結婚や出産、引っ越しや転職、それだけではありません。自然災害や感染病など、人生には何が起こるか予想がつかないことだらけです。そんな「いざという時」でも、不安に押しつぶされずにへっちゃらに過ごすためには、日ごろからどんな家計管理をしておけば良いのでしょうか。逆境に強い家計管理術をお伝えします。
いざという時もへっちゃら!
逆境に強い家計管理術5選
2020年4月27日
逆境ってどんなコト?
人生における「逆境」と家計管理上の「逆境」は、同じ場合と違う場合があります。今回は家計管理上の「逆境」です。
日常時は、収入・支出・貯金はある程度決まった額なので家計管理しやすく安定した状況ですが、逆境時は、収入が減ったり、支出が増えたり、そのため貯金ができなかったり、今までの貯金を使わなければいけない状況になったりします。
では、家計管理上の「逆境」とはどういった場合なのでしょう?
予測可能なコト
人生における「祝いごと」や「幸せごと」は、人生における「逆境」ではありませんが、家計管理上は予測可能な逆境に当てはまります。
例えば、進学や就職、転勤や転職、結婚や出産、マイホームやマイカーの購入など、一時的に収入が減ったり、支出が増えたり、貯金を使ったりします。
他にも、「来月入院の予定」や「来年今の仕事を退職して海外留学の予定」なども予測可能なので事前に備えることはできますが、家計管理上の逆境と言えるかもしれません。
予測不可能なコト
予測不可能なコトは、人生においても、家計管理上においても「逆境」と言えそうです。
例えば、自然災害や火事等での被災、病気やケガ、解雇や退職など。一時的であればまだ良いのですが、中~長期間続く可能性があるのも予測不可能な逆境の特徴です。
今回の新型コロナも、解雇や休業、活動自粛や臨時休校など、予測不可能な事態で、収入が減り、支出が増え、貯金を切り崩している人も少なくありません。
逆境に強い家計管理術
逆境に直面しても、私たちは生活を続けていかなければなりません。逆境に強い家計管理術を実践しましょう。
1)日常時の収支や貯金を把握する
日常時の、毎月の収入や支出、貯金がどのくらいか把握していますか?家計簿をつけている人は分かりますが、家計簿をつけておらず、毎月赤字家計でもなく、収入内で問題なく生活している人は、日常時、何にどのくらい使っているかを案外把握できていないようです。日常時を把握できていないと、逆境時の対応はできません。
2)最低限必要な支出額を知る
日常時の支出額を「生きるための支出」と「幸せに暮らすための支出」に分類してみましょう。
「生きるための支出」とは、これが無いと命に関わる可能性がある最低限必要な支出のこと。例えば、家賃、光熱費、食費、生活消耗品、医療費など。
「幸せに暮らすための支出」とは、これが無くても命に関わりはないけど、生活に潤いを与えてくれる支出のこと。例えば、外食費、交際費、趣味娯楽費、美容被服費、レジャー費など。
分類する理由は「生きるための支出」は逆境時でも必要で、「幸せに暮らすための支出」は逆境時には節約すべき支出だからです。
3)現在の貯金額で何ヵ月暮らせるかを知る
万が一、収入がゼロになった場合、現在の貯金額で何ヵ月暮らせるかを計算してみましょう。この計算に使う毎月の支出額は「日常時の支出額」にします。
例えば、
貯金額 300万円
毎月の支出額 20万円の場合、
300万円÷20万円=15ヵ月
万が一、収入がゼロになるという逆境が訪れても、この家計は、15ヵ月間は日常時の生活を続けられるという計算になります。
4)国や自治体の支援策を知る
予測不可能な逆境には、事前の備えをしていても、防ぎようのない、頑張りようのない事態が起きます。その場合、国や自治体が支援策を打ち出します。
ニュースや新聞、各自治体のHPなどで支援策の情報を入手し、自分がその支援策の対象であるかを知ること、対象で支援策を受けたい場合はどこに問い合わせたらよいかを知ることが大切です。
逆境時に、自分の貯金を切り崩して生活するのも方法のひとつですが、国や自治体に支援してもらう方法もあることを知っておきましょう。
5)新たな収入の道を考える
逆境時はこの先の人生をよりよい方向に変えられる転機でもあります。
「リストラされたけど、ずっとやりたかった職種に転職し、やりがいを感じている」「被災し経営していた飲食店を閉め、ホテルの厨房担当に就職。今は安定した収入を得ながら貯金し、またいつか自分のお店を持ちたい」といった話を聞きます。
「ピンチはチャンス」という言葉があります。先の長い人生、逆境時をチャンスに変えてキャリアアップできると良いですね。
日常時に気をつけるコト
逆境に強い家計であるには、日常時の行いが鍵となります。
・収入額の増減に関係なく、支出をなるべく一定に保つこと
収入が増えたから、臨時ボーナスが入ったから、今月は支出が少なかったからとの理由で、お金を使いたがるクセは直しましょう。収入が増えたら、支出を増やすのではなく、貯金額を増やしましょう。
・情報収集を心がけ、柔軟な思考で行動する
日常時は、今までの慣習や思考で問題なく生活できますが、逆境時には世の中の変化に伴い、今までの慣習やルールが変化する事もあります。日頃から、情報収集を心がけ、いざという時も柔軟な思考で行動できる人でいましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年4月9日時点のものです)