2019年12月にNISAの制度変更が発表されたのは記憶に新しいですね。これから始めたいと思っているのにどう変更になったんだろう?新しい制度に変わるまで待っていた方がいいのかな?それとも現行のNISAの方がいいの?などと迷うかもしれませんね。どう変更になったのか、変更によるメリット、デメリットを挙げながらあなたにとってピッタリの運用方法を考えてみましょう。
NISAの制度はどう変わる?
投資初心者にピッタリの運用方法とは?
2020年2月7日
NISAの制度、どう変わったの?
(NISA変更内容 赤字が変更点 筆者作成)
NISAは3種類あります。大きく変わるのは一般NISAで主な変更点は4つです。
1.つみたてNISAを購入する場合に限り、別枠で一般NISAを利用できるという2階建ての制度になります。
(2階建てNISAイメージ図 筆者作成)
2.年間の積立限度額が、1階部分は年間20万円、2階部分は102万円、合計122万円に変更になります。
3.現行NISAで購入可能な高レバレッジ投資信託などは購入できなくなります。
4.積立期間が2028年末までに延長されます。
なお、つみたてNISAの変更点は購入期間が2042年までに延長されたこと、ジュニアNISAは2023年で制度が終了になることです。
NISA変更によるメリット、デメリットは?
NISAが変更になったことで考えられるメリット、デメリットはどんなものでしょうか?
つみたてNISAでの長期投資がより可能に!
現行の制度で2020年からつみたてNISAを始めた場合、積み立てできる期間が2037年までなので18年間しかありませんが、新しい制度では2042年末まで延長されたので、これから始めたい方でも2023年までに始めれば20年間買付けができるようになりました。つみたてNISAは特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度長期であり、運用期間が長くなるほど利益が増える可能性が高まるという点で大きなメリットです。
2階建てNISAの購入上限額が増えた
NISAはつみたてNISAを20万円/年を積み立てした場合に限りますが、NISA枠が102万円/年購入することができ、合わせて122万円と20万円増えました。条件付きではあるものの投資額が増えることはうれしい改定ですね。
2階建て制度がわかりづらい
一般NISAの制度が2階建てになり、つみたてNISAをした場合に限り2階部分のNISAを利用できるという制度になり、少し複雑になりました。一般NISAは個別株も購入できることと、積み立てなくてもよいため、投資経験者が短期売買に利用しているという背景があり、安定的な資産形成を促したいという目的にそぐわないという点からもこのような制度になったと考えられます。
タイプ別NISAの選び方・注意点
では、どちらのNISAを利用するのがいいのでしょうか?投資スタイル別におススメのNISAを考えてみました。
損失が出るとメリットがないことを受け入れられるなら?
一般NISAは非課税で運用できる期間は5年間しかありませんので、長期で積み立てて運用するには期間が短いです。一般NISAを選んで積極的に売買することはできますが、損失が出た時には非課税のメリットが受けられないだけでなく、通常の株式投資用の課税口座の運用益と相殺ができないということも理解してから始めたいですね。
リスクはなるべく避けたい、安定運用したいなら?
現時点で株式投資をする予定がない、リスクはなるべく取りたくないという方はつみたてNISAがおススメです。一般的に積立で長期運用することは大きな利益が得やすいと言われています。過去の実績ですが、5年間投資信託を積み立てた場合と、20年間積み立てた場合を比較すると、5年間だと運用益がマイナスになった期間があるのに対して、20年間積み立てた場合はマイナスになった期間がないという結果があります。仮に5年の間に世界で不況が起こった場合、運用がマイナスになる可能性が高くなります。一方で20年間あれば、途中同じようなことが起こってもまた経済状況は改善していきます。また投資信託は価格が安い時は多く買付けできるので、平均購入単価が低くなり元本割れのリスクも少なくなり、比較的安定的な運用ができると言えます。
今後株式投資をする予定なら?
今、投資経験はないけど今後株式投資をしてみたい、興味があるという場合もつみたてNISAがおススメです。投資未経験の方がいきなり株式投資で大きな運用益が得られる可能性は少ないですし、先ほども述べましたが株式投資で損失が出た場合、運用益が非課税という最大のメリットが受けられないからです。まず、つみたてNISAで投資に慣れてから改めて株式投資の課税口座を開いても遅くはないですよ。
2020年から一般NISAを利用しても大丈夫?
2020年から一般NISAを活用したい場合、新制度になる2024年以降は新制度に移行して購入可能かは現時点では情報がありませんので、それを念頭に置いたうえで始めましょう。新しい情報にも気をつけておきたいですね。
つみたてNISAは、初心者はもちろん、投資経験者にも有利な制度です。低コストな商品に限定されていて、利益が出やすい長期分散投資ができて、しかも運用益が非課税という最大のメリットが享受できる可能性が高いのは、つみたてNISAと言えるでしょう。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年2月7日時点のものです)