みなさんは国民年金と厚生年金の違いをしっかり説明できるでしょうか?「どちらの年金の方がもらえる金額が多いのかな?」「厚生年金って、私でももらえるのかな?」年金制度は少し複雑で、混乱しやすい制度です。それぞれの保険料の計算方法も含めて、もう一度きちんと整理してみましょう。
計算方法も徹底解説!
国民年金と厚生年金の違いってなに?
2016年12月15日
「国民年金」ってどういう制度?
みなさんは、自分がどの年金制度に加入しているかご存知でしょうか。日本の年金制度には、大きく3つの種類あり、日本国内に住所のある全ての人は、何らかの年金制度に加入することが義務づけられています。
日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金が「国民年金(基礎年金)」です。
そして、会社に勤務するサラリーマンなどが加入するのが「厚生年金」、さらに、公務員や学校教職員の方が加入するのが「共済年金」となっています。
厚生年金と共済年金は、国民年金(基礎年金)にくわえて加入する年金で、上乗せ年金や2階建て年金などと呼ばれています。
自分はどの保険料を納めてるのか知りたい!
自分がどの年金制度に加入しており、どのように保険料を納めているのかというのは、年金制度の「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」のどの制度に該当しているかを確認すれば分かりますよ。
第1号被保険者
まず、第1号被保険者とは、農業等に従事する人や、学生、フリーター、無職の人などが対象です。納付書による納付や口座振替など、自分で保険料を納める必要があり、納められないときは、免除や納付猶予の仕組みがあります。
第2号被保険者
次に、第2号被保険者ですが、これは「厚生年金保険」の適用を受けている事業所に勤務している人、つまり主にサラリーマンの方が加入するものです。国民年金保険料は、厚生年金保険料に含まれますので、厚生年金をかけている人は、自動的に国民年金にも加入し、保険料が給与から天引きされています。
第3号被保険者
最後に、第3号被保険者ですが、これは、サラリーマンの妻で専業主婦の方など、第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人をいいます。ただし、年間収入が130万円以上で健康保険の扶養となれない人は第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。第3号被保険者の国民年金保険料は、配偶者が加入する年金制度が一括負担しています。
複雑な年金制度ですが、年金は私たちの将来の生活を支える大切な仕組みです。年金制度のメリットについて知りたい方は、「未来の安心に繋がる年金のメリットって一体なに?」を参考にしてみてくださいね。
国民年金の計算方法は?
それでは、実際どのくらいの国民年金(基礎年金)保険料を納めているか確認してみましょう。
毎年度の国民年金保険料額は、物価や賃金の伸びに合わせて微妙に調整されています。保険料額の算出方法は「平成16年度改正で決められた保険料額×保険料改定率(前年度保険料改定率×名目賃金変動率)」となっており、平成29 年度の保険料は、毎月16,490円となっています。 さらに、将来の年金保険料を知りたい方は、日本年金機構のホームページを確認してみてくださいね。
厚生年金って?
次に、厚生年金について詳しく見ていきましょう。 先にご説明したとおり、厚生年金保険に加入している人は、国民年金に加入する「第2号被保険者」に分類され、国民年金の給付である「基礎年金」に加えて、「厚生年金」を受けることとなります。
国民年金の基礎年金にのみ加入している「第1号被保険者」に比べ、厚生年金に加入している「第2号被保険者」は、毎月納付する保険料額は高くなりますが、その分将来より多くの年金が受け取れるという特徴があります。
また、保険料は勤務している会社(事業主)と本人が半分ずつ負担します。では、具体的に、納付する厚生年金保険料について見ていきましょう。
厚生年金の計算方法は?
厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算されます。
具体的な算出方法は、毎月の保険料額については、「標準報酬月額×保険料率」となっており、賞与の保険料額については「標準賞与額×保険料率」となっています。
つまり、お給与やボーナスが多い人ほど、保険料が高くなる仕組みですね。 保険料率は、平成17年9月以降は毎年9月に引き上げられ、平成29年9月からは固定されます。
自分の給与と照らし合わせて、どのくらいの厚生年金を納めているのかを知りたい方は、こちらのサイトを参考にしてみてくださいね。
いかがだったでしょうか。国民年金や厚生年金について、詳しく理解できましたか?年金の保険料を毎月なんとなく納めている方も多いと思いますが、自分がどの年金制度に加入しており、どのくらい保険料を納付しているのかを知ることで、老後のマネープランへの意識も大きく変わるはず。
これを機に、将来の自分たちの生活を支える年金制度やその仕組みをしっかり理解しておきましょうね。