これから子供が欲しいと考えている女性やご夫婦にとって、妊娠出産は一大イベントです。毎回の検診費用や、自然分娩や帝王切開、また無痛分娩を選択した場合に、具体的にどのくらい費用がかかるのか、さらに、国からはどのくらい補助金が出るのか、大変気になりますよね。今回は、妊娠出産に関わるお金のアレコレについて、詳しくご紹介します。
実際のところ、妊娠出産にはいくらかかる?出産現場からのリアルレポート
2017年1月20日
妊娠発覚!毎回の検診費用はどのくらい?
女性にとって、人生の一大イベントである妊娠出産。妊娠出産は、体だけでなく、精神的にも大きな変化があり、ママになれる嬉しい気持ちの一方で、マタニティブルーになったり不安になることもたくさん。
そんな中、お金の心配を少しでも取り除くために、妊娠出産には、どのくらいの費用がかかるのか事前に知っておくのはとても大切なことです。まずは、毎回の妊婦検診にかかる費用について見ていきましょう。
産婦人科に通う頻度と金額は?
体調の変化や月経の遅れに気がつき、妊婦さんが初めての産婦人科を訪れるのは、大体妊娠4週目から8週目くらい。妊娠期間中、切迫流産や妊娠高血圧症候群などの大きなトラブルがなければ、初回の診察から出産まで、大体15回ほど妊婦検診に通うことになります。
一般的に、風邪や怪我の場合、健康保険を使うと医療費の自己負担は3割となっていますが、妊娠は病気ではないので、妊婦検診に健康保険が適用されません。「検診費用が全額負担?!」とびっくりして「家計のやりくりはどうしよう…」思うひともいるかと思いますが大丈夫。国から、妊婦検診の費用を一部補助してもらえる仕組みがあるんです。
国の制度も活用!
妊娠6週目以降になると、赤ちゃんの心拍を確認することができるので、市役所や区役所等で、母子手帳と、妊婦健診に使用する補助券「妊婦健診受診票(約14回分)」、そして地域によっては「妊婦超音波検査受診票」を交付してもらうことができます。
受診票があるだけで受診金額が大きく変わる!
この「受診票」を産婦人科の定期妊婦検診で提出すると、検診費用の自己負担分を安くすることができるんです。通っている病院や、その日に行う検査内容にもよりますが、「受診票」を提出することで、自己負担金額は無料〜5,000円ほどになります。
つまり、妊娠から出産まで、大きなトラブルがなければ、かかる費用は5万円から10万円くらいだと認識しておくとよいでしょう。
分娩方法で変わる出産費用とは?
約10ヶ月の妊娠期間を乗り越えて、いよいよ出産。現在、日本では、さまざまな分娩方法を選択できるようになりました。
総合病院や個人産婦人科病院での自然分娩に加え、助産院や自宅出産でのより自然に近い出産方法、さらに逆子や緊急時における帝王切開や、出産時の痛みを麻酔で取り除く無痛分娩や和痛分娩などがあります。
どのような出産方法を選択するかによって、出産費用は大きく変わってくるので、事前に確認しておくことが大切ですね。
出産費用、病院によってもこんなに違う!?
例えば、皇室の秋篠宮妃紀子様が長男の悠仁様を出産されたことで有名な、東京都にある「愛育病院」の場合、正常分娩でお母さんが5日~7日、赤ちゃん4日~6日入院(一般室使用)すると分娩費用は69万円。さらに出産の痛みを軽減させる麻酔分娩をする場合は、プラス20万円〜25万円となっています。
また、日本でも大きな総合病院「東京大学病院」の産婦人科の場合、正常分娩だと、諸経費込みで70万円前後です。分娩の日時(平日か休日、昼間か夜間)、入院日数などにより違いがあります。出産の痛みを軽減させる麻酔をした場合、費用は平均で約10万円プラス、最大で 15〜17万円程度プラスとなります。
入院する病室を個室にしたり、出産後にお祝い膳などが出てくる病院にすると、さらに出産費用が高くなることも。出産する病院を選ぶ場合は、家からの近さや病院の設備などに加え、どのくらいお金がかかるかもしっかり確認するようにしましょうね。
国からもらえるお金を有効利用しよう
「出産費用に70万円もかかるの?!」と驚いた方もいるかもしれませんが、こちらの費用についても、国から一部費用を補助してくれる仕組みがあります。それが「出産育児一時金」です。
出産一時金ってなに?
出産されるお母さんが健康保険に加入している場合、赤ちゃん一児につき、42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は39万円)が、出産育児一時金として支給されます。つまり、42万円を超えた出産費用が自己負担額となるわけですね。
場合によっては、分娩費用が安い個人病院や助産院で出産すると、出産費用が42万円以内に収まることもありますよ。 さらに、出産や育児に関するお金について知りたい方は「赤ちゃんを授かったら確認しておきたいお金のコトって?」の記事も参考にしてみて下さいね。
いかがだったでしょうか。妊娠や出産にかかるお金について、理解は深まりましたか。事前にかかるお金が分かっていると、お金のやりくりなどについても事前に考えることができ、家庭のマネープランも立てやすくなりますね。人生の一大イベント「妊娠出産」に備えて、余裕を持って、お金も心もしっかり準備しておくようにしましょう。