同じ「年収300万円」でも、ひとり暮らしであるか共働きか、会社員か自営業か、などで考えておくべきことが変わってきます。年収300万円とは将来も含めてどういうことかを踏まえ、状況別にどんなことを考えておいたらいいのかを見てみましょう。
おひとり様、賃貸、派遣社員、・・・
【状況別】年収300万円で考えること
2019年11月13日
1.年収300万とはどういうことか
まずは、年収300万円とは、どのような生活状況なのかを見てみましょう。
手取り
給与所得者の場合、社会保険料約42万円、所得税・住民税約12万円で、手取りは240万円ほどになります。
個人事業主の場合は、経費がどれくらいかによって健康保険料や税金も変わってきますので、結構幅がありますが、経費が0円の場合は230万円ほど、経費が100万円の場合は155万円ほどになります。
平均的な貯金額
20代は100万円以下が多く、50代以上になると1,000万円以上という人たちが増えてきます。また、独身よりも二人以上の世帯者の方が貯金額が多い傾向がありますが、貯金額は人それぞれです。
老齢年金
老齢基礎年金額は65歳開始満額で780,100円(2019年)になります。
給与所得者の場合は、これにプラスして老齢厚生年金がありますが、仮に20歳から60歳までずっと年収300万円であったと仮定すると受給額は657,720円になります。
ですから、40年間年収300万円で働き続けた場合は月額12万円ほどの年金が受給できますが、勤務期間がどれくらいかに大きく影響されます。また、個人事業主の場合は老齢基礎年金のみとなります。
2.状況別 考えること
上述を踏まえて、下記のような状況の時、年収300万円の人はどんなことに気をつけたらよいか見てみましょう。
厚生年金vs国民年金
上述でも少し触れましたが、給与所得者の場合は老齢厚生年金があるので、勤続期間を長くしたり、昇給することで年金を増やすことができます。しかし、個人事業主の場合は老齢基礎年金しかありませんので、あらかじめiDeCoやつみたてNISAを活用して貯金を心がける、老後もできるだけ長く仕事を続ける、などの対策が必要です。
正社員vs派遣員
同じ給与所得者であっても、正社員の場合は定年まで働くことができ、その後もシニア採用があるところが多いです。福利厚生面でも各種サービスを安く受けられるなどのメリットがあります。しかし、派遣社員の場合はそれらのメリットはなく、原則として同じ会社に3年までしか勤務することができません。すぐに次の仕事が見つかればいいのですが、場合によっては無収入期間ができる可能性もありますので、これに備えることが必要です。
共働き世帯VSおひとり様
共働き世帯の場合は、パートナーも年収300万円であったとしても、生活費が「一人分×2」よりは割安になるので少し余裕がありますが、おひとり様の場合は生活費の負担が全部かかってきます。自分が病気になれば収入が途絶えますし、何かあっても助けてくれる人がいないことを考えると、将来に備えた貯金の他に、収入を絶やさない工夫や、専門家に助けを求める費用なども準備しておかなければいけません。
持ち家VS賃貸
総務省「家計調査」(2018)によれば、家を持っている高齢者夫婦の毎月の支出額は約265,000円です。共働き世帯で家を持っていれば、老後は年金でかなり賄うことができますが、賃貸暮らしの場合は、共働き世帯であっても賃料が必要になるので年金だけでは厳しくなります。さらに、高齢者向けにはなかなか住居を貸してくれないところもありますので注意が必要です。中古住宅など安い物件の購入、公営住宅、高齢者入居可能な物件について調べるなど、いくつか対策が必要です。
3.年収300万円の人がやるべきこと
では、年収300万円の人は、どんなことをしたらよいでしょうか。
まずはしっかりライフプラン&家計の見直し
まずは今の仕事はどうする、家はどうする、といったライフプランをしっかり立ててみましょう。そこから老後必要なお金、それまでに毎月いくら貯金が必要か、そのために何が切りつめられるか、あるいは年収300万円を脱出する方法はないか、など毎月の行動まで落とし込みましょう。
それに合わせて家計を見直しましょう。年収300万円であっても家計の見直しをすれば貯金は可能です。一人暮らし、子どもがある世帯でも、住居費、食費などをおさえることで、毎月2~3万円は貯金可能です。
行動する工夫
年収300万円で貯金まで行うには、結構やりくりが大変だと思います。特におひとり様や子供がいる家庭の場合は工夫が必要になります。
しかし、必要金額をきちんと計算すればするほど、対策を早めにとればとるほど余裕も生まれてきます。
節約は必要ですが、目標金額をきちんと貯金していれば、余ったお金は使ってもいいことにしておくなど工夫をすると、節約もしんどくなくなります。
その他、自分で行動しやすい工夫を見つけて、ぜひ行動に移してください。
(※本ページに記載されている情報は2019年11月13日時点のものです)