貯金額1000万円を目指して頑張っているあなた、すでに1000万円以上貯金があるというあなた、【ペイオフ】という制度を知っていますか?【ペイオフ】とは、金融機関が、お金を預かっているお客さまに対し、一定額を保証する制度のことです。一定額っていくらなの?一定額を超えた場合はどうなるの?今からできる対策はあるの?【ペイオフ】制度について詳しくご説明していきます。
【ペイオフ】って何?
1000万円を貯めたいあなたに知ってて欲しいコト
2019年9月15日
【ペイオフ】って何?
【ペイオフ】は、預金者の預金額を一定額、金融機関が保証してくれる制度になります。
対象
金融機関が破綻してしまっても、私達が預けていた預金は保証してもらえるのですが、どんな金融機関の預金でも対象になるわけでなく、預金している金融機関が預金保険機構の実施している預金保険制度に加入している必要があります。ちなみに、保険制度と聞くと、私達の預金のお金が保険料の支払いに使われているのではないのかと心配になる人もいるかもしれませんが、金融機関が預金保険機構と保険契約を結ぶため、私たちが保険料の負担をすることは一切なく、手続きも必要ないので大丈夫です。
上限額
“一定額の預金を保証してくれる制度”の“一定額”の範囲はどの程度なのでしょうか。一定額の範囲は、「元本1,000万円+破綻日までの利息」と定められています。仮に金融機関が破綻してしまったとしても、口座の「元本1,000万円+破綻日までの利息」は守られるわけです。
では保証されなかった預金はどうなってしまうのか、こちらも疑問ですよね。保証されない預金がどの程度返ってくるかどうかは、破綻後の金融機関の財政状況によって、変わります。全て支払ってもらえることもゼロではありません。しかし、破綻後の金融機関に財源の余裕があるとは考えづらいため、上限以上の預金については全額カットされ、手元に戻ってこないこともありえます。
トピック
1971年 ペイオフ制度がスタート
1996年 バブル崩壊。ペイオフ制度を政府が一時凍結。この期間に、破綻した金融機関の預金は、特別措置として政府が全額保護
2005年 バブル景気が落ち着き、ペイオフ制度の凍結が解除(「ペイオフ解禁」とも)
2010年 日本振興銀行破綻。日本で初めてペイオフが発動。1,000万円以上の預金者に、預金額の約6割だけ返金。
【ペイオフ】の注意点
この先あなたが【ペイオフ】に関わることがないとは言い切れません。万が一に備えて、注意点を押さえておきましょう。
預金額が1,000万円を超えたら?
前項で書きましたが、ペイオフ制度は「元本1,000万円+破綻日までの利息」が上限として設定されています。上限までの金額は、預金保険機構によって保護されているので、金融機関が仮に破綻したとしても、預金は確実に守られているわけです。例えば、あなたの預金額が1,000万円を超えていないのであれば、もちろん大丈夫です。しかし、預金額が1,000万円を超えしまっていたら、お金を預けている金融機関の財務状況を調べ、安全かどうかを知っておくことが必要になってきます。
1預金者1口座って?
ペイオフの対象にも「1預金者につき1口座」という設定がされています。例えば、一つの金融機関に、二つ以上の口座(普通預金と定期預金など)があった場合でも、口座を合わせた預金合計が1,000万円以下であれば、口座全てが保証の範囲に入ります。ところが預金が、普通預金の口座に1,000万円以上・定期預金の口座に1,000万円以上となると、ペイオフの制度では、どちらか一方の口座しか保証の対象になりません。
対象外もある?
はじめに1人1,000万円の保証対象になるためには、金融機関が預金保険制度に加入していることが必要であることを説明しましたね。日本国内の銀行であれば、原則預金保険制度に加入することが義務になっていますが、以下の例外もあります。
例えば、
・日本籍だけど海外支店しかない銀行
・日本に支店はあるけど外国籍の銀行
・政府系金融機関 など。
また、預金の種類でも、
・外貨建ての金融商品である外貨預金
・譲渡性預金 ・無記名預金
・他人名義の預金
・金融債
・デリバティブによる標準的な金利を超えた利息部分
などは対象から外れます。
【ペイオフ】対策をしておこう
私たち預金者が銀行に「預けたお金」は、銀行にとっては「預金債券」となり「借金」と表現できます。私たち預金者は銀行に「お金を貸している」と考えるとわかりやすいですね。となれば、こちらから貸しているお金を守るためにも、【ペイオフ】への対処法を理解しておくことが重要になることがお分かりいただけると思います。
ペイオフへの対処法は主に以下の3つになります。
・預金の分散
・決済用預金の活用
・ゆうちょ銀行を利用
分散
現在すでに1,000万円を超えるの預金がある人や、今後1,000万円以上を目指してお金を貯めたいと思っている人は、二か所以上の銀行にお金を分けることを考えましょう。例えば、1つの銀行だけに2,000万円を預金してしまうと、銀行が破綻してしまったら、保証されるのは1,000万円だけ、残りの1,000万円を失ってしまいます。ですが、銀行Aに1,000万円・銀行Bに1,000万円を預金していた場合は、片方が仮に破綻しても1,000万円まるまる保証されるので、2,000万円全ての預金が無事に手元に残ります。
決済用預金
決済用預金を使うのも対処法になります。決済用の預金とは、①利息がつかない ②いつでも払戻しが可能 ③決済サービスに利用することができる ④預金の全額が保護の対象 という特徴を持った預金です。一か所の銀行で1,000万円を超える預金がしたいときに、1,000万円を超えた段階で、普通預金や定期預金から、決済用預金に変更しておくのがおススメです。手続きは銀行など金融機関の窓口で簡単に行えます。預金が上限を超えそうになったときには、相談してみましょう。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行を使うのも有効な対処法です。ゆうちょ銀行は、預金者自身が預金の上限額を設定することが可能です。金額が設定以上になると、なにもしなくても振替口座に振り分けが行われます。振替口座には利息がつきませんので、ペイオフの対象ではなくなり、預金額の全てが守られます。上限額を「1,000万円」に設定していれば、ほったらかしでも全ての預金を守ることができ、手間がかかりません。預金を一か所の銀行だけで管理しておきたい人にはおススメの対処法です。
ペイオフ制度について詳しく解説していきましたがいかがだったでしょうか?あなたの大切なお金を守るためにも、知って対策をしておきましょうね。
(※本ページに記載されている情報は2019年9月15日時点のものです)