はじめて妊婦になった方は、これから先のことが心配だと思います。出産のこと、育児のこと、保育園のこと、教育費のこと…。いやいやその前に、今の仕事をどうする? 妊娠しても仕事を続けるか?そもそも妊娠を機に仕事を辞める?そんな問題は、全ての働く女性が抱えるものだと思います。
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妊娠後の仕事やめる?やめない?
2016年3月20日
出産後、仕事復帰する人の割合は思ってるよりも低い
妊娠を機に仕事を辞めるかどうか。この問題はひとりきりではなかなか解決することができないものですよね。まわりの人はどんな決断をしたかというのは非常に気になるところです。 まずは、下のデータをご覧ください。
こちらは結婚後に継続して就業した人の割合を示したグラフです。
第14回出生動向基本調査/国立社会保障・人口問題研究所 データを取った対象年度が2005〜2009年度ですが、やはり現代では結婚後に寿退社で過程に入る方の割合は全体の26%と少数派のようです。 しかし出産になると、大きく異なります。以下のデータをご覧ください。
第14回出生動向基本調査/国立社会保障・人口問題研究所(2005~2009)
出産後に退職する割合は43.9%と、結婚退職する割合(25.6%)に比べて、倍以上になってしまいました。
これは、働くママへの支援が企業・自治体ともにまだ完璧とはいえず、子育てしながら仕事をするという事を断念してしまうママ達も多いということをあらわしているのではないでしょうか。
本当の出産後の職場復帰率は38%
厚生労働省のデータでは、女性の育児休業取得率は83.0%(平成25年度)(※派遣契約社員は69.8%)と発表されています。 しかし、その割合の中に上記の「出産を機に退職する人」のことは含まれていないんです。
つまり、出産する女性の中には育児休業を申請せずに職場復帰する女性もいますので、育休取得率とは「出産後も職場に在籍している女性のうち、どれくらいが育休を取るか」というデータになります。
なので、本当の出産後の職場復帰率というのは上記のデータの出産前に仕事をしていた「出産後退職」と「就業継続(育休あり)」と「就業継続(育休なし)」を足し合わせて、そのうちの「就業継続(育休有無含む)」の割合となります。上記を例にし、計算すると38.0%になります。
出産後、仕事をやめる理由のベスト3は?
育休をとって就業継続することを国や自治体は推奨しますが、働き方や待遇によって、それが許される環境に恵まれない結果、仕事をやめる人も大勢います。 以下のデータは、妊娠・出産前後に退職した理由のベスト3です。
データが示すのは…
1、家事育児に専念するため自発的にやめた 39.0%
2、仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた26.1%
3、退職勧奨された9.0%
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 「両立支援に関わる諸問題に関する総合的調査研究」(平成20年)より
仕事を続けたかった方も大勢いますが、職場や家族からの支援が期待出来ない場合は、辞めるという選択肢が現実的になるようです。できれば、キャリアが途切れてしまうのはもったいないこと。できれば仕事を続けることをおすすめしたいですが、こればかりは、ご家族とよく相談して決めることが一番のようです。
キャリアについてもっと深く考えたいという人は「お金とキャリアから考える産みどき私の出産適齢期は?」もチェックすることをおススメします。
しかし、仕事を辞めるということは悪い事ばかりではありません。妊娠出産を機に仕事を辞め、出産後、猛勉強して資格をとって、子どもが大きくなった後に再就職するという頑張り屋のママもいます。
何の勉強をするのがいい?
妊娠を機に仕事を辞めた場合、出産を機に沢山の新米ママはさまざまな勉強にチャレンジしているようです。 勉強をする内容もタイプによって異なることが伺えます。
■難関資格を勉強して専門性のある仕事に着くことをめざすママ
→ 【医療事務・調剤薬局事務】
■趣味や興味を活かして仕事ができることをめざすママ
→ 【Webデザイナー・ネイルアーティスト・エステティシャン】
■職業に必要な基礎知識を身につけて、時短でも仕事ができることをめざすママ
→ 【簿記・会計・ファイナンシャルプランナー】
国の制度を上手に利用してみるのも手
資格を取るにあたり、知っておきたい制度があります。それは教育訓練給付制度。「教育訓練給付制度」とは、在職者や離職者が職業能力アップのために厚生労働大臣指定の教育訓練講座を自己負担で受講したときに、入学料や受講料の一部についてハローワークから給付金の支給を受けられるという制度です。
幅広い講座が支給対象となっているので、一度確認してみてはいかがでしょう。
教育訓練給付制度のほかにも資格を取るためのお金の補助を受けることができる制度があります。「キャリアアップに!未来の自分に!働き女子必見!知っておきたい貰えるお金」で紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね。
やりたいことを試すチャンス!
その他、さまざまなママをみてみると出産・育児の合間に投資について勉強するママも結構いることがわかります。
「 塾、習い事、おけいこ…子どもの教育費はいくらかかる?」でもまとめているのですが、子供の教育費というのは進路によって大きく変わっていくもの。
仕事をすることで安定的な収入を得ることはもちろん、お金に「働いてもらう」ことで、教育費の準備もぐんと楽になっていきます。
「親になる」という新たなステップを機に、いままでチャレンジしたことがなかった分野に挑んでみるということもとても素敵なこと。出産後自分がどのようなライフスタイルを過ごしていきたいか、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか?