世間では有名人の事件・逮捕が相次いで起こっています。本人が「やってはいけないこと」と自覚してやっているならいざ知らず、うっかりとか、知らないでやってしまって、たくさんのものを失ってしまっては大変です。事件を起こすとお金を含めどれくらいのものを失うのか見ておきましょう。
うっかり「やってはいけない」をやった時どれくらい失うのか
2019年4月17日
1.うっかりやってしまいそうな「やってはいけない」
仕事をしていたり、普段生活をしていて、うっかりやってしまいそうなことには以下のようなものがあります。
個人情報漏えい
対象となるのは、顔認証データなど個人の特徴を表すデータや、人種・信条・病歴など個人の情報ですが、これらをうっかりパソコンに入れたまま持ち出したり、放置して外部に漏れてしまうと、6か月以内の懲役または30万円以下の罰金になります。
著作権
最近は、ネット上でコピペが簡単にできてしまいますが、他人の著作物を無断で利用すると、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金になります。また、サイト上のライターのように著作権が法人などに移動している場合にも、ライター本人には著作物人格権があります。この人格権を侵害すると、5年以下の懲役または500万円以下の罰金になります。
ハラスメント
パワハラ、モラハラ、セクハラなど様々ありますが、例えば後輩に教える時に、指導と称して厳しい言い方、暴言などがあると、侮辱罪、名誉棄損罪が適用される場合があります。
自転車のながら運転
自転車は軽車両という定めで道路交通法の適用を受けます。お酒を飲んで自転車に乗れば、5年以下の懲役または100万円以下の罰金ですし、スマホを見ながら運転すれば、安全運転義務違反となります。
確定申告漏れ
例えば医療費などの控除の申告は任意ですが、会社員であっても副業が20万円を超える場合や、フリーランスの場合は確定申告をしなければいけません。申告をしなかったことに対して無申告加算税が発生し、期限までに税金を払わなかった遅延に対して延滞税が発生します。悪質な場合はさらに重加算税が発生し、懲役・罰金刑が発生することもあります。
滞納
家賃の支払いやレンタル商品の返却が遅れると、遅延損害金を請求されることがあります。刑罰はありませんが、消費者契約法により、損害遅延金は年率14.6%までは認められています。
2.どんなものを失うのか
上記に挙げた例の損害は主に法律上の刑罰として支払わなければいけない金額(あるいは償い)ですが、これ以外にもいろいろと失うものがあります。
仕事
起こした内容によっては解雇、自宅謹慎などの処分になることもあります。収入にも影響が出てきます。仕事を失って次の仕事を見つけようとしても、前科が付いたり、社会的影響が大きかったり、あるいは情報漏えいが原因であれば、なかなか受け入れてくれる企業は見つからないでしょう。
資格
免許や資格が取り消しになることもあります。医者や弁護士のように、「その資格を持っていないと仕事ができない」という資格であれば、即仕事を失ってしまいます。一定期間、資格を取ることが制限されるものもあります。
お金
他人に何らかの損害を与えた場合には、賠償金やお見舞金などが発生します。自転車で死亡事故を起こし、9,000万円以上の賠償金になった事例もあります。
仕事を失えば、収入も失うことになります。
信用
社会的信用もそうですし、知人・友人からの信用も失ってしまいます。お金はまた稼ぐことができますが、一度失った信用はなかなか回復されません。
家族
家族からの信頼も失うと、離別につながることもあります。あるいは、家族が風評被害に遭うことも考えられます。子どもの場合は学校、進学などに影響が出る場合もあります。安全、安心、信用など、家族からは様々なものが奪われます。
時間
事故が起こる前の状態に戻すまでにはお金も信頼も取り戻さなければいけませんが、それまでには相当な時間がかかります。自分が本来歩むべきであった人生が失われてしまいます。
重大事故で逮捕、裁判、懲役などになれば、それにも時間がとられます。
命
死亡事故を起こした場合、被害者の命を奪ってしまいます。あるいは、被害者が相当なダメージを受けた場合も、被害者の本来の人生を奪ってしまいます。
そして、起こした事故が大きければ、その罪の大きさに耐えかねて自らの命を絶つ、あるいは心身衰弱で自分の命を縮めることも考えられます。
このように、意識的に悪いことをするわけではなくても、「やってはいけない」ことをする可能性はあり、しかもそれが大きな事故につながる可能性、そして、そこから多くのものを失う可能性があります。今一度、コンプライアンス事項を見直しておきましょう。