ゴールデンウィークが終了し、次の連休は7月の海の日までないという人も多いのではないでしょうか。ゴールデンウィーク中の疲れが出やすいのもこの時期、次の連休まで乗り切れる体質作りをしていきましょう!ハーバルセラピストの筆者がこの時期におすすめするメディカルハーブをご紹介します!
【5月病、梅雨、夏バテ】この時期に起こりやすい
体調不良はメディカルハーブにおまかせ!
2019年5月14日
メディカルハーブとは自然療法の1分野
メディカルハーブという言葉はまだ聞き慣れない人が多いかと思いますが、これは人の身体にもともと備わっている自然治癒力を利用し、病気の予防や治療、健康管理を植物(ハーブ)の力を借りて行う代替療法の1分野です。
たとえば風邪をひいた時、近代医学では抗生剤や解熱剤を用いてウイルスと戦いますが、自然療法では身体を温めて汗をかかせるようにします。身体に本来備わっている自然治癒力の力で身体を発熱させ、細菌やウイルスを退治します。暖かいハーブティーは身体を温めることに適し、またハーブに含まれる多様な成分は作用が穏やかでさまざまな身体の不調にバランス良く働きかけてくれます。
ゴールデンウィークが終了し、梅雨が始まったあとは暑い夏が到来しまよね。体力を消耗しやすいこの時期、薬やサプリメントに頼ることなく体調不良を起こさないメディカルハーブをご紹介します!
5月病?梅雨のせい?沈んだ気持ちをリセット!セントジョンズワート
「サンシャインサプリメント」とも呼ばれるセントジョンズワートは、暗く落ち込んだ心に明るさを取り戻すことからこのように呼ばれます。夏至の日(聖ヨハネの日)に収穫をすると最も治癒力が高まるといわれており開花時のみ収穫されます。近年は科学的研究が進んだことから、抑うつに対する効果が確認されており、季節性感情障害や更年期の抑うつにも活用されているハーブです。
セントジョンズワートの作用と適応
セントジョンズワートは抗うつ作用、消炎作用、鎮痛作用があります。そのため軽度~中等度のうつ、月経前症候群、創傷に適応するといわれています。
女性は月経があるためホルモンバランスの変化により、気分に一定のムラが生じることがありますよね。この時のホルモンバランスの変化は女性ホルモンだけではなく、疲労、ストレス、気温、季節など色々なものが影響するため、たとえうつと診断されていなくても、うつに似た症状は女性であれば誰でも経験しているはずです。
何故だか気分が優れない、落ち込みがちな時に1杯飲むと、ほっと気分を明るくしてくれるハーブです。
セントジョンズワートとの併用に注意したい医薬品
厚生労働省はセントジョンズワートと以下の医薬品との併用に注意を促す発表をしています。以下の医薬品を摂取している人は医師に相談の上セントジョンズワートを使用してください。
・インジナビル(抗HIV薬)
・ジゴキシン(強心薬)
・シクロスポリン(免疫抑制薬)
・テオフィリン(気管支拡張薬)
・ワルファリン(血液凝固防止薬)
・経口避妊薬
疲れ目や夏バテ防止にハイビスカス
ハーブティーといえばハイビスカスティーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。さわやかな酸味が特徴的なハイビスカスは、天然のワインレッドの色も鮮やかで世界中の女性に親しまれているハーブです。
ハイビスカスにはクエン酸が含まれており、これらの成分がエネルギーの代謝を促し、肉体疲労の回復を早めてくれます。鉄やカリウムといった女性にとってうれしいミネラルの補給やアントシアニンといった眼精疲労に作用する成分を摂取できるため、疲れ目や夏バテ防止におすすめのハーブティーです。
ハイビスカスの作用と適応
ハイビスカスは代謝促進作用、消化機能亢進作用、緩下作用、利尿作用があります。そのため肉体疲労、眼精疲労、便秘、循環不良に適応するといわれています。
これからクーラーを使用する回数が増えてきますよね。冷えた室内は過ごしやすい反面、身体を冷やしてしまいます。冷えた身体は循環不良を起こしやすいため、暖かいハイビスカスティーで身体の冷えを改善してください。パソコンやスマホで疲れた目にもおすすめです。
ハイビスカスにはビタミンCはそれほど含まれていないため、ローズヒップとブレンドすると酸味も抑えられる他に、ビタミンCをしっかりと取り入れられるため美容効果がアップします。代謝促進の相乗効果を得られるため便秘対策にもなります。
ストレスからの胃炎や月経痛に!ジャーマンカモミール
ジャーマンカモミールは心身をリラックスさせてくれるハーブの代表的な1つです。心身のリラックスとともに消炎作用もあるためストレスからくる胃炎や胃潰瘍の他に、不眠や冷え性、月経痛にもおすすめです。胃の粘膜を保護してくれる牛乳とも相性が良いため、濃いめに抽出したハーブティーに牛乳を入れたミルクティーも人気です。
ジャーマンカモミールの作用と適応
ジャーマンカモミールには消炎作用、鎮静作用、鎮痙作用(筋肉の緊張を和らげる作用)、駆風作用(胃や腸内にたまったガスを排出し、腹部の張りや痛みを和らげる作用)があります。そのため胃炎、胃潰瘍、月経痛、皮膚炎に適応するといわれています。本物のジャーマンカモミールではなく、近緑種(近い関係にある種)ではまれにアレルギーを起こす場合もあります。キク科アレルギーの人は使用に注意してください。
ジャーマンカモミールには消炎作用があるため、日焼けでほてった肌にジャーマンカモミールのお風呂で炎症を鎮めることができます。お鍋にジャーマンカモミールでハーブティーを濃いめにたくさん煮出し、浴槽に溜めたお湯と混ぜて入浴剤として使用することもできます。
作用が穏やかなメディカルハーブは薬のように即効性は期待できませんが、副作用の心配もなく安全に使用できます。疲れやストレスが軽いうちから長く続けて飲むことで、身体が本来持つ自然治癒の力がどんどん発揮されます。