年末年始の買い物で、普段よりも多くのクレジットカード払いをした人も多いはず。その請求が今頃届いて家計がピンチ!というあなた。クレジットカード会社からの「今からでもリボ払いに変更可能」というメッセージに心が揺れていませんか?
忘れてない?
リボ払いのもうひとつの落とし穴!?
2019年2月9日
リボ払いのメリット・デメリットを再確認
「利用する前に確認を!リボ払いのカラクリとは?」の記事でも説明していますが、クレジットカードのリボ払い(リボルビング払い)にはメリットもデメリットもあります。
デメリットとして広く知られているのが「手数料が高い」ことと、「支払いが長期化する」こと。つまり、実際のカード利用金額以上の金額を支払わなくてはならなくなってしまうことです。クレジットカードでの払い方には分割払いもありますが、手数料率はリボ払いのほうが高く設定されているのが一般的です。
なぜリボ払いを利用するの?
それでも、リボ払いにはメリットもあります。
いくらの買い物をしても、月々追加で買い物をしても、毎月の支払額をすべて同じということです。毎月の家計予算を組むうえで、「家賃○円、光熱費△円……」と固定費として定額を割り振るように、「カード支払い●円」と利用額に関わらずに固定費として予算組みをすることで、家計管理がしやすくなると考えられます。
リボ払いだからこそ買い物できる ?!
家計管理のしやすさが裏目に出てしまうことには注意が必要です。
毎月の支払額が同じということは、裏を返せば安心して買い物ができるということにもなり得ます。「今月家計がピンチ!何とかしたい」という時に現金ではなくカードのリボ払いなら買い物できてしまいます。
忘れないで!カード利用可能枠
手数料が高く、総支払額が多くなるデメリットがクローズアップされることの多いリボ払いですが、家計がピンチの時だからこそ「利用可能枠」のことも意識してみましょう。
クレジットカードには利用可能枠が設定されていますよね。カードの種類や保有年数、信用度などによって金額はさまざまですが、スタンダードなカードなら10万円~50万円が一般的でしょう。
前述したようにリボ払いでは「支払いが長期化」し、「返済がなかなか進まない」ため、利用可能金額がだんだん小さくなってしまう可能性もあります。仮に利用可能枠が30万円として、例をみてみましょう。
例1:一回払いの場合
○月△日に10万円分のカード利用。翌月10日に口座から10万円引き落とし。
○月△日から翌月10日までは利用枠は20万円に下がりますが、翌月10日以降のカード利用がなければ利用枠は30万円に戻ります。
例2:リボ払いの場合
○月△日に10万円分のカード利用。翌月10日以降、毎月1万円ずつ口座から引き落とし。
○月△日から翌月10日までは利用枠は20万円に下がります。翌月10日に1万円返金することで、利用枠は21万円(※)に。以降の利用がなければ毎月10日に利用枠が22万円、23万円……と1万円ずつ(※)上がっていきます。
(※)わかりやすくするために、ここではリボ払い手数料を考慮せずに説明していますが、実際は手数料がかかるため、利用枠の戻り金額はより小さくなります。
毎回の返済額が少ないため、利用可能枠がなかなか元に戻らない仕組みがおわかりいただけたでしょうか。
利用枠が戻らないとなぜ困る?
クレジットカードは設定された利用可能枠を超えては使えません。
普段から1回払いやあまり大きな金額の買い物をしない人はこの利用枠をあまり気にすることがないかもしれません。ところが、リボ払いではしっかり意識しておかないと、イザという時にカードが使えなくなる可能性もゼロではありません。
そもそもリボ払いは「ついつい買い物してしまう」という人が多い傾向にあります。
例えば、
4月1日に10万円分のカード利用。翌月10日以降、毎月1万円ずつ口座から引き落とし。
4月1日から翌月10日までは利用枠は20万円に下がります。翌月10日に1万円返金することで、利用枠は21万円(※)に……と、ここまでは上記例2と同じです。
このあと、5月11日に8万円の買い物をし、いま返済中の利用分とあわせてリボ払いをするとしましょう。毎月の返済額は1万円のまま変わらないものとします。
そうすると、5月10日に21万円だった利用可能枠は13万円に減ります。6月10日に1万円返金してもその後の利用可能枠は12万円。そのあとまたカードを使ってしまうと――どんどん利用可能枠が小さくなるのがわかりますね。
キャッシュレスの時代に買い物ができなくなってしまう!?
キャッシュレス化が進行している現在、日常の買い物でもカードで払わないといけない場面やカードで払ったほうがおトクになる場面が増えています。にもかかわらず、利用可能枠がなくなり、足りなくなってカードを使えないという事態になってしまう恐れも。
うまく利用すれば便利でおトクなカードですが、それも使い方次第。自分の家計の許容範囲を超えての利用は好ましくありません。
前述したように、リボ払いには家計管理がしやすいメリットはありますが、自分の許容範囲がわからなくなりやすいのもリボ払いです。そもそも普段から月々の収支をきちんと把握し、その範囲内でお金を使えばリボ払いはしなくていいはず。リボ払いをしなくてはいけない状態におちいらないよう、あらためてお金の使い方を見直すようにしてくださいね。