものおこづかいはマネー教育の第一歩
意識するべき4つのポイントとは?
2020年9月25日
子どもにマネー教育は必要?
昔と比べ、子どもたちがお金に接する機会やお金の価値を考える機会が減っているように感じます。例えば、学校の給食費。かつては毎月担任の先生から配布される集金袋を持ち帰り、「なくさないようにね」と親に言われて給食費を学校に持って行ったものでした。
私も普段は手にできないような高額の現金を持ち歩くことに緊張した記憶があります。そして、集金袋の受け渡しを行うことで、親が給食費を払ってくれるおかげで毎日給食を食べることができているということが理解できた気がします。
それが今では口座振替が主流。これでは、いくら払っているか、なかなか子どもにはわからないですよね。事実、私の息子は低学年の頃、「給食はタダで食べられるもの」と思っていたようです。
しかし、実際には何をするにもお金はかかります。もちろん、お金が人生のすべてではありませんが、私たちの生活に欠かせないもの、大切なものであることは事実です。だからこそ、お金の教育は大切だと考えます。
将来、子どもたちが自分の力でお金を手にするようになったときに、扱いに慣れていないことが原因で大きな失敗をすることがあってはいけません。どのように稼ぎ、どのように使い、どのように貯め、どのように増やすか、自分で考えられる力を身に付けさせてあげたいと思いませんか?
そこで必要なのが練習です。おこづかいは、お金との接し方を覚えるための第一歩。小さな失敗を経験し、反省したり考えたりすることは、子どものためになるでしょう。
子どものおこづかいはいつから?相場は?
では、子どものおこづかいの実態を見てみましょう。「金融広報中央委員会」が2015年12月~2016年3月に実施した「子どものくらしとお金に関する調査」(対象:全国の小中高生50,149名)によると、次のような結果が得られています。
いつから?
まずは、おこづかいを定期的にもらうようになる時期から見てみましょう。
・小学校低学年……ときどきもらう(57.3%)、月に1回もらう(13.4%)
・小学校中学年……ときどきもらう(47.8%)、月に1回もらう(32.1%)
・小学校高学年……ときどきもらう(38.3%)、月に1回もらう(45.0%)
月に1回、定期的におこづかいをもらうようになるのは、小学校高学年以降が多いようです。私の周りでも、息子が小学校中学年になったころに、保護者同士でおこづかいルールをどうするかについて話題になっていました。親が意識し始めるのも、この時期が多いのかもしれません。
毎月いくら?
次に、いくらもらっているのかについてです。毎月1回と決めておこづかいをもらっている子どもの場合、最も多い金額帯と平均値は次のような結果となっています。
・小学校低学年……500~700円(平均1,004円)
・小学校中学年……500~700円(平均864円)
・小学校高学年……500~700円(平均1,085円)
・中学生……1,000円(平均2,536円)
・高校生……5,000円(平均5,114円)
ご紹介した調査結果は、あくまでこのような傾向があるというもので、当然ながら、この年齢になったらこの金額をあげなければいけないというものではありません。おこづかいをあげ始める時期や金額については、子どもの年齢だけでなく、その子の性格やお金に対する習熟度なども考慮して各家庭で決めていくとよいでしょう。
意識するべき4つのポイント
次に、おこづかいをスタートする際に意識するべきポイントを見ていきましょう。おこづかいをマネー教育と考えるのであれば、しっかりおさえておきたいポイントでもあります。
買うものは明確にしておく
「学校や塾で使う文具類は買ってあげるが、個人的に欲しいというだけの文具は自分で買うこと」「家に買ってあるお菓子以外に欲しいものがあれば、自分のおこづかいで買うこと」など、おこづかいで買うべきものとそうでないものは明確に分けておきましょう。「この前は買ってくれたのに、今日は自分で払わなければいけないの?」と混乱してしまいますので、よく話し合ってくださいね。
「あげっ放し」にしない
おこづかいでお金について学ばせたいと考えるのであれば、あげっ放しにしないことも大切です。どのように使うか毎回きちんと計画を立て、おこづかい帳を使って入出金を管理させましょう。そして、月に1度は報告会を設けてください。その際、「こんな風に使う予定だったけれど、こういう結果になってしまった」や「今月は計画通りに使えた」、あるいは「○○が欲しいからお金を貯めたい」など、子どもの話や要望を聞いてアドバイスしてあげましょう。
失敗を経験させる
たとえば、おこづかいをもらってすぐに全額使い切ってしまったとしても、それは経験。なんとなく無駄に使ってしまい、本当に必要なものが買えなくなってしまったとしても、それも経験です。小さな失敗を繰り返すことで成長していくものと考え、「そんなに一度に使ったらダメ」「それは無駄遣いだからやめなさい」などの指示は極力しないように気をつけましょう。
前借りさせない
計画的におこづかいを使えなかったり、どうしても欲しいものがあったりなど、何らかの理由でおこづかいの前借りを申し込んできたとしても、きちんと断りましょう。これは我慢を覚えさせると同時に、「お金が足りなくなっても借りれば大丈夫」という考えを身に付けさせないためでもあります。ちょっとかわいそうかな……と思っても、前借りはさせないようにしてください。
今回は、マネー教育の必要性やおこづかいをスタートする際に意識しておきたいポイントについてお伝えしました。子どものうちから積極的にお金に触れ、正しい付き合い方を学ぶことは十分意味があることです。ちょっとしたポイントを意識しながら、見守ってあげましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年9月25日時点のものです)