夏休みの予定はもう決まっていますか?「GWでお金を使ったから、夏は節約気味にしたい。でも、やっぱりどこかへ出かけたい」そんな女ゴコロの強い味方となるのが格安航空。まだ利用したことがない人はこの夏に試してみるのもいいですね。 しかし、注意しておかないと「こんなはずじゃなかった……」ということにもなりかねません。そこで、格安航空券を利用するときの注意点を説明します。
格安航空券は本当にお得?!
予約前に知っておくべきことは?
2019年6月29日
今さら聞けない「格安航空券(LCC)」とは?
「格安航空券」とか「LCC」という言葉を聞くようになって久しいですが、ただ安いというだけで、内容を分かっていないというあなた。まずは格安航空(LCC)について理解しておきましょう。
LCCに関する定義はないものの、国土交通省が公表している「LCCの事業展開の促進(2017年3月)」のなかで、LCCについての説明があります。それによると、
- ・LCCとはLow Cost Carrierの頭文字を取った略称
- ・低コストかつ高頻度の運航を行うことで、低運賃の航空サービスを実現する新たなビジネスモデルを採用した航空会社のこと
格安航空会社各社は「運航コスト」と「販売コスト」を低減するために、次のようなビジネスモデルを採用しているとのことです。
- ・短距離を飛ぶ直行便の航空路線を主体とする運航形態に特化
- ・一般的に頻繁に利用されている空港ではなく、その周辺空港を拠点空港とする
- ・空港滞在時間を短縮し航空機材回転率を向上させる
- ・空港ターミナルフロアから直接搭乗できるボーディングブリッジ(旅客搭乗橋)を使用しない
- ・利用者が航空券を販売代理店や旅行代理店を通すことなくインターネット等で直接購入することにより、その販売コストを低減
そもそも航空券の値段は時期によっても変動するものとはいえ、たとえば「東京―新千歳5,000円~」なんて宣伝を見かけることがあります。このような安い価格を提供できるのは、たとえば飛行機への搭乗や降機の際はボーディングブリッジを使わず、利用客に階段で上り下りして空港フロアまで移動してもらうといった細かなコストカットをしているからなんですね。
LCCで旅する人はどのくらい?
日本では2014年にLCCが事業参入。LCCには国内線も国際線もありますが、どちらもLCCを利用する人は年々増えている様子です。
国土交通省の資料「我が国のLCC旅客数の推移」によると、2012年の参入当時のLCC旅客数シェアは国内線が2.1%だったのが2017年には9.8%と約5倍、国際線では2012年が5.2%だったのが2017年では21.7%と4倍以上に増えています。
格安航空と普通の航空会社はどこが違う?
格安航空会社の参入に伴って、それまで運航していた航空会社はFSA(Full Service Airline)や FSC(Full Service Carrier)と呼ばれるようになりました。
つまり、従来の航空会社は「フルサービス」、格安航空会社は「フルではないサービス」というような違いが想像できそうです。
LCCがさまざまなコスト削減をしていることは前述しましたが、その他のサービス面でも違いがあるようです。
たとえば次のようなものがあります。
受託手荷物料金
最近ではFSAでも受託手荷物の有無で航空料金に差を付けるところもありますが、一般的にFSAでは20キロまで、2個までというように航空会社ごとに定めている制限範囲内までなら無料で預けることが可能です。
しかしながら、LCCでは手荷物を預けるときにはお金を払わなくてはいけないのが通常です。航空会社や運航路線によっても異なりますが、荷物1個あたり数千円という場合が多いようです。
なお、LCCの受託手荷物料金は事前に予約しておくと空港カウンターで申し込むときより料金が割安ですので、航空券予約時にサイトなどでしっかり確認し、必要に合わせて予約しておきましょう。
座席指定
FSAでは航空券予約に合わせて無料で座席指定ができますが、LCCは有料です。友達同士や家族での旅行など、複数人で旅行に行く場合、事前に座席指定をしておかないと他の予約状況によっては一緒に座れない場合があるのはFSAもLCCも同様ですが、LCCはお金を払って座席指定している人に対して座席チェンジの申し入れはできません。特に小さな子どもと一緒の旅行の時には有料でも座席指定をすることが必要でしょう。
空港施設利用料
FSAでは空港施設利用料は運賃に含まれていますが、LCCでは別途支払いが必要です。数百円分と金額的には小さめですが、追加料金となることを知っておきましょう。
旅行の時期や行き先、人数、荷物の数などで全体的な金額が変わるため一概には言えませんが、これらの追加料金を支払うことで、最終的にFSAとあまり金額が変わらなかった……というケースも出てくるかもしれません。LCCだからといって、いつも安い訳ではないということは知っておきましょう。
格安航空(LCC)が向いている人、向いていない人
それでも上手く利用ですれば旅費の節約に役立つLCC。旅費を抑えたいという人は、先に説明したような料金の仕組みやメリット・デメリットを知って利用してみるのもいいでしょう。サービスに求めるものや利用するときの状況など、向き・不向きは人それぞれですが、自分がLCCに向いているかどうか迷ったら、まずは次のようなポイントを考えてみましょう。
LCCが向いてる人:
- ・下調べをきちんとでき、自分でネットで手配できる
- ・荷物は機内持込み制限内に抑えられる
- ・時間に余裕があって、手荷物検査や搭乗の開始時間前に並んでおける(行列ができた後やギリギリに行くと座席や荷物棚の空きがなくなる)
- ・機内で食事がなくても我慢できる(機内での飲食料提供は有料)
- ・遅延や欠航などの予定変更があっても対応できる人(同じ機材を繰り返し使うため整備の状況によっては遅延リスクがある)
LCCが向いていない人:
- ・小さな子どもを連れている
- ・荷物が多い、または大きい
- ・時間に余裕がない
- ・予定変更となった場合の対応ができない
実は筆者も小さな子どもを連れてLCCを利用したことがありますが、もう少しお金を払えば良かったと搭乗してから初めて思った経験がある1人です。サービスに求めるものは人それぞれですから、ここで挙げた向き・不向きがすべての人に当てはまるとは限りませんが、単に「格安」とか「ローコスト」という言葉につられずに、予算やあなたが求める旅行スタイルなど、総合的にFSAとLCCを比較し、選ぶようにしてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年6月29日時点のものです)