2018年1月からスタートしたつみたてNISAはご存知ですか?毎月一定額を投資信託(株や債券)につみたて、解約時には得られた分配金や配当金にかかる税金が非課税となる制度です。年間40万円、月にすると毎月33,000円までの資金を最長20年間運用することができます。マイホーム資金、教育資金、老後資金などすぐには必要ではないけれど必ず必要になる資金作りの手助けとなります。
投資初心者のハードルを低く設定して作られた
つみたてNISAの概要をおさらい!
2019年6月20日
金融庁が日本人の財布を成長させるため本気で取り組んだ制度
(出典:金融庁データ「家計金融資産の現状分析」より)
上記図で示した「各国の家計金融資産の推移」は2017年2月に金融庁が発表したデータです。この図によると米国は1995年から2015年までに家計金融資産は3.11倍、英国は2.27倍、日本は1.47倍増加していることが分かります。
なぜ家計金融資産の推移が他国に比べ低いのか?
「各国の家計金融資産の推移」を見ても分かる通り日本の家計金融資産は確かに増加してはいますが、米国や英国に比べると低いことが一目瞭然ですよね。そこでなぜこんなにも差があるのか?と調べたデータが以下の「各国の家計金融資産構成比」です。(出典:金融庁データ「家計金融資産の現状分析」より)
この「各国の家計金融資産構成比」は米国、英国、日本それぞれのお財布の中身を示したグラフとなっています。注目したいのは緑色で示された「現金・預金」の比率と、青い四角で示している間接保有も含む「株式や投資信託の割合」です。
米国の現金・預金保有割合は13.7%、英国は24.4%なのに対し、日本では51.9%、およそ半数を現金や預金で保有しているということになります。
米国や英国が現金・預金以外でどのように金融資産を保有しているかというと、青い四角で囲われた部分、「一部の保険や年金も含む株式や投資信託」を保有していることが分かります。
米国では45.4%、英国では35.7%、一部の保険や年金も含む株式や投資信託として金融資産を保有しているのに対し、日本ではわずか18.8%しか保有していません。
これらの現状を金融庁が調査し、認識したことで現金や預金だけでなく株式や投資信託も活用しながら日本の家計金融資産を増やそうとできた制度がつみたてNISAとなります。
つみたてNISAとは?
では具体的につみたてNISAがどのような制度かをご説明します。つみたてNISAは2018年1月から開始している非課税制度の名称です。20歳以上で日本国内に住む人なら誰でも口座を開設することができ、投資を長期、分散、つみたての観点から毎年40万円までの額を最長20年間、最大で800万円まで運用することができます。
もうけに対する税金が非課税
通常の投資信託では運用することで得られる分配金や売却益(もうけ)に税金が課せられるのですが、つみたてNISAで運用すると、この分配金や売却益(もうけ)に対する税金が非課税となります。
長期、分散投資に適した商品を厳選
数千種類あるといわれている投資信託商品の中から、金融庁が販売手数料ゼロ、信託報酬が一定水準以下など長期運用に適した商品を厳選しています。(2019年5月現在163本)
なぜつみたてNISAが投資初心者の私に合ってるの?
最初に紹介した図「各国の家計金融資産の推移」でも示した通り、日本の金融資産は他国に比べ低い水準となっています。銀行へ預ける金利も低迷し、お給料も思うように上がらない現代、資産を効率的に増やすには「自分で自分の資産を作る時代」が到来しました!
人生においての必要資金を自分で作れる!
人生における3大出費は何かご存知ですか?マイホーム資金、教育資金、老後資金といわれていますよね。これらに必要な資金はそれぞれ数千万円単位というとても大きな金額となります。
これらの資金を準備するにはお給料が高い職に就くか、時間を味方にしてコツコツ準備をしていくかの選択になると思います。この世界は夢を叶えるためにはどうしてもお金が必要です。時間を味方につけ、自分で資産を作れる手段が投資初心者にも向いているつみたてNISAです。
経済の動きや日本が抱える問題にも敏感になれる!
つみたてNISAを利用すると運用成果が気になり始めます。最初は増えている、減っている程度かもしれませんが、そのうちニュースで流れる経済情報と照らし合わせたりすることもあります。日経平均をチェックしてみたり、各国の代表者の行動や発言を気にしたり。経済の仕組みを肌で感じるように勉強できるようになります。
経済と聞くと構えてしまう女性は多いかと思います。しかしながらこの社会は「ヒト・モノ・カネ」で成り立っています。税金を納めて地域や国が活性化し、働き世代ではないこどもたちやお年寄りを守ることができています。
日本は今少子化や超高齢化時代が到来していますよね。働く世代よりも支える方たちが多い時代となっています。必然的に納める税金も高くなってきています。収入を増やすと納める税金が高くなるから損じゃないか。というと決してそうではなく、つみたてNISAは私たち働き世代だけでなく20歳以上の日本国内に住む人なら誰でも口座を開設することができます。退職を迎えられた方も100年時代の人生、引退されてからでも20年かけて資産を作ることができます。
ずっとお給料をもらい続けられる終身雇用、働いていれば毎年お給料が昇級する、そのような会社制度は崩壊しつつあります。「自分で自分の資産を作る時代がきた」金融庁がここまで力をいれる制度の裏側にはこのような日本の現状もあるためです。
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