医療保険に入っていると、いざという時安心。でも、いくら保障を付ければいいのか、どれがいいのかよくわからないし、そもそも保険に入るべきなのかもわからない。そんな方のために、医療保険を考えるとき、どんな点に気をつけて保険を選べばいいのか、お話ししましょう。
医療保険に入るべき?その前にチェックすること4つ
2018年11月27日
そもそも、病気やケガで入院するといくらかかる?
入院費用がどれくらいかかるか調べてみると、平均で22.1万円です。 一番多いのが10~20万円で39.3%、続いて5~10万円の17.5%となっています。お仕事をしている人の場合は、入院によって仕事ができなくなるため逸失利益が発生しますが、それと併せても平均27万円です。(平成28年度 公益財団法人生命保険文化センター「直近の入院時の自己負担費用」)
入院日数については、厚生労働省の患者調査によれば平均約30日です。これは高齢者も含めた全年齢平均で、34歳以下の場合は平均12日となっています。
だいたい、2週間分、30万円程度準備しておけばいいことがわかりました。
医療保険に入らなくても何とかなる?
ではこの自己負担額30万円の負担を、医療保険に入らなくても軽くする方法はないでしょうか。以下のような方法が考えられます。
高額療養費制度
1か月の医療費が限度額以上になった場合、超えた分は払い戻しを受けられる制度です。
収入や年齢によって限度額が算出されますが、例えば1か月の報酬月額が27万円~51万5,000円未満の場合は、80,100円+(医療費-267,000)x 1% の計算式で計算されます。
入院が1か月内で収まった場合は、だいたい10万円見ておけばよいことになります。(月がまたがった場合は、それぞれ月ごとに計算します)
付加給付金
さらに大企業の場合は、独自に1か月の自己負担額を決めていて、その金額を超えた場合は、超えた分を払い戻す制度を持っているところもあります。
例えば、高額療養費制度を利用して約10万円の自己負担であったとしても、企業の取り決め限度額が25,000円である場合、差額の75,000円は払い戻しされます。つまり、どんなに医療費がかかったとしても、自分で支払う金額は1か月あたり25,000円になります。
共済会
組合や共済会のような組織を持っている企業では、独自のお見舞金や療養費の支払い規定を設けているところもあります。ご自身の会社の規定を一度調べておきましょう。
傷病手当金
健保から支給される手当金です。業務外の理由で(業務の場合は労災が適用)病気やけがで休職した場合、それまでの日給相当額の3分の2が支給されます。
最長で1年6か月分支給されますので、30日程度の入院であればすべて支給範囲内です。
カード付帯
クレジットカードに無料の保険が付保されている場合があります。海外旅行保険・国内旅行保険が付保されていれば、旅行中の病気・けがによる治療費は保険金が出る可能性が高いので、お持ちのカードの保障内容を確認しておいた方がよいでしょう。
貯金
保険に加入する目的は、いざという時自分で賄えないからです。自分で十分な貯金があれば、保険に入る必要はありません。
その保障必要?保険料を安くするコツ
それでもやっぱり医療保険に入っていた方が安心という場合でも、保険料は抑えたいものです。
保険料は保障内容によって変わってきます。以下の保障はよく聞くものですが、自分にとって必要かどうか、よく考えましょう。
高度先進医療
高度先進医療とは、まだ一般的になっていない治療方法で効果的かどうかが確認されていないため保険が適用になっていない治療法です。そのため、適用になる病院も大学病院などいくつかに限られています。
がん保険でよく聞く言葉ですが、がんの治療は原則、手術・放射線・抗がん剤です。高度先進医療を行う人は患者全体の2,3%と言われています。
差額ベッド代
個室を利用する場合に発生する費用です。個室しかない病院もありますし、大部屋と個室の区別がそれほどない病院もあります。大部屋でも十分プライバシーは守られていますので、予算に合わせて検討してください。
死亡給付金
自分が亡くなった後、遺族に支払われるものです。おひとり様であるとか、家族が十分な収入を得ているのであれば、不要です。
チェックするのは保障内容だけじゃない
みなさん、保険の保障内容はきちんとチェックするのですが、他にもチェックしなければいけないことがあります。
キチンと払ってくれるか?
保険で一番大事なことは、いざというとききちんと保険金を払ってくれるかどうかです。審査基準が厳し過ぎないか、すぐに払ってくれるかなど、他の利用者の声などで確認しておきましょう。
解約した場合は?
自分のライフスタイルや、新しい保険商品などで、解約する必要も出てきます。その時、解約返戻金があるのかないのか、確認しておきましょう。
病気やけがへの備えは大事ですし、安心を得る方法として医療保険もいいのですが、保険は加入するとずっと保険料を払うことになります。その前に本当に必要かどうかも十分検討しましょう。