ある程度年を重ねると、意識せざるを得なくなるのが「親の介護」。自分の生活に加え、親の介護となると目が眩みそうですが、今から出来る準備にはどんなものがあるのでしょうか?介護にかかるお金や、お葬式のお金など、親の老後に備えるポイントをご紹介します。
誰でも必ずやってくる親の介護とその費用
いまから準備出来ることって?
2016年9月8日
介護にかかる費用ってどのくらい?
自分の親やパートナーの義理親にはいつまでも元気でいてほしいですが、誰でも突然やってくる可能性がある介護の問題。実際、親を介護するとなった場合、どのくらいの負担がかかるのでしょうか。
介護にかかる日数
公益財団法人生命保険文化センターが行った「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」では、過去3年間に介護経験がある人に、どのくらいの期間介護を行ったのかを調査したところ、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は、平均4年11カ月になっています。
4年以上介護した割合は、全体の4割を超えていました。長期間にわたる介護の負担に、不安を感じたり悩んでいる人が多い現状が分かりますね。
実際の費用とは
さらに、介護にかかった費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時的に多くかかる費用の合計が平均80万円。
月々の費用は、施設や病院の利用料、生活費、介護用品の購入費や交通費などを含めて平均月に7.9万円となっています。
これだけの介護費用を準備するのは、経済的に家計を圧迫するとても大きな負担です。 また、親が遠方に住んでいたり、仕事や子育てで忙しく、自分たちで親の介護を十分にできない場合は、老人ホームなどの施設への入居を検討することもあるでしょう。
これら老人ホームにはさまざまな種類があり、費用やサービス内容が大きく異なっています。老人ホームについて詳しく知りたい方は、知っておきたい 老人ホームのABCも参考にしてみてくださいね。
このように、親の介護は家族にとって大きな問題です。できれば、親が元気なうちに、親自身はどのくらいお金の余裕があるのか、万が一介護が必要になった時、親はどのような生活を希望するのかなど、一度ゆっくり話し合っておくと安心でしょう。
お葬式の費用 どのくらいかかる?
次に、意外と費用がかかるお葬式について、チェックしてみましょう。身内が亡くなり、精神的にとても辛い時期ですが、最後の親孝行としてしっかり準備してあげたいのがお葬式。
宗教や、どのような形式をとるかによってもかかる費用が変わってきますが、日本消費者協会が2014年に行った「第10回葬儀についてのアンケート調査報告書」によると、葬儀にかかる費用の総額は約189万円となっています。 お墓などを新たに購入する必要があると、さらに費用がかさみますね。
兄弟がいる場合は、これらの費用をどのように分担するのか、しっかり話し合って検討する必要があります。 もしもの時に慌てないようにするために、介護の問題と同様に、家族で事前に話し合いをしておくと安心でしょう。
今から備える老後の問題
親が年齢を重ねると、介護やお葬式の費用など、たくさんの心配が出てきます。
まずは話し合いを
これらの不安を解消するためには、まず介護やお葬式に使える費用がどのくらいあるのか、一度親と確認してみましょう。
子供の負担を軽くしようと、親自身が自分で医療保険や生命保険などに加入している場合もあるので、これらの不安が杞憂に終わることもあるかもしれませんね。
面と向かって親と話しにくい話題かもしれませんが、お互いの将来のために、とても大切な第一歩です。
早め早めの計画がミソ
また、親の老後やお葬式の費用が足らないと分かった場合は、早め早めから貯金計画を立てていくようにしましょう。
子供だけに負担がかからないようにするためには、親と相談して、親の退職金や、もらっている年金の一部を積み立てていく方法もあります。事前にしっかり準備しておくことで、万が一の状況になっても安心ですね。 いかがだったでしょうか。
元気な親の姿を見ていると、介護やお葬式の問題はまだまだ先のことと感じてしまいがちですが、何より早めの準備が大切です。事前にしっかり話し合いを行い、家族のピンチをみんなで協力して乗り越えていきましょう。