先日、関西地方を襲った台風21号。私の周りの人たちも、外壁やカーポートの屋根に被害を受けた方がたくさんいます。このような被害は火災保険で補償されますが、場合によっては補償されないことも!イザという時に困らないために、もう一度火災保険を見直しておきましょう。
台風の被害、何が補償されるの?
もう一度見直しておきたい火災保険
2018年10月7日
こんな場合は補償されない!
台風で被害を受けた場合、火災保険の風災や水災での補償を受けることができます。
しかし、実際に被害を受けて保険金の請求をしようとした時に、補償が受けられない場合があります。
火災のみの場合
台風によって、瓦が飛んでしまったり、ベランダの柵が外れたり、外壁が崩れたり・・・。
こんな場合は火災保険で補償されますが、火災保険に入っているからといって、全員が補償されるわけではありません。
ほとんどの火災保険には風災補償特約が自動で付帯しているので、ほとんどの人は台風による損害の修理費用を火災保険でまかなうことができます。 しかし中には基本補償が火災のみで、水災や風災などの他の補償を特約として追加することで保険料を抑える仕組みの火災保険があります。
火災保険に入っているから安心と思わずに、自分の入っている火災保険の内容をしっかり確認しておきましょう。
免責20万円となっている場合
最近では火災保険の契約の時に、免責額を自分で決められる保険が多くなっています。
しかし、昔の火災保険では保険金の支払い方式がフランチャイズ方式となっているものがあり、フランチャイズ方式とは、損害賠償金額が免責金額以上の場合に限り、損害保険金をお支払いする方式です。この20万円フランチャイズ方式の保険では損害額が20万円未満の場合は保険金が支払われません。 その代わり、損害額が20万円以上の場合は全額保険金が支払われます。
火災保険は一度加入するとそのままの場合が多いです。ずっと前に火災保険に加入したままと言う人は、少額の被害の場合保険金が支払われない場合があるので注意が必要です。
隣の人に補償してもらえる?
隣の家の瓦が飛んできて自宅の窓が割れたという被害もよく聞きます。このような場合、隣の家の人に弁償してほしい気持ちになりますが実際、弁償してもらえるのでしょうか。
基本的には責任がない
結論からお伝えすると、台風のような自然災害では賠償請求はできません。
台風の突風で物が飛んできて自宅の窓ガラスが割れた場合は、基本的には自分が加入している火災保険の風災の補償を利用して自分で直す必要があります。
個人賠償責任保険は使える?
最近では自転車保険の代わりとして個人賠償責任保険に加入したり、車の保険に特約としてつけたりしている人が多いかと思います。
個人賠償責任保険とは、日常生活における偶然の事故により他人にケガを負わせたり他人の物を壊したりすることで、法律的に賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。
台風や竜巻などの自然現象による損害は、個人に賠償責任が生じないため、基本的には補償の対象にはなりません。
現実はケースバイケースで
台風が来るとわかっていて、外に危険物を放置していた場合や、日ごろから屋根のメンテナンスを怠っていた場合などは、過失を問うことができる場合があります。
また、近所付き合いとしての道徳心からお見舞金を渡したり、弁償をしたりする人もいます。
ただ、被害を受けた方も、台風が来ると分かっていて雨戸やシャッターを閉めなかったり、屋根のない駐車スペースで車にカバーをかけなかったりすることがないよう、最大限の防災対策は必要ですね。
車の損傷、どうしたらいい?
隣の家から瓦が飛んで来て、車のガラスが割れたり車体に傷がついたりしても、先ほどからお伝えしているように、隣の人に弁償してもらうことができません。
火災保険は使えない
車の損傷も、台風の風災が原因なのだから火災保険で直せばいいの?
答はノーです。火災保険は居住用の建物とその建物内の家財を対象とした保険ですので車は対象外になります。
例えば、カーポートの屋根が倒れて車に傷がついた場合は、カーポートの修理は火災保険を利用することができますが、車の修理は火災保険を利用できません。
車の損傷は車両保険で
台風により、道路が冠水し車が水没したり、強風で飛んできた瓦が車に当たったりして車に損害が生じた場合は車両保険を利用することができます。
ただし、車両保険を付帯すると保険料は割高になります。そのためそもそも車両保険に加入していない人も多いでしょう。加入していても保険料を安くするために免責金額を設定している場合もあると思います。この免責金額を高くすればするほど保険料は安くすることができます。
仮に、免責金額を10万円にしている場合、修理代が10万円以下なら保険金は支払われません。
また、自動車保険は利用すると翌年の等級が下がり、保険料が高くなります。
保険を利用する前に、自腹で修理するか、トータルで考えてどちらが得になるかを検討することが大切です。
損害を受けた人がよく言うのが「自分のところは大丈夫だと思っていた」と言う言葉。
損害を受けてからでは遅いので、ぜひ一度、火災保険を確認しておいてくださいね。