株主の権利って、株主優待を受けたり配当を受けたりすることだけだと思っていませんか?実はそれだけではありません。
せっかく株主になったのだから、しっかり権利を利用したいもの。株主の権利にどのようなものがあるのか確認しましょう。
株主優待だけじゃない!
株主の権利をしっかり利用しよう
2019年2月24日
株主になるということ
株主になるということは、ある会社の出資者の1人になるということです。
会社に出資をした代わりに株式を受け取ります。
そもそも株式会社って?
会社の種類は、合名会社、合資会社、合同会社、株式会社の4種類があります。その中の一つである株式会社は、株式を発行して投資家から資金を調達します。そして調達した資金で事業活動を行います。
株主になるためには、市場に上場している株式であれば、証券会社を通じて購入することができます。
また未上場企業に出資をして、その会社が成長し将来的に上場することを応援することもできます。ただし、未上場株は市場で売却できないため流動性が極めて低いです。そのため、業績が悪化しても売却できず、極めてリスクが大きいということを知っておく必要があります。
株主になったらどうなるの?
先ほど、株主になったら株式を受け取ると言いましたが、現在は株券が発行されず電子化されています。証券会社で株式を購入すると、証券保管振替機構(略称:ほふり)が管理をしてくれて、株主名簿に自動的に名義が登録されます。
株主名簿に記載されることで、株主の権利を主張できるようになります。 ただし、会社が決めた決算日を権利確定日といい、その権利確定日に株主名簿に記載されている必要があります。
株主名簿に名前が記載されるには、株式を購入した日を含めて4営業日目となるため、例えば3月31日が決算日の会社なら、2019年の場合、3月26日までに購入しておく必要があります。
株主の権利には、利益配当請求権、議決権、残余財産分配請求権の3つがあります。今からそれぞれの権利について詳しくみていきましょう。
利益配当請求権
一つ目の権利は「利益配当請求権」です。
株主は、保有している株式数に応じて、利益の分配を受けることができます。
株式投資をしている人にとって、一番馴染みがある権利といえるでしょう。
出資した会社の業績がよければ、利益の一部を株主に還元することができます。株主は利益分配としては配当金を受け取ることができます。また、株主還元の一つとして最近人気が高まっているのが株主優待です。
会社の業績が良いということは、将来的に会社の成長に対する期待が高まり株価の上昇も期待することができます。
逆に、会社の業績が悪くなると今まで受け取っていた配当金が停止されることがあります。また、株価が下落して購入した時の株価を下回ると、株式を売却すると実質的に損失が出ることになります。
株式を購入する時は、将来的に業績がよくなりそうな会社か、自分が応援したい会社かということもしっかり考えて購入するようにしましょう。
議決権
二つ目は「議決権」です。
議決権は、会社の意思決定の最高機関である株主総会に出席し、経営に関する決議に参加することができる権利です。
実はこの議決権が、株主の一番大切な権利です。
というのも、株式会社は会社の重要事項を決定するために株主総会の決議を受ける必要があります。自分が応援している会社の決議に参加できたり、株主総会で議案を提出することができたりするのは、株主にとって大切な権利です。
株主になると、決議内容と保有している株数によって議決権の数が記載された封書が届きます。株主総会に出席できない人は、書面やインターネットを通じて投票することができます。
1単元あたり1票なので、少額の投資家にとっては票数が少なくなりますが、それでも託された権利はしっかり主張したいですね。
残余財産分配請求権
株主の権利三つめは「残余財産分配請求権」です。
会社が解散する場合や倒産した場合に、会社に財産が残っていればその財産を株主が自身の保有株数に応じて受け取ることができます。
会社が倒産した場合は、債務超過になっていることが多くその場合は残余財産がないため、受け取る財産はありません。
万が一出資した会社が倒産し多額の債務があった場合、株主も責任を負うのでしょうか。株主は出資企業が倒産しても出資額までの責任しか負わないという決まりがあります。 つまり、自分が購入した株式の金額以上の責任を負うことはありません。
とは言っても、やはり投資した株式がゼロになるのは避けたいところです。株式投資をする時は、会社の経営状況をしっかり確認した上で「この会社なら応援したい」と思う会社に投資をするようにしましょう。
現在は少額でも株式投資ができる銘柄がたくさんあります。
気軽に投資ができるようになりましたが、投資をする前に株主になるということはどういうことかしっかり理解した上で、上手に投資をしたいですね。