毎日ニュースで新型コロナウイルスの感染拡大が伝えられています。もし、新型コロナウイルスにかかったり、濃厚接触者として自宅待機になったりしたら、傷病手当金や社会保険の保障はどうなるのでしょうか。事前に知っておきたい情報をQ&Aでお答えします。
新型コロナウイルスで会社を休んだらどうなるの?
知っておきたいお金のこと
2020年3月24日
Q1 仕事を休んだらどうなるの?
新型コロナウイルスに関わる様々な理由で仕事を休まないといけない事態が発生しています。
休む理由によってそれぞれ対応が異なります。
A1 感染して休んだ場合は有給休暇を申請する
新型コロナウイルスは感染症法における指定感染症となっています。
指定感染症で休む場合は都道府県知事の勧告によって休むことになります。
新型コロナウイルスに感染してしまい、仕事を休まないといけなくなった場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないので、勤務先から休業手当を支払ってもらえません。
勤務先で半年以上勤務している場合は年次有給休暇が付与されるので、まずは有給休暇を利用しましょう。
A2 有給休暇がない場合は、傷病手当金を申請する
有給休暇があまり残っていないという人もいるでしょう。有給休暇を使い切った場合は傷病手当金を申請しましょう。
健康保険に加入している場合、要件を満たすことで「傷病手当金」が支給されます。
傷病手当金は、病気やケガのために仕事ができない場合、会社を連続して3日以上連続して休んだ場合、4日目から最長1年6カ月までの間支給されます。
気になる支給額は、「直近12カ月の標準報酬月額の平均÷30×2/3」で計算されます。
ざっくりですが、月収25万円の人が14日間休んだ場合は、(25万円÷30×2/3)×(14-3)≒61,111円ということになります。
A3 会社の都合で休むと「休業手当」が支払われる
会社の指示で休むことになった場合は会社側の都合ということになり、休業手当が支払われます。
例えば、コロナウイルスが原因で経営が悪化し、会社から休業を言い渡された場合や、感染が疑われる場合に勤務先から自宅待機を要請された場合は、休業手当が受け取れます。
休業手当は、労働基準法第26条により、休業中は平均賃金の60/100(6割)までを支払うことが決められています。
ただし、会社独自の就業規則などによって、60/100(6割)を超えて支払ってもらえる場合がありますので、自分の勤務先に確認してくださいね。
Q2 休校で子どもの面倒をみるために休んだ場合は?
政府が一斉休校を要請したことにより、子どもの面倒見る場合に仕事を休まなければならない場合が出てきました。そこで、 小学生までの子ども(特別支援学校は高校生まで)の親に対して新たな有給休暇を取ることができる制度ができました。 これは、休暇を従業員に与えた企業が1日当たり8,330円を上限に賃金相当額の助成金を受け取るという仕組みです。
また、個人で業務委託を受けて働いている人も、子どもの面倒をみるために仕事を休んだ場合、国から1日当たり4,100円が保障されることになりました。
申請期間は3月18日から6月30日ですので、対象となる人は忘れずに申請してくださいね。
Q3 検査費用や治療費はどうなるの?
日本に住んでいる人は皆、公的医療保険に加入しています。
会社員や公務員の人は健康保険に加入しているので、3割負担で治療が受けられます。
皆さんが風邪をひいて治療を受けたり、インフルエンザの検査を受けたりする時も3割負担で受けることができますね。
では、コロナウイルスにかかった場合はどうなるのでしょうか。
先ほどもお伝えしましたが、新型コロナウイルスは感染症法における指定感染症です。そのため、 原則として公費でまかなわれます。
まず、検査ですが、現在のところ保健所が検査が必要と判断した場合に限り、感染の有無を調べる検査を受けることができます。
2020年3月6日より検査が健康保険適用となりましたが、患者の負担分は公費で賄われるため、検査費用は今までと同じく無料です。
そして、検査によって陰性の場合も同じく自己負担は発生しません。
万が一、感染が判明した場合、軽症の場合を除いて入院により治療が行われます。その入院の費用も公費で賄われます。
Q4 入院したら民間の医療保険の対象になる?
新型コロナウィルスになって入院治療をした場合、治療費はかからないとはいえ、生活は一変します。やはり、少しでも手厚い保障を受けたいですね。
民間の生命保険の医療特約や医療保険による入院給付金は、今のところ受け取れるところが多くなっています。前もって自分の加入している保険会社に問い合わせておくと安心ですね。
まだしばらくは、終息の目途がついていない新型コロナウイルス。
長引けば経済対策がより必要になってきます。国も経済給付金の支給などを検討しているようですので、最新の情報をチェックしておいてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年3月19日時点のものです)