生涯収入に差が生まれるから育児と仕事は両立したいけれど、正直身体は限界。みんなはどうやって仕事と育児を両立させているのかな?育児をしながら仕事をする大変さは社会全体が理解し協力姿勢を示さないといけませんが、まだまだ当事者になってみないと分からないところは多いですよね。ファイナンシャルプランナーである前に育児と仕事を両立する大変さを経験した1人の母親として伝えたいことがあります。
育児と仕事の両立が無理!
うまく両立させるコツはあるの?
2019年8月22日
仕事を続けた場合生涯収入はいくらになるの?
(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より筆者作成)
上記図は厚生労働省の賃金構造基本統計調査の結果を元に作成した年代別の女性の平均年収です。上記図を元に計算した生涯収入は正社員・正職員の場合およそ1億3,000万円となり、正社員・正職員以外の場合はおよそ9,300万円となります。
仕事と育児の両立で毎日が大変ではありますが、こうした生涯収入としておおよその金額を知ると子どもの教育資金や老後資金の大きな助けになることは十分理解していただけるのではないでしょうか。
年金額にも差が出る
正社員ではなくても派遣やパート勤務でも厚生年金に加入していれば、その加入期間によって厚生年金が国民年金に加算され受け取ることができます。国民年金の受給額は全額納付の場合でおよそ77万円。この金額に厚生年金が加算されることになります。
厚生年金は加入期間中の平均給与(ボーナス含)や加入期間によってもらえる金額は個々に異なります。参考程度に平均給与10万円の会社に10年間勤めたとしておよそ7万円が加算されることになります。年間7万円です。老後の助けになることは間違いありません。
どんな事情でも身体が1番
育児と仕事を両立しないと生涯収入に差が出る。これから子どもにお金がかかるからどれだけ大変でも育児と仕事を両立しないといけない。仕事を抱えながら育児をしている女性が増えてきた現代社会、本当に仕事が大好きで仕事をしている人もいれば、このようなお金の事情で仕事をしている人も多いのではないでしょうか。
しかしどんな事情でも自分の身体を1番に考えることがもっとも大切な選択になると筆者は考えます。その理由の1つに1人の人間を育てる子育ては体力、気力、知力ともどんな仕事にも勝る大仕事だからです。
一時的な社会からの離脱は損だとは思わないで
育児と仕事を両立させるため夫婦で協力し合ったり、時短勤務を活用したり工夫をしながら毎日過ごされていると思います。これらでうまく両立できていれば問題ないのですが、現実はまだまだ家庭では女性の負担が多く、時短勤務もうまく活用できない女性も多いのではないでしょうか。
日本人女性は責任感の強い女性が多く、与えられた仕事を我慢強く続けることができます。しかしその責任感の強さからうまく仕事と子育てが両立できないのは自分のせいと考えてしまいがちです。
本来であれば容量オーバーであるはずが自分の力不足と捉えてしまい頑張りすぎて身体を壊す結果にもなり兼ねません。身体の病気やうつ病などを発症してしまうとそれこそ元の身体に戻るまで時間もかかりますし、家族にも迷惑がかかってしまいます。
自分の心の状態や体力の限界は自分が1番よく分かっていると思います。限界の1歩手前で1度立ち止まり働き方を見直すことも大切です。
仕事と育児を両立させるコツ
仕事と育児を両立させ生涯収入を増やすコツとして、まず第1に自分の身体を優先することは前述した通りです。身体が疲れきっていては育児にも仕事にも影響があらわれることは言うまでもありません。しっかりと身体が整った上で仕事をしながら育児と両立させるコツをお伝えします。
家事の負担を減らす
夫婦共働きの家庭で仕事と育児を両立させるコツでもっとも多い答えは家事の負担を減らすことです。ロボット掃除機を活用したり、洗濯乾燥機を使ったり、時短家電を利用する方法が多くあげられます。
食事も手作りにこだわらず宅配を利用したり、勤務時間後にはスーパーの値引き時間になるためお惣菜を購入したりする家庭も多くあります。食費は仕事をしていないご家庭よりも増える傾向が高いですが、必要な出費と捉えて健康維持と子どもとの時間や自分の睡眠時間確保にあててください。
頑張りすぎない
仕事も育児も頑張りすぎると必ずどこかで限界がきてしまいます。うまく両立されられている人は必ずどこかで手抜きをしています。手抜きは決して悪いことではありません。家族と何を優先事項にするのかよく話し合って、手抜きできるところはしないと決め頑張りすぎないようにしましょう。
未来予想図を描いてみる
ファイナンシャルプランナーの仕事にライフプランニングというものがあります。10年、20年単位のライフプランを現在の年収や支出とともに明記するといったものです。家を買うのか賃貸か、子どもの進学はどうするか、車はいつ買い替えるか、海外旅行に行けるかなど家庭生活を営むとなると何かと支出は必要です。
これらの支出は家族の夢でもあります。その夢を実現するために今の収入からどれくらい叶えることができるのか、叶えるためにどうすれば良いのかと考えることで働くモチベーションの増加につながります。
仕事と育児を両立させることはとても大変な毎日ですが、生涯収入に大きく差が出ることはお分かりいただけたと思います。しかしながら、身体を優先させるために一時的に社会から離れることは何ら問題ありません。多様な働き方がある現代ですので、健康を1番に仕事と育児を両立できる働き方を考えて行きたいですね。
(※本ページに記載されている情報は2019年8月22日時点のものです)