2019年10月より消費増税に伴い、キャッシュレス決済で5%ポイント還元される制度がスタートしました。この制度は、期間限定で9ヶ月間(2019年10月~2020年6月まで)実施されます。新しい制度ですから、「ポイント還元とはどんな仕組み?」「何が対象となる?」「注意した方が良いこと」等、分からない点も多くあるのではないでしょうか。そこでFP(ファイナンシャルプランナー)が「5%ポイント還元」制度について、詳しく解説致します。
知って使って得する!消費増税に伴う
「5%ポイント還元」を賢く利用しよう!
2019年10月14日
ポイント還元とはどんな仕組み?
中小事業者での買い物やサービス利用時に、クレジットカードなど現金以外(キャッシュレス)で支払うと国の支援でポイントが付与される仕組みです。5%のポイント還元の対象になるのは、資本金が5,000万円以下、従業員数50名以下で対象の店舗に指定されていることが条件となります。中小事業者でも大手のフランチャイズチェーン(FC)傘下で対象の店舗に指定されている場合には、2%のポイント還元の対象となります。基本的な見分け方は、事業の加盟店に専用の「CASHLESS」マークが貼ってあるので確認をしてみて下さい。
何が対象になる?
キャッシュレス決済は、主にクレジットカード・デビットカード・電子マネー/プリペイドカード・モバイル決済等を利用して代金を支払うと還元が受けられます。
クレジットカード
お店等での買い物に使うと、その場で現金を支払うことなく商品やサービスを受け取ることが出来、後払いになるカードです。代金請求は一括・分割・ボーナス払い等があります。
デビットカード
お店等での買い物に使うと、その場で現金を支払うことなく商品やサービスを受け取ることが出来、代金が銀行口座から即時に引き落とされます。
電子マネー/プリペイドカード
Suica・楽天Edy等。様々な会社が独自に発行している電子的なお金で、主にスーパー・コンビニ・改札機でタッチしてお金を支払えます。カードタイプの他に、携帯電話やスマートフォンで使用出来るタイプがあります。
モバイル決済(QRコード決済・バーコード決済等)
楽天ペイ・PayPay・LINEPay等。予めスマホにクレジットカード・電子マネー・銀行口座等を登録してチャージしておきます。QRコード決済では、QRコードを読み取ってスマホ上で決済、もしくは画面に表示されたQRコードを読み取ってもらって決済といういずれかの手順で行います。
クレジットカードを選ぶ時の3つのポイント
年会費で選ぶ
年会費とは、クレジットカードを1年保有するためにかかる費用のことです。年会費は無料のものから何十万と高額なものまであります。
クレジットカードを初めてつくる方は、無料で良いと思います。注意が必要なのが、条件付年会費無料のカードがあります。年一回でも利用すれば翌年度は無料等と様々な条件がついているため、必ず確認をした上で申込みをするようにして下さい。
特典・ポイント還元で選ぶ
カード利用金額が多いサイト・店舗、交通機関、コンビニエンスストア等であれば、利用時に特典がつく等、メリットが大きいです。クレジットカードの中には、利用時にポイントが2重3重につくこともあります。例えば、楽天のクレジットカードを利用すると、楽天のクレジットカードのポイントも貯まり、更に利用店舗(薬局等)のポイントもつきます。モバイル決済と併用することで更に特典がつくこともあります。
ブランドで選ぶ
クレジット発行会社のブランド力で選ぶ方法もあります。ステータスや格付けで選ぶ、利用出来る店舗数で選ぶという方法もあります。社会的信用力の高さをアピールしたいという方は比較をしてみても良いかもしれません。
モバイル決済(QRコード決済・バーコード決済等)キャンペーンも!
楽天ペイ
楽天ペイでは、上限1回あたり25,000ポイントで、ポイント還元は利用月の翌々月末日頃となります。また、10月1日から導入全店舗でポイント5%還元キャンペーン(第一弾)を実施することを発表(12月2日9時59分まで)。キャンペーンへのエントリーをすると、対象外の店舗・フランチャイズチェーンなど2%還元対象の店舗でも「楽天ポイント」を合計5%還元されます(差額分は楽天ペイ側で負担)。
上限は期間中3,000ポイントまでとなり、2020年1月31日までの期間限定ポイントとなる。
※キャンペーン期間中は楽天ペイの利用200円につき1ポイントの付与はなし
※今後キャンペーン内容が変わる可能性があります。
※各種条件等、詳しくはHPでご確認下さい。
PayPay
PayPayでは、上限1回あたり25,000円相当で、ポイント還元は利用月の翌々月末日頃となります。
また、対象店でPayPay決済をするとポイント還元に加えPayPayの利用特典も受けることが出来ます。10月1日から11月30日まで実施され、1回当たりのポイント付与額の上限は1,000円相当まで。
合わせて、PayPayボーナス25回に1回の確率で最大100円相当、100回に1回の確率で最大1,000円相当のポイントが当たる等の抽選企画も実施しています。
※今後キャンペーン内容が変わる可能性があります。
※各種条件等、詳しくはHPでご確認下さい。
モバイル決済を始めようと思っていた方は良いタイミングだと思います。賢くお得に利用しましょう!
注意した方が良いこと
還元上限額について
各社対応が分かれています。クレジットカード大手各社は、転売目的での購入など不適切な利用が広がるのを防ぐため、1枚あたり1ヶ月の還元額上限を15,000円にする方針です。また、イオンの電子マネー「WAON」も還元額上限を15,000円にする方針を固めました。
一方で、セブン&アイホールディングスの「nanaco」、JR東日本の「Suica」、楽天グループの「Edy」は、事前に入金額の限度があることなどから、還元額上限を設けない方針を示しました。
キャッシュレスだけに頼らない
通信障害が起こった際に一時的に決済不能となるリスクも考えられます。また、電池切れ・破損・紛失をすることも考え、現金と併用して利用をしていきましょう。
利用有効期限・出金制限について
電子マネー/プリペイドカード、モバイル決済(QRコード決済・バーコード決済等)の中には、利用有効期限・出金制限が設けられていることがあります。利用有効期限は、PayPay・LINEPayは最終利用日から5年間、Suica・PASMOは最終利用日から10年間となっています。出金は不可なケースが多く、LINEPay・メルペイは可能ですが本人確認・手数料がかかる等の制限があります。
制度変更について
始まったばかりの制度であり、今後も各社対応が変更される可能性があります。今後も各社対応を変更する可能性もあるので、随時確認をしていきましょう。
制度内容について
政府広報オンライン「知ってほしい!消費税のこと。暮らしのこと。」では、消費税引上げに伴う対応を纏めています。キャッシュレス決済に対するポイント還元制度以外にも、軽減税率制度・プレミアム付商品券事業・自動車の購入支援・住宅の購入支援等についても解説されています。
www.gov-online.go.jp
いかがでしたか?
今まで現金での支払いが主だった方も、今回の還元策や各社のキャンペーンをきっかけにキャッシュレス決済を一部取り入れることも考えられても良いと思います。
キャッシュレス決済だと、ついつい使い過ぎてしまう心配がある方は、利用上限額を変更する、残高を小まめに確認出来るようにアプリで管理する等、工夫して制度を利用していきましょう!
(※本ページに記載されている情報は2019年10月14日時点のものです)