投資を始めてみたのはいいけれど、まったく稼げず、すぐにやめてしまったという人は多いのではないでしょうか。それは、投資に過度な期待をして、過度にリスクを怖がることが原因かもしれません。そこで、こうした誤解を解くための心得を5つご紹介したいと思います。
投資初心者が知っておきたい
株式投資で稼ぐための心得5つ
2019年10月1日
せっかちは稼げない ~長期投資で稼ぐ~
すぐに結果を出そうとする人、損失が出るとすぐに挽回しようとする人は投資全般に向きません。株式投資の場合、個人投資家がデイトレで稼ぐイメージがあるためか、短期決戦で利益が出せると思いがちですが、一日の値動きで利益を出すためには、最低でも100万円以上の投資資金がないと難しいでしょう。この資金を使って、売ったり買ったりを繰り返すわけですから、心臓がタフでないとできません。損切りができなければゲームオーバーです。
8割の人が損をする
ダイヤモンド・ザイが行った2018年のアンケートでは、株で儲かっている人は22%、損している人78%という結果が出ていました。8割近い人たちが含み損を抱えているというわけです。初心者が小手先の手法を使って利益が出せるほど株式投資は簡単ではないということです。
では、初心者が投資で稼ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。それはズバリ!長期投資をすることです。投資の神様ウォーレン・バフェット氏の長期投資は有名です。彼の投資スタイルは良い銘柄を株価が安い時に買って長期間持ち続けることで利益を出しています。ただし、ここで問題が出てきます。
銘柄選びは初心者には難しい
良い銘柄を選ぶためには、その企業の業績に着目し、さらにそのビジネススタイルが継続的に利益を出せるものかを判断しないと、長期間株を持ち続けることはできません。初心者には難しい判断です。
よく株で儲けた人の話を聞くと、世の中でまだあまり知られていない優良企業を見つけて、株価が割安なうちにたくさん買っておき、数年後株価が暴騰して大儲けできたというケースがあります。これはまさにその人に先見の明があり、運にも左右されている部分があると思いますので、万人ができることではありません。また、投資スタイルも一点集中となりリスクも大きくなります。
卵は一つのカゴに盛るな ~リスク分散の重要性~
先述のバフェット氏は分散投資をしない人でした。しかし彼は、株主への手紙(※)で、プロではない個人投資家がパフォーマンスの良い銘柄を選ぶことは難しいとして、S&P500に連動する低コストのインデックスファンドに投資することを勧めています。
※バークシャー・ハサウェイ社が発行するの2013年「株主への手紙」より
インデックスファンドは初心者におすすめ
インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動して運用されるため、その指数を構成する銘柄群に分散投資をしている形となります。そのため、銘柄選びで失敗することがなく、リスクを低くおさえる効果があるため、初心者におすすめの投資商品です。
分散投資の欠点として、大きく儲けることができないという点がありますが、それをカバーするのが次に紹介する積み立ての力です。
塵も積もれば山となる ~積み立ての効果~
個別銘柄を選んで投資することは、知識や経験が少ない初心者にとっては、少々ハードルが高いと言えます。また、まとまった資金も必要です。
そこでバフェット氏も勧めたように、投資初心者には投資信託がおすすめです。運用はプロにまかせて、少額から始められます。
ドルコスト平均法で積み立てる
投資信託の買い方としては、ドルコスト平均法を使って、積み立てていく方法が効果的です。ドルコスト平均法は、価格変動がある金融商品を一定額ずつ分けて購入する方法です。積立投資信託の場合、毎月一定額を購入し積み立てるので、価格が低い時は多く、高い時は少なく購入でき、結果、平均買付単価を下げることができます。このようにして長期間かけて積み立てていけば、確実に口数が増えていき、ある程度の資産を積み上げることが可能となります。
ただし、注意しなければならない点はコストの面です。ドルコスト平均法は長期運用向きであるため、長期間コストを払い続けなければなりません。そのため、低コストの商品を選ぶことがとても重要となります。
信託報酬が低く、購入時手数料が無料のノーロードのインデックスファンドに限定されているつみたてNISAで運用をすれば、低コストかつ、運用益も非課税となるので、リスクを抑えた堅実な資産運用ができるかもしれません。
投資への興味がなくなっても ~続けるための自動化~
ドルコスト平均法を使って、積立投資をする利点は、長期間かけて利益を出すことでリスクを軽減できることと、日々の値動きを気にする必要がないので、投資の手間を省くことができます。つみたてNISAのような自動で買い付ける仕組みは、一度設定してしまえば、ほったらかしにできます。逆に言えば、ほったらかしにできることで投資スキルは上達しないとも言えます。これは初心者にとって良し悪しで、手間がいらない分、ずっと初心者のままです。上達がないと人は興味を失うものです。本来なら、そのまま投資をやめてしまうでしょう。しかし、買い付けが自動化されていれば、興味をなくしても、10年、20年と続けられます。すっかり忘れた頃、資産が倍になっていた‥なんてことも夢ではないかもしれません。
期待しない、怖がらない ~投資スキルを上げるために~
投資でたくさん稼ごうとするとそれは投資ではなく“投機”となります。当然リスクは大きくなります。現実的な投資とはどんなものでしょうか。
つみたてNISAの活用
つみたてNISAは年間40万円、最長20年間まで非課税で運用できます。つまり最大で元本800万円の積み立てができます。インデックスファンドの平均利回りは年3~7%と言われています。つみたてNISAはリスクの低いファンドで運用されていますから仮に年3%とすると運用収益は294万円となります。20年間で約300万円増えることを大きいと考えるか小さいと考えるかは人それぞれですが、何もせず、銀行に預けていたら700円程度の利息しか付きません。
これはリスクの低い初心者向きの投資と言えるものですが、それでも勝手にこのくらい稼げる可能性があるわけです。
個別株投資でスキルを上げる
これでは物足りないと考える人は、個別株の投資に挑戦してみてもよいでしょう。ただし、その場合、かなり勉強が必要となります。たまたま運よく稼げたとしても、どうして稼げたのがわからない=再現性のない稼ぎ方は、長く続けることはできないからです。
リスクを取ることはよくないと思われがちですが、このくらいのリスクなら容認できるといったリスク許容度を超えなければ、思い切った運用をすることで投資スキルが上がることもあります。実際、私も含み損を抱えながら、試行錯誤した経験によって投資のノウハウを学べたと思っています。含み損があっても、株を売らない限りは配当が入るので結果損はしなかったということもありました。
投資で稼ぐためには、投資に興味を持ち、まずは、怖がらずにやってみることが一番です。投資の楽しさを見つけられたら、投資初心者卒業ですね。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月1日時点のものです)