健康や節約のために、電車・バス通勤から自転車通勤へ変えようと思っていませんか?
自転車通勤に変えた後も悪天候の日に電車やバスを利用したい場合、普通運賃利用と定期券利用の差額が気になりますよね。
また、子供の通学のために朝だけ車で送り復路だけ通学定期利用とする生活を計画中の人も、定期券利用がお得かどうか気になるものです。
定期券のお得度について、サンプルケースを用いてご紹介します。
定期券はどのくらいお得?
自転車通勤を検討するときに知っておきたいこと
2018年11月6日


自転車通勤が気になり始めるとき
混雑した電車やバスの中にいると、窓の外の自転車通勤派が快適そうに見えるもの。自転車通勤という新しい選択肢が頭をよぎり、自宅から会社までの距離を改めて調べてみたくなる人もいるでしょう。自転車通勤にすると電車やバスの定期代を節約でき、混雑の不快さから解放され、季節の風を感じられるといったメリットを得られます。
さて、ここで気になり始めるのが、これまで利用してきた通勤定期のお得度です。自転車通勤をするとしても悪天候の日は電車やバスを利用したいという人もいます。また、朝の通勤・通学時だけ家族に車で送ってもらい復路のみ電車やバスを利用したいと考えている人も、定期券のお得度が気になるはず。
定期券のお得度はどのくらい?
私鉄2駅分のケースを紹介
それでは、私鉄2駅分の一例でIC運賃と定期券の金額を比べてみましょう。通勤や通学での電車やバスの利用は大体1日1往復のみです。そのため、定期代がIC運賃での往復何回分の料金に相当するかを計算すると、お得度をわかりやすく判断できますね。
例)IC運賃:124円(大人):62円(子供)区間の場合
【種別:1カ月定期代(IC運賃往復回数):3カ月定期代(IC運賃往復回数):6カ月定期代(IC運賃往復回数)】
・通勤定期券:4,510円(往復18回分):12,860円(往復52回分):24,360円(往復98回分)
・通学定期券(中学生以上):1,940円(往復8回分):5,530円(往復22回分):10,480円(往復42回分)
・通学定期券(小学生まで):970円(往復8回分):2,770円(往復22回分):5,240円(往復42回分)
通勤定期に比べて通学定期の金額がかなりお得となっている様子がわかります。
雨の日に公共交通機関を利用したとしても
各月における平日日数を20~21日で考えると、通勤定期のお得度は1カ月定期で往復2~3回分、3カ月定期で往復8~10回分、6カ月定期で往復22~28回分ぐらいです。定期券の期間が長くなるほど、お得度はアップします。
例えば東京の年間の雨の日を101日と考えると、月平均は約8日。普通運賃で8日間利用したとしても定期代より十分に安くなります。自転車通勤の節約効果の高さを実感できる結果です。
出典:気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2013&month=&day=&view=a1)
また、上記ケースで片道だけの利用の場合、通勤定期では定期券を利用するよりも普通運賃で利用したほうがお得。一方、通学定期は通勤定期に比べてお得度が高いため、片道利用だとしても定期券を購入したほうがお得となります。なお、地域によっては片道定期券を導入している交通機関もあり、通常の定期券の半額となっているケースが一般的です。
バス利用特典サービスが便利
意外とお得ではないバス定期券
続いて、バスの定期券利用について調べてみた結果をご紹介しましょう。約10分の乗車区間の場合の一例です。
例)IC運賃216円(大人):108円(子供)の乗車区間の場合
【種別:1カ月定期代(IC運賃往復回数):3カ月定期代(IC運賃往復回数)】
通勤定期:9,590円(往復22回分):27,330円(往復63回分)
通学定期券:7,580(往復17回分):21,600円(往復50回分)
通学定期券(子供):3,790円(往復17回分):10,800円(往復50回分)
上記において通勤定期の往復回数に注目してみると、普通に乗車したときの運賃と比べたお得感はさほど感じられません。1カ月の平日日数とほとんど変わらないためです。
通学定期であればお得感は上がりますが、それでも定期券にするべきと感じさせるほどではありませんね。ただし、休日出勤や休日の部活動などがある場合は定期券使用日数が増えるため定期券のお得度が上がります。
自動的にバスチケットを付与してもらえる
バス利用の際に注目したいのは、バス利用特典サービスです。バス乗車にPASMOやSuicaを使う人であれば、バス利用特典サービスを受けられます。バス利用特典サービスとは、1カ月間のバス利用額に応じてバス運賃支払いに利用できるバスチケットが付与される仕組みのこと。
【バス利用特典サービスの概要】
・運賃支払い1円に対し1ポイント付与
・バスチケットはバス運賃支払時に優先して使用される
・チケットの有効期間は10年
・1,000ポイントごとに自動的にバスチケットおよそ100円分が付与されるイメージ
PASMOやSuicaでバスを利用する場合は、定期券を購入しなくてもバス利用特典サービスで約1割分のお得度を得られますね。なお、バス全線定期券を扱っているバス会社もあります。その場合は全路線を定期券で乗り放題とできるため、バス利用の多い人ほどお得。自転車通勤へ変更するかどうかも含め、生活スタイルに合わせてバスの利用方法を選ぶとよいでしょう。
通勤に使うなら定期券がお得というイメージはあっても、具体的にどのくらいお得かを把握できている人は意外と少ないもの。休日出勤が多い人や週3日勤務の人など、それぞれの人の働き方によって定期券のお得度は変わります。自転車通勤やほかの理由をきっかけに、ふだん利用している定期券のお得度を一度チェックしてみてはいかがでしょうか。