銀行預金に預けても利息が期待できない昨今ですが、一部の銀行が口座維持手数料の導入など、手数料体系の見直しをはじめたのを知っていますか?
そもそもATM利用手数料をはじめ、銀行預金の使い方によって手数料が取られて預けたお金が減る可能性があるのは賢いマネー女子なら知っているはず。あらためて銀行との付き合い方を考える時が来ているのかも知れません。
あなたのお金、
そのまま銀行に預けておいて大丈夫?
2019年12月2日



銀行の手数料がますます増える?
今年の9月頃から、大手銀行を中心に口座維持手数料の導入を検討していることが数々のメディアで報道されています。
口座維持手数料とは所有している口座に対して徴収される手数料のことで、ざっくり言うと、銀行に口座があれば毎月一定額が自動的に口座から引き落とされるものです。
ATM利用手数料や振込手数料のように、ATMという機械を使ったわけでも、振込み依頼のために振込用紙を消費したわけでもないのに、ただその銀行に口座があるというだけでお金が引かれていく性格のものです。
あまり聞くことのない口座維持手数料ですが、一部の外資系銀行など、すでに口座維持手数料を導入している銀行はあります。すでに導入しているある銀行を参考にすると、口座維持手数料の金額は月額2,000円(税別)。
そもそもATM利用手数料などの銀行手数料は、家計のなかでも払いたくないムダなお金のひとつです。それなのに毎月2,000円程度のお金を徴収されてしまうことになるのなら、銀行との付き合い方を考えてしまいますね。
そもそもなぜ口座維持手数料というのがあるの?
ATMを設置したり、振込事務などの仕事に対する手数料なら手数料がかかることはなんとなく理解できますが、銀行に口座を開設してお金を預けているだけで手数料が取られることには納得できない人は多いはず。
しかし銀行にとってはその口座を維持するためのさまざまな管理業務をしています。たとえばデータ管理や預金通帳を発行したり。通帳を発行すれば印紙税がかかりますが、現状では銀行が印紙税を負担しています。これらの管理コストが1つの預金口座につき年間2,000円~3,000円程度かかると言われています。
そもそも銀行は住宅ローンをはじめ、様々な融資による利ざやを収益源のひとつとしていますが、日銀のマイナス金利政策の影響で貸出金利はどんどん低下。利ざやを稼ぐことが難しくなれば、銀行の収益は低下してしまいます。そのような状況で預金口座の管理コストを負担すれば資産状況が悪化するのは理解できるでしょう。改善への検討策として、現在銀行が負担している管理コストの一部を預金者に負担してもらおうという考えのようです。
手数料がかからないための方法はある?
メディアの報道や様々な銀行のHPを見る限りでは、口座維持手数料がかかるようになるかどうかはまだ検討段階で、導入されることが決まっているわけではありません。
仮に導入されるにしても、どういう条件で、いくらの手数料になるのかも現段階では何とも言えません。
しかし、もしも自分の口座がある銀行が口座維持手数料を導入することになれば、私たちはどうすればいいのでしょうか。
対策のひとつは手数料がかからないように気をつけることです。
例としてATM利用手数料をイメージしてみるといいでしょう。ATMを利用する曜日や時間帯によって手数料がかかる場合とかからない場合がありますね。手数料がかからないようにするには、無料時間帯に現金引き出しをしたり、そもそも現金払いをやめてキャッシュレス決済にする方法もあるでしょう。
おそらく口座維持手数料も同様でしょう。現在、口座維持手数料を導入している銀行を見ると、前月の月間平均総取引残高やローンの有無など、口座維持手数料がゼロになるための条件をいくつか設定しています。
そう考えると、いくつもの銀行に口座を作るのではなく、ある程度まとまった残高になるように預金を集約させておくのがいいのかもしれません。
きちんと考えておきたいお金の管理法
預金を集約させるとはいえ、現在の銀行預金金利相場は普通預金が0.001%、定期預金でも0.01%です。
仮に預金残高が100万円あるとしても、1年分の預金利息は普通預金で10円、定期預金なら100円です。実際には、付いた利息には20.315%の税金がかかりますから、実際の手取り利息は8割程度。定期預金なら80円足らずというのが実情です。
給与の振込みや公共料金やカード決済の引き落とし等々や、急にお金の引き出しが必要になることもありますから、銀行にある程度のお金を預けておくことは必要です。しかしできれば手数料がかからないだけの必要最低限にとどめ、銀行以外のところにもお金を振り分けておくのがおすすめです。
たとえば、貯金していくなら財形貯蓄にお金を振り分けるようにしたり、旅行積立やデパート積立、積立て投資など目的に合わせて利用するのもいいでしょう。今すぐ必要でないお金は投資するため証券口座に移す方法もあります。
低金利で多くの利息が期待できず、お金がなかなか増えないのは致し方ないところがありますが、手数料が引かれて預けたお金が減ってしまうことのないようにしたいもの。すぐに銀行の手数料体系が変わるということではないですが、この機会に自分のお金の使い方の棚卸しも兼ねて、銀行を利用する頻度や目的などをチェックしてみましょう。 ムダに預けたままになっているお金があれば、自分の貯金目的に合わせ、銀行以外のところも利用しながら上手にお金を増やす管理を目指すようにしてください。
(※本ページに記載されている情報は2019年12月2日時点のものです)