夫婦で共働きをしながらの子育ては大変です。これから訪れる日々の忙しさが心配になっているパパ・ママ予備軍もいることでしょう。
会社に育児休業制度が整備されていたら、使えるものをできるだけ活用し、長い子育て生活をのりきりたいと思うのは自然なこと。
育休には、パパ・ママ育休プラスという特例の制度もあります。
仕事と家庭の両立に役立つパパ・ママ育休プラスの概要とメリット、デメリットについて簡単にご紹介します。
パパ・ママ育休プラスで育休期間が延長される?
気になるメリットとデメリット
2019年7月2日
パパ・ママ育休プラスってどんな制度?
条件に当てはまれば育休期間が延長されます
パパ・ママ育休プラスという呼び名から、育休に何かプラスがありそうというイメージは伝わりますよね。パパ・ママ育休プラスのイメージをわかりやすくまとめると、下記のようになります。
・パパとママの両方が育休を取ると育休期間を延長(1歳→1歳2カ月)できる
・パパとママ、それぞれ一人当たりの期間は1年間
・条件に当てはまるケースのみ適用可
パパだけが育休を取っても、ママだけが取ってもパパ・ママ育休プラスの特例は使えません。パパかママの片方だけに偏らせるのではなく、両親で育休を活用して子育てしようよ!という特例なのです。パパとママが協力して育児に向き合うスタイルを後押ししてくれる点がパパ・ママ育休プラスの大きなメリットです。
育児の大変さはそれぞれ
育休制度では、パパ、ママの同時取得が認められています。2人とも育児休業給付を受けられるため、通常通りに勤務しているときに比べれば一時的に収入はダウンするものの、人生で限られた回数しか訪れない育児期間に子供としっかりかかわれる貴重な時間を得られるのです。
育児については、子供を抱っこして優雅にお昼寝という楽そうなイメージを持たれることもありますが、よく眠ってくれる子供もいれば、よく泣く子供もいるものです。夜泣きをする子供もいれば、しない子供もいます。著者も夜泣きでつらい思いをしたママの一人で、同時期に生まれたお隣の子供が夜泣きをしないタイプで大変うらやましく思ったものでした。
また、子供が好きなママもいれば、そんなに得意ではないと感じているママもいて、育児の大変さの感じ方は人によります。体力はもちろん、育児に向き合う気持ちのパワーにも違いがあるものですよね。どの程度、夫に手伝ってほしいかという希望も人によって違うでしょう。そのような問題を夫婦でおだやかに話し合い、育休制度活用の検討につなげられるといいですね。
育児休業給付には課税されない
パパ・ママ育休プラスの特例を使うと、育児休業期間が1歳2カ月までになります。このときにパパやママがもらえる育児休業給付の金額目安は下記のとおり。
【育児休業給付の金額目安】
・育児休業開始から半年まで:休業開始時の賃金の約67%
・育児休業開始から半年を過ぎた後:休業開始時の賃金の約50%
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html)
育児休業給付は課税対象ではないため、育休前の給与のように所得税などがかかることはありません。そのため、手取りで考えた場合に上記数字よりもプラスとなるイメージで考えてOKです。
気をつけておきたい条件について
誕生日までに育休を開始しなければならない
パパ・ママ育休プラスを利用したいときには、気をつけておきたい注意点があります。
まず、子供が1歳2カ月になるまで育休期間を延長できますが、育休取得の開始日は子供の1歳の誕生日前でないといけません。例えばママが子供の誕生日の当日まで育休を利用していて、パパが子供の誕生日の翌日から利用というケースではNGということ。
育児のシーンでは自分だけのペースで進められないジレンマと向き合う必要性に迫られがちですが、育休期間の調整においても同じ問題を抱える可能性があります。仕事の進捗と子供が生まれるタイミングが必ずしも合うとは限りませんよね。
プラスを利用できるのは育休開始が後のほう
パパ・ママ育休プラスの次の条件として少々わかりづらい注意点もあります。夫婦の育休開始のタイミングの関係によって、利用できる配偶者とできない配偶者が生じます。パパ・ママ育休プラスを利用できるのは、育休開始日が遅いほうの配偶者と定められています。
なお、ママは1度しか育休を取れないのですが、パパには「パパ休暇」という特例があり、育休を2回取れます。パパを育児に参加しやすくするための、パパ・ママ育休プラス以外の特例によるものです。
・ママが産休の後に育休を取得し、ママの育休開始日より遅いタイミングでパパも育休取得
→パパがパパ・ママ育休プラスの対象となる
・ママの産休中にパパが育休を取り、その後、職場復帰し、ママの育休開始日より遅いタイミングでパパが2度目の育休を取得
→パパの1度目の育休開始日より遅いタイミングでママが育休を取得し、ママの育休開始日より遅いタイミングでパパが2度目の育休を取得しているため、パパ、ママともにパパ・ママ育休プラスの対象となる
お互いの仕事の事情で育休のタイミングを夫婦間でうまく調整できないと、せっかくの特例制度を気持ちよく活かせなくなります。このようなパパ・ママ育休プラスのデメリットに対処するために、気持ちの余裕を持って話し合える夫婦の雰囲気を大事にできるといいですね。
育休を取るかどうかには会社側の雰囲気などの問題も絡み、夫婦の希望だけでうまくいくとは限りません。しかし、子供を授かることも、パパ・ママ育休プラスのような特例のあるタイミングに恵まれるのも幸運な出来事であることには間違いないはず。可能な範囲での制度活用を検討し、家族にとってのベストな形について夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。
(※本ページに記載されている情報は2019年7月2日時点のものです)