準備が必要な教育資金がわかれば、支出と節約のメリハリをつけながら日々の家計管理もしっかりしていきましょう。家計の理想の割合はありますが、どの家庭にも同じお金の使い方が合うとは限らないものです。自分の家族の優先順位に合わせ、我が家の理想の家計の割合を見つけましょう。今回は、教育費、家計管理、老後資金……子育て家庭が抱えるお金の不安をこの一冊でまるっと解決!投資のヒントも満載、実用エッセイ漫画「マンガで読む子育てのお金まるっとBOOK」から抜粋してマンガとともにお伝えします。
【FP伝授】理想の家計の割合
貯金上手は価値基準でメリハリ
2019年9月14日
意外に少なめ?! 家計に占める教育費の割合!
食費に住居費、光熱費……etc.教育費が必要な子育て世帯にとって何にどれぐらいのお金を使っていいのか気になるという人は多いでしょう。
そんなときには理想の家計割合を参考にして、自分の家計と照らし合わせてみるといいでしょう。たとえば、子育て世帯の理想の家計割合で見てみると、食費は家計の約12.5%。仮に手取り月収が30万円なら食費は約4万円、手取り月収が40万円なら約5万円という具合です。
おそらく最も気になる教育費は約10%が理想です。手取り月収が30万円なら約3万円で、40万円なら約4万円ということになります。塾や習いごとなどに通わせないといけないから、高校までの教育費は家計から捻出しないといけないから、兄弟がいるから……etc.教育費はもっとかかると考えている人は多いようですが、「みんなは普通このくらい使っているだろう」というイメージで考え、やみくもにお金をかけていては貯蓄ができないどころか、家計が破綻してしまうことにもなりかねません。
ちなみに貯蓄の割合は17.5%が理想です。手取り月収が30万円なら約5万円、40万円なら約7万円ですから、教育費よりも貯蓄のほうが大きくなります。子どもにお金がかかるから貯蓄できないと、逆に考えていた人はいませんか?
我が家の家計の理想割合を見つける!
理想の家計割合を参考にするのはいいですが、あくまで支出額を判断するための目安として捉えておきましょう。
というのも、理想の家計の割合がどの家庭にも同じように当てはまるとは限らないのです。たとえば、「年収1,000万円の家庭では、子どもを私立の学校に通わせ、休暇は家族で海外旅行、こんな家に住んで、こんな生活をしている……」なんてイメージを持つ人は多いですが、実は年収1,000万円の家庭すべてが同様な暮らしをしているわけではありません。
うまくお金を回せている家庭では、どこかにお金をかければどこかを引き締め、家計にメリハリをつけているものです。貯蓄に加えて食費や住居費、教育費などの家計費目の全体が収入の100%になるように、その家庭ごとの割合を決め実行しているに過ぎません。いわゆる世間のイメージは、いろんな家庭の目立って見える部分のつぎはぎなのです。
それをそのまま真似していると、支出が収入をオーバーしてしまうことは想像できるでしょう。
支出の満足感も考えて
限られた収入の中でメリハリある家計割合を考えるときには「お金をかけることへの満足感」も大切に考えてみましょう。世間がこうしているから、同級生の家ではこうだから、我が家も……というのではお金をかけることへの満足感を感じることはできない場合がほとんどです。
他人と自分の価値観は違って当然。それにもかかわらず、他人基準で家計を組み立てているようでは、永遠にゆとりは生まれず、ずっとお金の不安を持ち続けたままにもなりかねません。それは年収が高くなっても同じだということを理解しておきましょう。
我が家の価値基準で家計にメリハリを
我が家の価値基準で家計割合を決めるためは、「自分の家庭の優先順位」をはっきりさせる方法がおすすめです。
たとえば、「住まい」「食」「教育」「趣味」「美容」「健康」「旅行」等々、他にもさまざまなテーマがありますが、それらの中で自分の家庭の価値基準で優先したい順に並べていく方法です。ある家庭では、「食」と「健康」に重きを置いて、食材は高くても質の良いものを選びたいと考えるかもしれません。別の家庭では、「美容」はこだわらないけど、年に1度は必ず家族で数日間の宿泊旅行に出かけたいから、「旅行費」は多めに割いておくと考えるかもしれません。
優先順位を考えるときには夫婦で相談し合って価値を見える化し、お金をかけるものと、削るものをはっきりさせておくといいでしょう。この優先順位は将来的に変わることもありますから年単位で見直しするのもおすすめです。「保険」で例えると、子どもが小さい間は保険でしっかり備えておくべきと考えていても、子どもが成長するに従い必要な保障額は小さくなっていくのが通常ですから時の経過と共に優先順位が変わっていきますね。
優先順位の下がったものは支出を削り、優先順位のより高いものに割り振る――こういう価値基準のメリハリをつけることが、実は貯金上手になるための方法です。
のり子先生の決めセリフ
「優先度が低い支出を削ればムダはなくなる」
今回のお話は、「マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK」でより詳しく説明しています。ぜひ、お読みくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年9月14日時点のものです)