新型コロナウイルスの影響で家計に不安を感じ、どこかでお金を借りられたらと思う瞬間がありませんか。この機会に、生命保険の契約者が保険会社からお金を借りられる「契約者貸付制度」について知っておくと安心感が増すかもしれません。どんな人が借りられるのかなど、気になる契約者貸付制度について簡単にご紹介します。
新型コロナで家計が厳しい!?
いま知っておきたい生命保険の契約者貸付制度
2020年9月23日
お金を借りたいとき
借り入れの方法
個人的な事情によるケースはもちろん、新型コロナウイルス感染症など、世界の経済を揺るがすような出来事によっても、家計にマイナスの変化が起きてしまうことがあります。
一時的な家計の厳しさにより、少しでもお金を借り入れしたいと考えたとき、どこから借りればいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。スマートフォンで検索すると、検索上位にカードローンの記事が出てきて、とりあえずカードローンを利用すればいいのかもと安易に考えてしまう人もいます。
しかし、お金の借り入れは適切に利用すれば有益ですが、金利が高いサービスに手を出してしまうと返済の苦労が増えます。冷静な判断の上で利用しましょう。
保険会社から借りられるお金とは
お金の借り入れをするときの手段としては、一般的に下記が挙げられます。
・親や兄弟から借りる
・友人から借りる
・カードローンを利用する
・クレジットカード付帯のキャッシングを利用する
また、光熱費などの支払いを一時的に滞納することも、「支払い先から借りる」という形での借り入れのようなものです。例えば、電気料金には2段階の支払期限があるなど。このほかに、契約内容によって利用できる手段の一つが、生命保険の保険会社からの借り入れとなります。
契約者貸付制度
保険の保障を継続しながら貸し付けしてもらえる
家計の収支が厳しいと話す人の中にも、生命保険の支払いをしっかり継続している人がいます。家計収支と保険料とのバランスは健全家計を保つための大切なポイントの一つ。家計支出の中で保険料の割合が高い場合、保険の見直しによって家計が改善されるケースも見られます。
と同時に、もしものリスクのための最低限の保険は必要であり、安易な解約は勧められないという面もあるのが難しいところです。
そこで知っておきたいのが、「契約者貸付制度」という制度。生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借り入れできます。契約者貸付の申込時に本人確認は必要です(印鑑証明書が必要な場合もあります)が、審査はありません。
貸付金は指定口座へ振り込まれます。解約返戻金のあるタイプの保険商品であることが前提であり、貸付利息も発生しますが、貸し付けを受けている間も保険の保障を継続してもらえます。
証券番号で問い合わせ
契約者貸付を利用できるかどうかは保険の種類や契約状況にもよるため、個別での確認をおすすめします。契約者貸付が可能な保険商品の場合、保険の契約時の約款に契約者貸付についての記載がありますが、自分で調べることが難しいと感じられる場合は保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
保険証券、あるいは「現在のご契約内容のお知らせ」といった、保険会社から送付される書類に記載されている証券番号を用意してから問い合わせてみてください。
注意しておきたいこと
貸付利率は商品ごとに異なる
契約者貸付制度の貸付金の利率は、保険会社や保険商品によって異なります。利率によって総返済額が変わってくるため、いつ頃返せるかどうかなどの見通しと合わせながら、大事な注意点としてチェックしてから利用しましょう。
具体的な利率については、保険会社のサイトや問い合わせ先(保険ショップや電話、ネット問い合わせなど)で確認できます。
保険が失効になるリスク
契約者貸付による貸し付けは、解約返戻金の一定範囲内という上限設定の中で行われます。貸付金には利息(複利)がつき、貸付金の元利金が解約返戻金を超えると保険が失効または解除となるため、注意が必要です。
貸付金の元利金が解約返戻金を超えると返済の案内が届きます。その後、返済期日までに所定の金額を返済しないと失効または解除となるのです。
保険金支払いのときなどへの影響は?
なお、保険契約が継続していて、貸付金の返済が終わっていないときに保険金等の支払事由が生じる、あるいは解約となった場合、貸付金の元利金を差し引かれての支払いとなります。貸付金の返済はいつでもできるため、計画的に利用すると安心です。返済は、一括でも分割でもできます。
契約者貸付制度のメリットとして、金融機関で貸し付けをしてもらう場合と異なり信用情報機関に登録されないということも大事なポイントといえるでしょう。これは、解約返戻金をもとにした貸し付けであるためです。保険利用者ならではの貸し付けであるため、臨時の困ったのときなどに賢く利用してみてはいかがでしょうか。
(※本ページに記載されている情報は2020年9月2日時点のものです)