2020年4月から高等教育の修学支援新制度(大学無償化)が開始されます。今年度の申し込みは終了していますが、大学に進学後にも申し込みはできます。まずは、支援の対象となるのか、世帯年収やその他の要件を確認しておきましょう。対象となった場合の手続きの方法やスケジュールもご紹介します。
もうすぐ始まる大学無償化
対象者と手続きについて確認しておこう!
2020年2月3日
大学無償化の対象者と支援額
対象となる人は?
高等教育の修学支援新制度の対象となるのは、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生となっています。具体的には以下の年収が目安となります。
家族形態によって年収の目安は変わってきますので、自分が対象となるかどうかを知りたい方は、日本学生支援機構 進学資金シミュレーターで確認できます。
他にも、「高等学校等を卒業してから2年の間までに大学等に入学を認められ、進学した者」などの申し込みに関する要件と学業成績や意欲などの要件もあります。詳しくは文部科学省のHPをご覧になってください。
どのくらい支援してもらえるの?
住民税非課税世帯の学生に給付される満額は以下の金額となります。
<授業料等減免>(年額)
<給付型奨学金の給付額>(月額)
住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の2/3又は1/3の支援額となります。
仮に住民税非課税世帯の学生が私立の大学に自宅外で通った場合、総額669万8,400円が支給されることになります。
手続きの方法
2020年度の修学支援新制度の受付は終了していますが、大学等に進学後でも申請することは可能です。そこで進学後に手続きする方法(大学生等対象)と今春高校3年生となる人に向けての手続きの方法(高校生等対象)をご紹介します。
大学等進学後に申し込む方法
1.在学している学校が対象となっているかを確認する。(9月頃)
支援対象の大学、短大、高専、専門学校の一覧を見ることができます。
https://www.mext.go.jp/kyufu/support_tg.htm
2.申請をする(11月頃)
※学校ごとに締切日が異なります。
<給付型奨学金>
(1)在学している学校から関係書類をもらって、インターネット(スカラネット)でJASSOに申し込みをします。(在学予約採用の申請)
(2)マイナンバーをJASSOに郵送で提出します。
(3)学校からの推薦を受けます。
<授業料等減免>
学校から申込書類をもらって、学校に申し込みをします。
3.決定・支援の開始(4月)
給付型奨学金の審査結果はJASSOから学校を通じて本人に通知されます。授業料等減免の審査結果は学校から本人に通知されます。4月または5月に最初の振り込みが行われます。
高校3年生で申し込む方法
1.申請をする(7月頃)
<給付型奨学金>
(1)高校等から関係書類をもらって、インターネット(スカラネット)でJASSOに申し込みをします。(予約採用の申請)
(2) マイナンバーをJASSOに郵送で提出します。
<授業料等減免>
進学時に進学先の学校が定める手続きに従って行います。
2.進学を希望している学校が対象となっているかを確認する。(9月頃)
支援対象の大学、短大、高専、専門学校の一覧を見ることができます。
https://www.mext.go.jp/kyufu/support_tg.htm
3.決定(12月頃)
給付型奨学金の審査結果はJASSOから高等学校等を通じて本人に通知されます。その際、「採用候補者決定通知」等の必要な書類が交付されます。
4.支援の開始(4月)
進学先の学校に必要書類を提出します。その後、進学届提出用パスワードが発行されるので、それを使ってJASSOへ進学届を提出します。4月または5月に最初の給付型奨学金が振り込まれます。
疑問を解消
Q:高校での予約採用の期限を過ぎてしまいました。どうしたらいいですか?
A:授業料等減免及び給付型奨学金は、進学先の学校で申し込むこともできます。
そもそも授業料等減免については、進学後でないと申し込めないため、入学時に手続きをすることになります。授業料等減免と給付型奨学金は同時に支援を受けられますが、申し込みは別途行う必要があります。1年次の4月分から支援を受けるためには、進学後すぐに大学等の定める期限内に申請を行う必要があります。申請が通れば、4月分に遡って支援を受けられます。
Q:入学金などの前もって納付が必要な資金の準備ができません。
A:入学金は一般的に、入学前に納める必要がありますが、経済的に困難である学生については、文部科学省から大学等に対して、納付期限の猶予を依頼しています。そのため、こうした猶予に対応している大学等は多数ありますが、猶予措置がない場合には、入学前に受けられる支援をまとめた「資料13入学前支援について」で対応できる可能性があります。一旦徴収した後、減免が確定した場合は減免相当額が還付されます。
この新制度によって、経済的な理由から進学を諦めることがなくなれば、大変有益な制度と言えます。これから高校3年生となるお子さんをお持ちの方で、対象となりそうだと思われる方は、早めに日本学生支援機構 進学資金シミュレーターで確認をしておきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年2月3日時点のものです)